カラマーゾフの兄弟(3) の商品レビュー
世界最高の小説と評価が高い
作家の村上春樹も「これまでの人生で巡り合った最も重要な本の3冊」と本書を押している。3人兄弟の葛藤が描かれている。
aoi
肝になる事件が起きた、というところか。出てくる人たちがものすごい勢いでしゃべるので、ちょっととまどうところもあるんだけどさ。でも、そこが面白さなのかもしれない。昔誰かが、一巻を読むのに半年かかり、二巻から五巻が一気読みだった、なんてコメントを出していたのを読んだ記憶があるけど、た...
肝になる事件が起きた、というところか。出てくる人たちがものすごい勢いでしゃべるので、ちょっととまどうところもあるんだけどさ。でも、そこが面白さなのかもしれない。昔誰かが、一巻を読むのに半年かかり、二巻から五巻が一気読みだった、なんてコメントを出していたのを読んだ記憶があるけど、たしかに二巻以降、引き込む力が強くなった気はする。
Posted by
カラマーゾフの兄弟第3部「アリョーシャ編」ゾシマ長老の死、腐臭騒ぎがアリョーシャ及び教会内外を揺るがす。「ミーチャ編」時に繊細な一面を見せるが傍若無人に振る舞うミーチャの姿が大事件を忘れさせる。後半になって急に父殺しの容疑を掛けられる展開になり一気に引き込まれた。「予審編」はその...
カラマーゾフの兄弟第3部「アリョーシャ編」ゾシマ長老の死、腐臭騒ぎがアリョーシャ及び教会内外を揺るがす。「ミーチャ編」時に繊細な一面を見せるが傍若無人に振る舞うミーチャの姿が大事件を忘れさせる。後半になって急に父殺しの容疑を掛けられる展開になり一気に引き込まれた。「予審編」はその流れで読了。
Posted by
かなり話が動いてきた!と感じました。ミーチャの感情がすごく豊かに表現されていて、人間臭くて、腹が立つところもあるけれど魅力的だなと思いました。 1巻読むごとに体力が消耗されるので、少し休んで4巻も読みたいと思います。
Posted by
第3巻はゾシマ長老の亡骸から腐臭がすると皆が「実は聖人じゃなかったんだ」「甘いものをかまわず口にしてたもんな」「そもそも苦行僧がサクランボのジャムでお茶楽しんでていいのか?」(p26)ってなってて19世紀末でもこんな迷信まみれなのがおもしろい。と思ってたら解説で腐臭や甘いものは小...
第3巻はゾシマ長老の亡骸から腐臭がすると皆が「実は聖人じゃなかったんだ」「甘いものをかまわず口にしてたもんな」「そもそも苦行僧がサクランボのジャムでお茶楽しんでていいのか?」(p26)ってなってて19世紀末でもこんな迷信まみれなのがおもしろい。と思ってたら解説で腐臭や甘いものは小説上のモチーフとありなるほど。のん気な読みをしていた。 ミーチャが大騒ぎするシーンは描き方はうまいのだが、薄い内容をペラペラしゃべる長セリフには辟易とした。よく見るとミーチャ以外もセリフが無駄に長くてロシア人って皆こんな感じなんだろうか。主人公のアリョーシャだけは口数が少なくて別格。 第3巻から誰が殺人犯かの謎解き要素が強まるが、本書は決してミステリー本じゃない、芥川龍之介の「藪の中」みたいに正解はわからないのだろう、と思い解こうという気にはならなかった。 餓鬼(がきんこ)の夢は唐突なので目を引くが、なぜミーチャなのか。これがイワンなら第2巻の子殺しのくだりがあるから自然なのに。カラマーゾフ共通の心情という意味なのか。
Posted by
第一部、第二部となかなか読みにくかったが、第三部にして一気にスピードガンが出て読み応えが出てきた。 各登場人物の動き、背景が少しずつ合わさってきて、最後まで一気に読み終えたくなってくる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いろんな意味で衝撃でしたしミステリー小説の始まりみたいになっちゃってて、おや?私は世界的に有名な文学作品読んでるはずでは?と戸惑いました。 始まりは不穏としか…これまで数々の奇跡が語られてきたゾシマ長老の棺から、腐臭が漏れだし、あっという間に噂になってしまう。反長老派や不信心者たちからは嘲笑われることに… アリョーシャが打ちひしがれながらも長老の言葉通り修道院をでてゆくと、神学生仲間の嫌味なヤツ、ラキーチンによってグルーシェニカの元へ。 ここで、村上主春樹さんの『街とその不確かな壁』に登場するベッドの上に残された葱を2本を思い出さずにはいられないエピソード、第3部第7編の3章に「一本の葱」とタイトルがついた章が! やたらとアリョーシャになれなれしいグルーシェニカには頭にきますが、小さい頃に聞いたという寓話を披露してくれます。それが、まるで芥川の「蜘蛛の糸」のような葱のお話しです。思い出した方はきっとバー・スメルジャコフの会員でありましょう。 このあとはミーチャの破天荒ぶりが暴露されてゆきます。グルーシェニカと一緒になるために、元婚約者のカテリーナへの借金を何とかしようと金策に走り回るミーチャ。 3000ルーブルのゆくえです。(半分豪遊して使ってます)めちゃくちゃで私にはとうてい好きになれないキャラクターでしたね。 そして最初からムンムンしていたフョードル、カラマーゾフ父がついに殺害されます…
Posted by
物語は遂に動き出します。ゾシマ長老の遺体の異変という不穏な事件。金策に走る長男ミーチェの滑稽さと人々の悪意。ポーランド人を巻き込んでの異常かつ緊迫のドンチャン騒ぎ。読みどころ満載の3巻は優れたエンタメ。 2巻の「大審問官」のあとは娯楽要素が強くなったような気がします。
Posted by
第三巻は、主にミーチャ、ドミートリー・カラマーゾフの物語だった。 主体は会話、会話、会話の応酬で、巻末読書ガイドによれば、ドストエフスキーの癖ともいえるらしい、副詞「とつぜん」の多用。 訳者の亀山郁夫氏はこれを、場面に応じて「ふいに」「ふと」「いきなり」などで訳し分け、会話劇のス...
第三巻は、主にミーチャ、ドミートリー・カラマーゾフの物語だった。 主体は会話、会話、会話の応酬で、巻末読書ガイドによれば、ドストエフスキーの癖ともいえるらしい、副詞「とつぜん」の多用。 訳者の亀山郁夫氏はこれを、場面に応じて「ふいに」「ふと」「いきなり」などで訳し分け、会話劇のスピード感、今この瞬間を生きている登場人物の生々しさを表現している。 特に、「第8編 ミーチャ」から読了まで、ものすごい疾走感でグイグイ読ませてくるのが、2巻の重厚感と対になって面白い。 ミーチャという、典型的破滅型人間のあまりにも剥き出しの「生」に、胸焼けを起こしそうになる。 描写を読む限りではかなり屈強な体格であろうと思われるが、奔放さと繊細さのバランスが見事に崩れていて、すぐ泣くすぐ怒るすぐ笑う。。 紙面上に会話の唾や汗や血が見えるようで、ドストエフスキーの筆致の凄みが伝わってくる。 冒頭の第7編、アリョーシャの覚醒?なのかな? に至るまでの心の動きも非常に良かった。 イワンが第2巻で話していた「神が創った世界を認めない」というコントラ(否定)に、師の現実的な死(死体から腐臭がしたことを、人々が聖人の堕落だと貶めた事実)を前にして同調し、歪んだ笑いを浮かべるまでに至ったアリョーシャが、リアリズムの中での、俗世に生きる市井の人のもつ深い悲しみや葛藤に触れて、師の喪失から徐々に立ち直り、「地面に倒れたときにはひよわな青年だったが、立ち上がったときにはもう、生涯かわらない確固とした戦士に生まれ変わっていた。」となるまでの流れ、美しかった。 ドストエフスキー曰く、「わたしの青年」=アリョーシャへの言及のなかで、 「わたしの青年が、こうした瞬間にあまり分別くさくなかったことをかえってうれしく感じている」 「例外的な瞬間にあって青年の心に愛が生まれないとしたら、愛がやってくる時はないからである」 ここでいう「瞬間」とは、世界でだれよりも愛するゾシマ長老の死に対しての人々の手のひら返しであろう。いつもは冷静で博愛主義のアリョーシャのこの愛による混乱を、ドストエフスキーは「尊敬に値する」とまで語る。 それは多分、ミーチャの限りない放蕩に対してもなんだろう。 御者に「あなたさまは何もかも赤ん坊と同じですわ、、だから、あっしら、あなたさまを敬ってるんです」とまで言わせているあたりにそれを感じた。 一見ムダと思える描写をしつこく書いたかと思えば、ここから先は説明不要!みたいにバッサリやるのもなんか面白かったなあ。面白い、楽しい、どきどきする、そういう読書時間。 「人間の意識をどこまでも解放していこうとするドストエフスキーの精神」が、かなり色濃く描かれた第3巻。さて4巻はどうなるのか。
Posted by
この3巻から物語が大きく動いた。一気に疾走感溢れ、ページをたぐる手が止まらない。 野蛮人のようなイメージだったミーチャの屈辱と嫉妬。だけどどこか真面目で憎めない奴でもありますね。だから彼の話をじっと聞いていたい気持ちになる。 グルーシェンカは今ひとつ何考えているか分からない。 ...
この3巻から物語が大きく動いた。一気に疾走感溢れ、ページをたぐる手が止まらない。 野蛮人のようなイメージだったミーチャの屈辱と嫉妬。だけどどこか真面目で憎めない奴でもありますね。だから彼の話をじっと聞いていたい気持ちになる。 グルーシェンカは今ひとつ何考えているか分からない。 アリョーシャとイワンはこの後どう絡んでくるのだろう? あと一瞬、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』の一節が出てきて驚いた
Posted by