7月24日通り の商品レビュー
日常の緩やかな流れを描く吉田修一作品。 住む街をリスボンに例えてみる主人公。 いつもはくすんだ街、そこから色を奪い取るとこんなにも美しくなること。 自分の色とは。 ペソア「私たちはどんなことでも想像できる、 何も知らないことについては。」 主人公が見てる世界、街、弟、聡志は無...
日常の緩やかな流れを描く吉田修一作品。 住む街をリスボンに例えてみる主人公。 いつもはくすんだ街、そこから色を奪い取るとこんなにも美しくなること。 自分の色とは。 ペソア「私たちはどんなことでも想像できる、 何も知らないことについては。」 主人公が見てる世界、街、弟、聡志は無意識に自分で作りあげた固定概念で固められている。改めて個人が見てる世界はそれぞれ全く違うものと痛感する。それを押し付けてはいけないし、それで相手を傷つけることにもなる。 「わたしも一度くらい、ちゃんと間違ったことしてみる」と最後に主人公が踏み出した勇気はその概念を崩していく一歩なんだろうなぁ
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恋愛ものなのですが、主人公のOLに共感出来なくてつらかったです。文体は読みやすく、ちょっとした時間に読むには程よい長さだと思います。[private]大黒[/private]
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うまくいくか、いかないかではなく、 踏み出すか、とどまるか。 最終的には踏み出すことを選んだ主人公、 もしも友達だったら「やめときなって。。。」 と言うだろうけど、 彼女の人生には必要なのかもしれない。
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これは吉田さんにはめずらしいくらい爽やかな話。彼女の恋は上手くいかないかもしれない、と彼女も私たちも思っている。それでもずっと脇役だった彼女が当事者として踏み出した一歩はなぜだか清々しい。リスボンではない故郷と同じように、自分のことも少しは好きになれるかもしれない。女性の同族嫌悪...
これは吉田さんにはめずらしいくらい爽やかな話。彼女の恋は上手くいかないかもしれない、と彼女も私たちも思っている。それでもずっと脇役だった彼女が当事者として踏み出した一歩はなぜだか清々しい。リスボンではない故郷と同じように、自分のことも少しは好きになれるかもしれない。女性の同族嫌悪と章立ての仕掛けが上手くきいていた。
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自分にふさわしいかふさわしくないのかで動く人って、幸せになるのかなぁ?モテる人を好きなる気持ちもわからないではないが、自然に振る舞うことができない時点でしんどいなぁ。映画「勝手にふるえてろ」「彼女の知らない鳥たち」の主人公も同じような感じ。そういう女性が少なからずいるってことです...
自分にふさわしいかふさわしくないのかで動く人って、幸せになるのかなぁ?モテる人を好きなる気持ちもわからないではないが、自然に振る舞うことができない時点でしんどいなぁ。映画「勝手にふるえてろ」「彼女の知らない鳥たち」の主人公も同じような感じ。そういう女性が少なからずいるってことですね。空想が好きな女性が。
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自分の住む街をリスボンに置き換え、一人で楽しんでいる主人公の本田小百合。 自分のことを平凡でいけてない女と思っている。 小百合には高校時代から憧れていた聡史という陸上部の先輩がいる。 聡史には誰もがお似合いと認める彼女がいた。 しかし、二人は大学入学を機に分かれていた。 同窓会で再会した小百合と聡史。 一方で、リスボンに置き換えた街で出会った名前も知らない画家(警備員をしている)に興味をもつ小百合。 解説では小百合のことを「破れ鍋に綴じ蓋」の”割れ鍋気質”と書いている。 う~~ん、言いえて妙だ。 この本の中で、小百合はまさに「破れ鍋に綴じ蓋」というか、似た者同士でいることが一番と思っているところがある。 本当は憧れている聡史に振り向いてほしいのだが… 小百合には自慢の弟がいる。 誰もが認めるイケメン。 その弟の彼女が小百合には気に入らない。 その理由は、自分を重ねてしまうような地味な容姿だから。 弟の彼女が自分の性格を分析し、10個あげていくのだが… あぁ、そういうこと…、と思わせてくれる伏線が。 ラストの小百合の決断。 あら、その決断をしたのね!と思ったけれど、その道を選ばなければ、小百合は前へ進めないだろうな、と納得。 吉田さんの作品は6作品目。 これまで読んだ5作品のうち、3作品が映画化されている。 そして、この「7月24日通り」も。 読み始めてすぐ、映画ではこの街はどんなふうに描かれているのかなぁと想像を巡らせた。
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地味で目立たぬOL本田小百合は、港が見える自分の町をリスボンに見立てるのがひそかな愉しみ。異国気分で「7月24日通り」をバス通勤し、退屈な毎日をやり過ごしている。そんな折聞いた同窓会の知らせ、高校時代一番人気だった聡史も東京から帰ってくるらしい。昔の片思いの相手に会いに、さしたる...
地味で目立たぬOL本田小百合は、港が見える自分の町をリスボンに見立てるのがひそかな愉しみ。異国気分で「7月24日通り」をバス通勤し、退屈な毎日をやり過ごしている。そんな折聞いた同窓会の知らせ、高校時代一番人気だった聡史も東京から帰ってくるらしい。昔の片思いの相手に会いに、さしたる期待もなく出かけた小百合に聡史は……。もう一度恋する勇気がわく傑作恋愛長編! まるで私のことを書いているのではないかと思うくらい、性格が似ている! 自分に自信が持てなくて、間違いをしたくなくて、いつも慎重に控えめになってしまう小百合。 そんな彼女が最後には、正しい・正しくないの線を超えて、自分の願望を叶えるために行動する。 勇気をもらえた!
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いつか傷付くとわかっていても、高嶺の花を求める女性の話。 高嶺の花となる先輩と弟。性格の描写は少なくとにかくイケメンということに尽きる。 一方、主人公に心を寄せる元同級生や画家志望の青年は控えめだけど優しく、そっと側にいてくれるようなタイプ、ただし地味。 後者(特に画家志望の青年)となら上手くいくのに〜と思いヤキモキ。しかし、主人公は賭けに出ます。 「間違えたくない」きっとみんなそういう気持ちあるんじゃないかなぁ。最後、勇気と不安が残る不思議な気持ちになりました。 ちなみに主人公は自分の街をポルトガルのリスボンになぞらえて、道やお店にリスボン風の名前を付けて呼んでいます。作中ではあまり人に言わない方がいいよ、と言われてますが、私はそういう発想(ほぼ妄想ですが)できて素敵だなと思いました(^^)
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面白かったです。みんな幸せになったらいいな、と思いました。間違った方向へ、間違ってる、と分かっていても進むというのはとても勇気が要る事ですが、それを選んだ主人公が爽やかでした。聡史さんと警備員さんでは、警備員さんの方がわたしはいいなぁと思うのですが、彼らのその後が気になります。各...
面白かったです。みんな幸せになったらいいな、と思いました。間違った方向へ、間違ってる、と分かっていても進むというのはとても勇気が要る事ですが、それを選んだ主人公が爽やかでした。聡史さんと警備員さんでは、警備員さんの方がわたしはいいなぁと思うのですが、彼らのその後が気になります。各話のタイトルが不思議だな、と思っていたら、最終章で意味がわかりました。わたしも自分の性格をちゃんと見つめてみよう。恋っていいな。
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タイトルに惹かれて購入。途中までは面白く読んでいたのだが、結局どの登場人物も中途半端な印象で消化不良な感じ。
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