メタボラ の商品レビュー
面白かったです。最近救いのない内容の作品が続いていましたが、これは久々に希望があるように思えます。救いがないっていう感想の方いらっしゃいますが、桐野作品の救いのなさったらこんなもんじゃないんですよ・・・。人が壊れていく様、どうしてか自分でもわからないうちにどんどん落ちていく様子が...
面白かったです。最近救いのない内容の作品が続いていましたが、これは久々に希望があるように思えます。救いがないっていう感想の方いらっしゃいますが、桐野作品の救いのなさったらこんなもんじゃないんですよ・・・。人が壊れていく様、どうしてか自分でもわからないうちにどんどん落ちていく様子が非常にうまく書かれていると思います。グロテスク同様、独白的な表現の後半は特にぐいぐい読ませます。
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破壊されつくした僕たちは、\"自分殺し\"の旅に出る。なぜ\"僕\"の記憶は失われたのか?世界から搾取され、漂流するしかない若者は、日々の記憶を塗りかえる。孤独な魂の冒険を描く、まったく新しいロードフィクション。
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「すんきゃーびびったさ、まっじ、はごかったー」「ズミズミ、上等」 沖縄を舞台に記憶喪失のギンジ、宮古島出身のジェイクという二人の若者が出会い、それぞれ生きる道を探って彷徨っていく。二人のサバイバル、ギンジの過去、沖縄の社会の現状など、隙のない圧倒的な展開力と人物造型で、一気読みす...
「すんきゃーびびったさ、まっじ、はごかったー」「ズミズミ、上等」 沖縄を舞台に記憶喪失のギンジ、宮古島出身のジェイクという二人の若者が出会い、それぞれ生きる道を探って彷徨っていく。二人のサバイバル、ギンジの過去、沖縄の社会の現状など、隙のない圧倒的な展開力と人物造型で、一気読みするしかない。う〜〜む、もうさすが桐野夏生、である。あばっ、〜べき?、オゴエっ、あっがいー、うわり、だいず、〜さいが、なんとなんと、なーんとなしに……正確なニュアンスは分からないが、宮古島の方言がチャーミングでそれだけでも読んでいてうわり楽しい。しかしながら、いかにもロードノベルというか、やっぱり桐野作品だからというか、あのラストしかなかったのか……主人公二人が桐野作品の主人公にしては健気なだけに救いがなくて、2、3日後味の悪さを引きずった。
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今晩は鶏の手羽元のさっぱり煮と ピーマンのきんぴら、キュウリとミョウガの浅漬け、 雑穀ご飯にみそ汁。 あぁ、久々にちゃんと作るとご飯はおいしいよ。 そして充実感もあるよ。 暑さがアタシからいろんなものを奪っていたのね。 桐野夏生の「メタボラ」を読了。 新聞に連載が始まるときに...
今晩は鶏の手羽元のさっぱり煮と ピーマンのきんぴら、キュウリとミョウガの浅漬け、 雑穀ご飯にみそ汁。 あぁ、久々にちゃんと作るとご飯はおいしいよ。 そして充実感もあるよ。 暑さがアタシからいろんなものを奪っていたのね。 桐野夏生の「メタボラ」を読了。 新聞に連載が始まるときに、毎日読めると楽しみにしてたんだけど これが仕事をしてたせいか、始まって早々リタイヤ。 でもまとまって1冊になったら、そりゃ毎日読ませるわけだから おもしろかった。すいすい、すいすい。 「玉蘭」とか「魂萌え!」とかと同じようなテーマだと思うけど 男の子がメインなんて珍しい。 いろいろ考えさせられる登場人物が多くて、読み応えあり。 働いてない身ってやっぱ世間には肩身狭い気分なわけで、 それでもオットは「働きたくなったら働けば」と言ってくれるし 仕事以外にしたいこともいろいろあるんだけど 他人の目が届かないからこそ、自分に甘くなっちゃったら やっべー、このままコロリと引きこもり!? なんてどうするよ。 暑いから外出たくないなぁ、っていうことさえ きっかけになるかもしれない。
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記憶喪失になった主人公。 ジャングルを必死で逃げ惑う内にであった青年は名前も忘れた自分を「ギンジ」と名づける。 沖縄モノはどうもスキです。でも、尻切れ感が否めません。 なんとなんと。
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記憶喪失になってしまった「僕」が、宮古島からやってきた青年「昭光」と 沖縄本島やんばるの森で出会うところから物語が始まる。 「すんきゃーびびったさ、まっじ、はごかった」 出会ったときに昭光が発した言葉は、今まで聞いたこともないようなきつい宮古弁だけど、 かわいい顔して方言...
記憶喪失になってしまった「僕」が、宮古島からやってきた青年「昭光」と 沖縄本島やんばるの森で出会うところから物語が始まる。 「すんきゃーびびったさ、まっじ、はごかった」 出会ったときに昭光が発した言葉は、今まで聞いたこともないようなきつい宮古弁だけど、 かわいい顔して方言をしゃべりまくる昭光の能天気で単純な性格と共に この独特な方言はだんだんクセになってくる。 「だいずいい感じー」「なんとなんと、おいら宮古さーよー」 彼の発する言葉をいつまでも聞いていたい。 舞台は沖縄、ということで夏休みの読書にはぴったりの作品。 話は結構シビアで悲惨なのに、バックに沖縄民謡が流れているような、 桐野作品にしてはめずらしく心地いい小説なのです。 お金は一銭も持たず、自分が誰かを知る手がかりになるものは一切なし。 そんな「僕」が 「磯村ギンジ」という名前を得て、持ち物を増やしていき、 お世話になった人や友達をどんどん増やしていくのも、」ナイチャーあこがれの地、沖縄だからこそ。 まったりとしたその空気の中で自分探しの生活を送る若者たち。 そこに明るいも未来があるのかどうかはわからないけれど、とにかく居心地がいいので、しばし私も沖縄を堪能する。 ところが!ギンジが記憶を取り戻したとたん、小説はいつもの桐野節にもどってしまうのです。 行き場のない暗い暗い世界。これは小説だけにとどまらず、 日本にごろごろころがってる話なんだろうなと思われる現実味を帯びた話。 つらい、暗い、と思いながらも引き込まれてしまう、まさに桐野夏生の毒牙です。 どうしようもないところまで引っ張っていって、 最後に昭光に言わせる「ズミズミ、上等」という能天気な言葉はどんな悲しい言葉より涙を誘う。
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07年8月。 沖縄で記憶を失った青年と、森の中で彼に最初に会った昭光が主人公。 家庭崩壊、就職難、ニート、ホストクラブ、政治などの話題を絡ませ、一気に読ませる。 青年は記憶を取り戻せるのか?苦労知らずの昭光はどうなっていくのか? 夢のある者と未来に光を見出せない者たちが次々に登場...
07年8月。 沖縄で記憶を失った青年と、森の中で彼に最初に会った昭光が主人公。 家庭崩壊、就職難、ニート、ホストクラブ、政治などの話題を絡ませ、一気に読ませる。 青年は記憶を取り戻せるのか?苦労知らずの昭光はどうなっていくのか? 夢のある者と未来に光を見出せない者たちが次々に登場し、自分勝手に行動していく様が、現代日本の暗部を示していて怖かった。
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すっごく面白く、どんどん読めて 続きが気になる、おもしろ本。 新聞連載の小説ってことで、ややいろんなことを詰め込みすぎのきらいがあり、 終わり方も唐突で、えっ?これで終わっっちゃうん?感がかなりあり、ちょっと苦しげ。 ギンジの性格にバラつきがあり、育った境遇に同情はすれど、姑...
すっごく面白く、どんどん読めて 続きが気になる、おもしろ本。 新聞連載の小説ってことで、ややいろんなことを詰め込みすぎのきらいがあり、 終わり方も唐突で、えっ?これで終わっっちゃうん?感がかなりあり、ちょっと苦しげ。 ギンジの性格にバラつきがあり、育った境遇に同情はすれど、姑息で嫌な性格モードの時は、読んでてかなり鬱々する。 時事ねたも多いけど、すっごく面白い本であるってのは、間違いないです。 「細胞は生まれ変わる。夕方の僕は、朝の僕ではない。」 「あたしたちって、ヨルサクハナだなって。もうこの入り口入ると出られないって」 「だから、ここで死ぬまでヨルサクハナなのかな、と思うと悲しくなる時があるさーよ。」 「言葉を尽くして語ったとしても、どうしてそんなことで、と言われるかもしれない。人が死を選ぶ理由は様々で、レベルでも軽重でもない。あるのは、まさに個人的としか言いようのない理由なのだから、それを他人にわかって貰おうと思うこと、そして他人がわかろうとすること、双方共、錯覚に過ぎないのだ。僕の逡巡はそこにある。」
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桐野夏生の描く主人公やそれを取り巻く環境は、その時々に点在する日本の見過ごしてはならないが、そっと目の外に置かれているようなことが多い。それゆえに説得力があり、読んでいて辛く思えるところがある。DV、離散、崩壊、ニート、底辺。ただ今回の作品は、宮古島の方言を多用し、そこになんとな...
桐野夏生の描く主人公やそれを取り巻く環境は、その時々に点在する日本の見過ごしてはならないが、そっと目の外に置かれているようなことが多い。それゆえに説得力があり、読んでいて辛く思えるところがある。DV、離散、崩壊、ニート、底辺。ただ今回の作品は、宮古島の方言を多用し、そこになんとなしに救いがあるような。終わり方も、ちょっと意外というか、桐野作品にしては失速気味というか。しかし、面白い。一気に読んだ。
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天才・桐野夏生の新たな一面を見た感じ。 今までは女性が主人公となる話が多かった。 途中まではすんぎゃーおもしろかったよ。 だいずーおもしろかった。 最後の方、ちょっと失速・・・ それでも、この人の文章には惹かれるわ。
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