カラマーゾフの兄弟(3) の商品レビュー
やっと3巻まできて話の流れを掴めた。それにしても、ロシア人というのは話している途中でこんなにも激昂したり、ヒステリックになったりする人たちなのか?近年はプーチン大統領のイメージが強すぎるのと、身近にロシア人の知り合いがいないために想像がつかないが、どうにも主人公達の感情の上下につ...
やっと3巻まできて話の流れを掴めた。それにしても、ロシア人というのは話している途中でこんなにも激昂したり、ヒステリックになったりする人たちなのか?近年はプーチン大統領のイメージが強すぎるのと、身近にロシア人の知り合いがいないために想像がつかないが、どうにも主人公達の感情の上下についていけない場面が多い。葬式の泣き女状態の人たちの会話をずっと聞いている(実際、彼女達は泣くだけで話をせず、商売だけに冷静なのだろうが)ような変な疲れを感じるのは否めない。
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4部構成の3部、転に当たる本巻。いよいよ殺人事件が起こってしまい、カラマーゾフ家に激震が走る物語展開。あえて経時的配列を取らず、多少の時間的前後をもって描かれる見せ方が絶妙で、さすがに世界観に引き込まれる。更に良いことに、これまでの1部や2部で繰り返された、宗教観などをめぐる論争...
4部構成の3部、転に当たる本巻。いよいよ殺人事件が起こってしまい、カラマーゾフ家に激震が走る物語展開。あえて経時的配列を取らず、多少の時間的前後をもって描かれる見せ方が絶妙で、さすがに世界観に引き込まれる。更に良いことに、これまでの1部や2部で繰り返された、宗教観などをめぐる論争みたいなのが今回は無くて、それも個人的にはポイント高し。あまりに幼稚な長男の言い訳が嘆かわしいけど、え、これってホントに彼が犯人じゃないとかあり得るの?その回答を含む、ここからのクライマックスに期待。
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や……やっと読み終わったぞ(ぜい、ぜい)という感じ。 普通2巻で挫折する人が多いと聞きますが、むしろ宗教話の多い2巻の方が、私には面白く、この3巻では、長男坊の行動と心情に、かなりイライラさせられました。
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第1部、第2部に渡って神はいるか、いないか、などを挙げ、宗教面を引き合いに出したりアリョーシャを通して相関関係を我々読者が(カテリーナの件についてを除いて)説明的に理解していたったのは全てこの第3部のためにあったと感じた。 また、第3部まではアリョーシャが軸となっていたわけだが...
第1部、第2部に渡って神はいるか、いないか、などを挙げ、宗教面を引き合いに出したりアリョーシャを通して相関関係を我々読者が(カテリーナの件についてを除いて)説明的に理解していたったのは全てこの第3部のためにあったと感じた。 また、第3部まではアリョーシャが軸となっていたわけだがゾシマ長老の件があってからは彼の中で何かしらの変化が現れ始めていることは誰もが感じ取っていたと思う。物語を最後まで読まないと分からないが、ある面においては最初はドミートリー、イワンを見つめるアリョーシャという構図になっており、あくまで正義の、正しい心の持ち主というアリョーシャのまなざしによってカラマーゾフの血がいかに卑劣かを表現されていたが、そのアリョーシャにも卑劣とは言わないが何かに侵食されてきている感じは今後の展開にもよると思うがもしかしたらアリョーシャも変わることによって絶対的なカラマーゾフ家の血が表現されるのではないかと感じた。第3部ではドミートリーが主軸であったが、段々ドミートリーの悲劇的なまでに思い通りにいかない彼の行動には読者としては最後まで落ち着かずにはいられなかった。また、村上春樹の現在の文体には少なからずドストエフスキーが影響している要素があることを感じた。
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うううううむ、ミーチャが理解できない。 理解できるわけがない。 イワンやアレクセイ、フィヨードルならどうにか理解も出来るけれどドミトリィだけはどうにもこうにも。 そのミーチャが出ずっぱりなので、面白いも面白くないも何もいえない。 何度読んでもこの辺りは苦手だ。
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永眠した長老の腐臭 1本のネギ、 芥川龍之介のくもの糸、全く同じ話で驚く、 お金がないと言う切羽詰まった状況、お金がありすぎると言う状況が、いかに人間に不条理な選択を迫り、狂気に駆り立てて行くか、
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いよいよ物語のクライマックス、フョードル・カラマーゾフ殺害事件が起こる。最も怪しい容疑者、ドミートリーを中心にこの巻の物語は展開される。 それにしても、ドミートリーがあまりにもおバカで読んでいてイライラする。この人が現代の日本に生きていたら…親が経済的に豊かで面倒を見てくれるよ...
いよいよ物語のクライマックス、フョードル・カラマーゾフ殺害事件が起こる。最も怪しい容疑者、ドミートリーを中心にこの巻の物語は展開される。 それにしても、ドミートリーがあまりにもおバカで読んでいてイライラする。この人が現代の日本に生きていたら…親が経済的に豊かで面倒を見てくれるようなら何とかやっていけるだろうけど、親がフョードルのようなネグレストだったら半グレになるしかないんじゃないか。 そんなおバカを支えてくれる社会の暖かさを感じる。そもそもフョードルが子ども達にまったく関わらなくても召使いや親戚が面倒をみてくれる。役人のペルホーチンや宿屋を営む農民のトリフォーンなどは、腹に一物あるものの何かとドミートリーを気にかけ手を貸してあげている。現代にはない人の繋がりを羨ましく思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ミーチャの出番が多く、350ページあたりからやっと父殺しが発覚する三巻。 その辺りからはテンポもよく、かなり読みやすくなったように感じた。 ミーチャは高潔なのかもしれないけど、身近にいたら断じて関わりあいにはなりたくないタイプだと思う。 素直で純粋な面も多いが、それ故にかあまりに直情的すぎて危険に感じる。 それが今後の裁判にどう響いてくるのかが気になるところ…。 (2022/03/28に再読。感想は再読記録のほうに。)
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2015年12冊目。 2巻ではイワンとアリョーシャの会話とゾシマ長老の伝記がメインで、出来事の流れはそこまで多くなかったが、3巻ではアリョーシャとミーチャの二つの視点で物語が大きく展開し、ついに父殺し事件を巡っての予審が始まる。 一つひとつの出来事が濃厚でありながら、疾走感があ...
2015年12冊目。 2巻ではイワンとアリョーシャの会話とゾシマ長老の伝記がメインで、出来事の流れはそこまで多くなかったが、3巻ではアリョーシャとミーチャの二つの視点で物語が大きく展開し、ついに父殺し事件を巡っての予審が始まる。 一つひとつの出来事が濃厚でありながら、疾走感があり一気に読めた。 数々の伏線が最後の四巻でどう完結するのか楽しみ。
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文学史上最も有名な「父殺し」を巡り、疾風怒濤のスケルツォが展開する。錯乱と混乱、そして過剰。人間の狂気の全てを詰め込んだミーチャが、カーニバルな世界を踊り狂う。目眩のするような読書体験を、一気読みで。
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