ショートソング の商品レビュー
あるところで読んだ短歌に感銘を受けて、歌人であると知る前に知り合っていた枡野さんの作品をちゃんと読んでみようと思いたった一冊目がこの『ショートソング』。 枡野浩一という、ともすれば少し気むずかしい印象を受ける複雑な内面の人物の、理想や憧れや現実のそれぞれをキャラクターにしたよう...
あるところで読んだ短歌に感銘を受けて、歌人であると知る前に知り合っていた枡野さんの作品をちゃんと読んでみようと思いたった一冊目がこの『ショートソング』。 枡野浩一という、ともすれば少し気むずかしい印象を受ける複雑な内面の人物の、理想や憧れや現実のそれぞれをキャラクターにしたような人物たちが、全員で一人の「枡野浩一」の人生を演じている・・・そんな独特の読み応えがある作品。 登場する歌人たちが詠む短歌は、ほぼ実際の枡野さんの短歌であり、それがキャラクターの人物造形に一役買っている。こんな歌を詠みそうな性格の人間がいたら・・・という感じで、歌から性格を削り出したかのような個性豊かな人物像がこの作品の面白みであり、同時に歌人にとっての短歌が生まれる状況という創作の秘密も垣間見えるようになっており、非常に興味深い。もしかすると、枡野さん自身に興味のある人にとっては、彼の実人生を小説的な方法論で想像させるような、実験的な私小説的作品としても楽しむことができるかもしれない。
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短歌って面白いなと思った。主人公の男性二人と、その周りの何人かの男性、みんなちょっと気持ち悪いのは、どうしたものかとおもったけど(笑) 前後に物語がついてる事で、その短歌の背景解説みたいになるので、自然と短歌が理解出来る。
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『無理してる自分の無理も自分だと思う自分も無理する自分』 『こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう』 『ミラクルで奇跡みたいなミラクルで奇跡みたいな恋だったのに』 『馬鹿中の馬鹿に向かって馬鹿馬鹿と怒った俺は馬鹿以下の馬鹿』 『気づくとは傷つくこと...
『無理してる自分の無理も自分だと思う自分も無理する自分』 『こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう』 『ミラクルで奇跡みたいなミラクルで奇跡みたいな恋だったのに』 『馬鹿中の馬鹿に向かって馬鹿馬鹿と怒った俺は馬鹿以下の馬鹿』 『気づくとは傷つくことだ 刺青のごとく言葉を胸に刻んで』 『まるで幸福な未来が待っているんじゃないかと、うっかり信じてしまいそうな夜だった。』 『治りかけの傷のかゆみでまた君に懲りずに逢いに行きそうになる』 『遠くから手を降ったんだ笑ったんだ 涙に色がなくてよかった』 『人は整った顔を好きになるわけじゃないのよ。愛するところなんて、いびつなところに決まってるじゃない。』 『恋人はいてもいなくてもいいけれどあなたはここにいたほうがいい』 『パイずりってさ、チェリーくんにはわかんないだろうけど、物理的にはそんなに気持ちよくないのね。ただ、俺様のために、こんな変なことまでして奉仕してくれてる、っていう、精神面? 心で興奮すんの。知ってた? 知らないよねえ…瞳ちゃんのおっぱい、もー最高の !』 『ばかばか!伊賀さんのばか!伊賀さんなんかに奉仕した瞳さんのばか!僕の下半身のばか!』 『伊賀さんは男女関係で、もめたりはしないんですか?…きっと泣いてるひと、いっぱいいますよね』 『ま、俺も泣いてるから。お互いさまだろ。大人なんだし』 『好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君』 『「複雑な気持ち」だなんてシンプルで陳腐でいいね 気持ちがいいね』 『今すぐにキャラメルコーン買ってきて そうじゃなければ妻と別れて』 『最後まで汚い嘘をつき続け きっとこの人あやまるつもり』 『巻き戻しボタンをいじって何回も君をいかせてしまってごめん』 『道行く人が皆、携帯のカメラで空を撮影している。 ー 「わたしたちは五七五七七のフレームで捉えればいいのよ、虹を」』 『さっきからずっと出ている虹だからまだ見てるのは私だけかも』 『虹を見た もっと見ようと思ったら消えていたけど二人で見てた』 『こんなにもかわいい恋の命日をいつかあたしは忘れちゃうんだ』 『遠くまで行く必要がなくなった 遠くに行ける そんな気がした』 『だいじょうぶ 急ぐ旅ではないのだし 急いでないし 旅でもないし』
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なにこの面白い本。 短歌とはストーリーを妄想して楽しむものだとは思っていたけど、そこにキャラクターも必要だった。 小説であれば両方備えているわけで、要所要所に挟まれる短歌が余白となって物語を無限に広げる。 短歌面白いわ。
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面白かった。短歌に興味がわいた。W主人公の、劣等感のシーソーゲームが面白かった。東京在住で、吉祥寺から中央線、山手線ユーザーの人には非常に楽しめる。下ネタも楽しかった。
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短歌にはあんまり興味なかったんですが、この作者から現代短歌と言われるものにハマりました。 短歌はこんなにもストーリー性があるのかって、すごく心に響きました。
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とても読みやすく半日で読んでしまいました。 登場人物にもそれぞれ個性があり、 その場の雰囲気や表情がありありと浮かんでくるようでした。 短歌を通して人として成長していく初々しいチェリーボーイと 過去に脚光を浴び、年を重ねて擦れた考え方をするプレイボーイ この対照的なふたりが交互に主人公となって話が進む。 終盤、一見転落したかのように見えるプレイボーイも 人としておおきく成長していて なんだか考えさせられた。 何気なく生きていても ちょっとしたことで自分を成長させてる そう感じた本でした。
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過去に読んだ本。 この本をきっかけに歌集を何作か読みました。 短歌結社とかの雰囲気とかもわかって、面白いです。 短歌を詠んでみたくなる作品。イチオシです。
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男の子が女の子みたい。女の子は想像しにくい生き物。 スキマ時間におすすめかも。短歌に興味がわくかも
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文教大学広告企画制作サークルの発行誌 『FOGPARTY』Vol.6 において、「本~めくり、ひろがる、せかい」の特集に応じ、学生の皆さんから選ばれ紙面にて取り上げられた図書です。 企画コーナー「FOGPARTY Vol.6 掲載図書」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞ...
文教大学広告企画制作サークルの発行誌 『FOGPARTY』Vol.6 において、「本~めくり、ひろがる、せかい」の特集に応じ、学生の皆さんから選ばれ紙面にて取り上げられた図書です。 企画コーナー「FOGPARTY Vol.6 掲載図書」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。 展示期間中の貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2012/1/10-3/19まで】 湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1608833
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