アヘン王国潜入記 の商品レビュー
勧められて読んだ、、、こういうの読むのは初めて。現実とは思えない非現実の小説を読んでるような感じ。アヘンやってみたい
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ミャンマー国ワ州というアヘン栽培の拠点がいかにも古き良き村落共同体といった感じで大変興味深かった。ギャップがすごい。 辺境の村に分け入った著者が長期の滞在で村人に受け入れられていく様が愛おしい。 村人との素朴な交流の背後に時折垣間見えるワ州の政治的背景が、ラストで覆されるのはスリ...
ミャンマー国ワ州というアヘン栽培の拠点がいかにも古き良き村落共同体といった感じで大変興味深かった。ギャップがすごい。 辺境の村に分け入った著者が長期の滞在で村人に受け入れられていく様が愛おしい。 村人との素朴な交流の背後に時折垣間見えるワ州の政治的背景が、ラストで覆されるのはスリリング。そして著者のワ州との縁が切れてしまいワ州に入れなくなるのがとても切ない。村人たちとの涙の別れの後に書かれているために、落差にびびる。 アヘンを栽培する農家への密着という企画の趣旨からしておりこうさんなグローバルスタンダードへのアンチテーゼであることだなあ。
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取材のため現地に住み込む高野さんの行動力には毎度驚かされる。だから内容も信頼できる。 アヘン中毒になるあたりが面白かった。アヘンを吸うため嘘を重ね、アレコレと画策するところがなんとも人間らしくニヤニヤしてしまう。 そして最後の大宴会、恩人の死、親友との涙の別れ… これは地上波...
取材のため現地に住み込む高野さんの行動力には毎度驚かされる。だから内容も信頼できる。 アヘン中毒になるあたりが面白かった。アヘンを吸うため嘘を重ね、アレコレと画策するところがなんとも人間らしくニヤニヤしてしまう。 そして最後の大宴会、恩人の死、親友との涙の別れ… これは地上波では放送できない世界ウルルン滞在記。
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現地に住んでアヘン作ってアヘン中毒になるという、もう最初から最後まで意味不明な体験記。人のやらないことをやるという、この人にしか歩めない人生を歩んでいる著者が羨ましい。
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誰も行かないところに行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろく書く。 と、文庫本あとがきに記されていたが、まさにそのとおりの本。
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地理的な探検は、著者が探検をしだした頃には、あらかた済まされており、残っているのは落穂ひろい的な探検しかない情況であったが、それについても、メディア等が寄ってたかってはやしたて、本当に何も心踊るものがないような情況だったという。そんな中、外部の人間が滅多に足を踏み入れることのない、麻薬という世界には、まだ秘境と言うものが残されていると思ったのだ。そしてそれが著者の冒険の原動力となり、その未知の世界へ飛び込んでいく。 アヘン王国に潜入し、ケシの栽培が、現地の人は悪と思っておらず、それが生活のためだということで、栽培しているのだが、それを現地取材へ、というのが著者の目的だったと思う。ただ、その目的のため、現地に向った結果、どうだったのかが、あまり明確にされておらず、ただの現地生活の日記みたいになっているのが、少し、残念だ。 誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白く書く、というのが、著者のスタンスだという。確かに、身の危険を感じることは度々あったと思うし、誰も行かないところだと思うが、もう少し、人間的な、精神的な何かに踏み込んだ記述を多く欲しかった。申し訳ないが、これを読んだ後に、何も残らなかった。 あと、ワセダ三畳、ムベンベと続き、著者の3作目を読んでみたが、次はないな、というのが正直なところ。というのも、ムベンベの書評にも書いたが、著者の記述に残念な箇所が多いからだ。愛情が感じられない、人間的に、その表現はどうなのか、という箇所が随所にでてくるからだ。あと、アヘン中毒になるって、どうよ。話としては面白いのかもしれないけど、でも人間的にどうよ。 私が本を読むのは、それが自分では出来ない疑似体験を得られるからだが、それが自分自身の人間的な成長に結びつかないと意味が無いと思っている。著者の作品では、それが出来そうにないから、次はないかな~。
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◆ミャンマー奥地の陸の孤島は、アヘン原料のケシ栽培の中核地。そこに単身、長期間乗り込んだ著者による世界的にも稀有な参与観察ルポ。隔絶社会の牧歌性と、ケシ栽培・ヘロイン販売のギャップに惑乱させられる◆ 2007年(底本1998年)刊行。 現在、現地潜入報告あるいは参与観察型ル...
◆ミャンマー奥地の陸の孤島は、アヘン原料のケシ栽培の中核地。そこに単身、長期間乗り込んだ著者による世界的にも稀有な参与観察ルポ。隔絶社会の牧歌性と、ケシ栽培・ヘロイン販売のギャップに惑乱させられる◆ 2007年(底本1998年)刊行。 現在、現地潜入報告あるいは参与観察型ルポの雄と言えば、石井光太か著者くらいしか想起できないが、本書の舞台は、ミャンマー(ビルマ)山岳地帯、中国との国境沿いで、ケシ栽培のゴールデントライアングルの中核たるワ州。 ここはケシ栽培、つまり阿片、モルヒネ・ヘロインの原料の巨大生産地であり、ヘロインの密輸出国の核である他、かつては中国共産党に影響を受けたビルマ共産党の根拠(人民元が流通貨幣)。ビルマ政府(軍事政権)から自立している(反軍事政権ゲリラ解放区)地域だ。 そして、ワ人自体、ビルマの少数民族であり、同国の少数民族問題を体現している他、周辺の少数民族との抗争が絶えない地域でもある。 著者は、本書を執筆するにあたり、約半年に渡り、同地に滞在し、住民らと交歓し、生活をともにした。そこから見えてくるのは、戦争・内乱による寡婦の多さ、通信・交通途絶で他と隔絶した地域性。 あるいは、唯一の換金作物ケシの重要性と共に、ヘロイン栽培で私腹を肥やすワ軍幹部と大量の現物ケシを貢納させられる農民。 さらにはそんな農民間では、一見原始共産主義経済のように見えるものの、実は、阿片販売の時間的投機性に鋭い嗅覚を持った人々がいる等、一筋縄ではいかない模様に言葉もないところだ。 そんな現地で、著者はケシ栽培に参画(といっても草取りが殆ど)するだけでなく、収穫したケシから作ったアヘンを吸引し、吸引を止めた途端に禁断症状に見舞われるといった中毒状態にまで至ったというのは、流石に引く。 娑婆でアヘン塊を自慢した際の、それを見る周囲と自身の認識とのギャップに著者が驚いてしまう件も…。 もっとも本書の叙述内容を概括すると、日常生活、生活習慣、村内の人間関係や収入の源といったミクロから、かかる反政府ゲリラ集団が生まれた歴史的機縁、アヘン史といった分野にも及び、これまた余人になしうるものではないところ。 その他、ビルマとミャンマーの呼称の差。つまり、前者において、英国からの独立時、少数民族込みでの新規な国家像を反映させたとの指摘、軍事政権が行ったミャンマーという呼称変更に慌てて追随する無意味さに言及した件が印象的。 ところで、著者は少数民族側からビルマ情勢を見ていることから、国際社会、あるいは報道機関がビルマ問題を検討する視点を、ラングーン中心主義として批判的に見ている。 所謂ロヒンギャ難民問題になかなか理解が付いていかなかった(=私)のも、そのラングーン中心主義によるのだろう。あのアウン・サウン・スーチー(ビルマ独立の祖の娘)もまた、ラングーン中心主義を体現した存在でしかなく、少数民族問題と軍政批判とは次元を異にする(当然、スーチー女史下でもロヒンギャ問題は必然)旨の指摘には、感嘆する他はない。 さらに補足として、本書底本は彼方此方の出版社への持ち込み原稿で刊行を目指したが、良い顔はされず、草思社が拾ってくれて刊行に漕ぎつけたという。 刊行後も、邦文においては、書評に上ることなく、行間からも左程売れなかったと推察されるところだ。 しかしながら、英字出版後、海外では状況が激変する。すなわち、東南アジア系(香港・豪州を含む)の色々な媒体で「スクープ」「旅行記…政治学的史料としても…おすすめ」等と評された他、カリフォルニア麻薬管理協会の推薦図書になり、さらに、BBCやニューズ・ウィークの記者にも、本書及び著者が公知されるなど、彼我の差は歴然。 これはただ単に関心の違いで済まされるものではないような気がする。否、出版文化の層の厚薄を雄弁に語る挿話の気がしてならない。
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最高に面白かった。ただの無計画突撃系ではなく、現地のレポートが生々しく書かれていて現地調査報告書だった。行きたいとは思わないが、読み応えがある本だった。
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Amazon Kindleで購入 高野本は放っておいても明日はくるだけ読んでいたが、これまでしまったなー、これから高野本いこう、どんどんいこう ちなみにこの前に異国トーキョー漂流記も呼んでこれがひきこまれ下準備になっていたな
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よく文化人類学の本棚に収められているが、もったいない!学問云々より、ふつうに読み物として面白いのに、といつも思う。この本も面白かった。特に淡々と高野さんがアヘン中毒になっていく様子。あと、ワ語のくだり。 「ワ語で、日本のことをホー・ローム(ホーは中国、ロームは水)つまり、水中国...
よく文化人類学の本棚に収められているが、もったいない!学問云々より、ふつうに読み物として面白いのに、といつも思う。この本も面白かった。特に淡々と高野さんがアヘン中毒になっていく様子。あと、ワ語のくだり。 「ワ語で、日本のことをホー・ローム(ホーは中国、ロームは水)つまり、水中国である。ワ語では、大陸の中国を「赤中国」、台湾を「白中国」と呼び、なんだか赤ワイン、白ワインみたいだな、「ロゼ中国」はないのかな。いや、近年、大陸は「赤い資本主義」と呼ばれているくらいだから「赤」というよりは「ロゼ」に近いのかもしれない…」(本文より) 何回読み返してもこの話面白い!
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