アヘン王国潜入記 の商品レビュー
日本が世界に誇る、と言っても過言ではないと個人的には思っているノンフィクション・ライターの高野秀行がその初期に記して高い評価を得たルポルタージュ。 なんと言ってもミャンマー北部、アヘンの密生地として知られる”ゴールデン・トライアングル”に潜入するという本書の面白さは、やはりその...
日本が世界に誇る、と言っても過言ではないと個人的には思っているノンフィクション・ライターの高野秀行がその初期に記して高い評価を得たルポルタージュ。 なんと言ってもミャンマー北部、アヘンの密生地として知られる”ゴールデン・トライアングル”に潜入するという本書の面白さは、やはりその旅の中でのあまりにもスリリングな出来事の連続と、そんな中でも魅力的な現地の人々との邂逅にある。 かなりの作品数がありながらも、高野秀行の作品に駄作はなく、常に読者を驚かせてワクワクさせるような作品ばかりだが、本書もご多分に漏れず、次に何が起きるのかとワクワクしながらページを繰り続けた。
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湿地を行く。水芭蕉が咲いている。のっぺり気分で、細い板の上をどこまでも・・・ここでそれを吸うのはご法度。善悪の彼岸には渡れない。体験できないことを読書で味わう。アヘン作りは草むしり。人の手がないと育たない”人間依存植物”。ミャンマーの東のワ州。ゴールデントライアングル。島国日本。...
湿地を行く。水芭蕉が咲いている。のっぺり気分で、細い板の上をどこまでも・・・ここでそれを吸うのはご法度。善悪の彼岸には渡れない。体験できないことを読書で味わう。アヘン作りは草むしり。人の手がないと育たない”人間依存植物”。ミャンマーの東のワ州。ゴールデントライアングル。島国日本。国の形は当たり前にある。多くの民族が雑多に暮らす大陸。多数のビルマ族が少数民族をまとめてはたした独立。自治を貫きたいワ族。経済を担うアヘン。早々にはなくせない。滞在は1995年。世界は複雑。この地域の事情も相当変わっているだろう。
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高野さんの本は、自分の知らない土地に実際に行ったような感覚になれるところが魅力だと思う。それもただの取材というような表面的な滞在ではなく、高野さん自身が興味ある事をとことんやり尽くしているからこそ、ライブ感があるのだと思う。
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読みやすく、そしてめちゃくちゃ面白い。 アヘンを一度吸ってからは、村を出るまでずっと吸っていて笑った。 高野さんの別の著作もすぐに読みたくなった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おもしろすぎるな。正直政治的な背景とかは、複雑なことが多くてあまり頭に入らなかったし、人の名前が馴染まなすぎて困惑しながら読むところもあった。でも高野さんがジャーナリズム的な社会を変えたい、とか、そういう気持ちで潜入しているのではなく、ただ単に好奇心とか個人的な気持ちだけで飛び込んでるのがおもしろい。そういうところが伝わって村にも馴染んでいけたんだとおもう。結局アヘンにハマったりしちゃってるの非常に人間的で良いし、タイに悪気なくアヘンを持ち帰っちゃうのも完全に沼にハマってたのが表れていて面白い。極悪に思える地域でも結局そこには暮らしがあるだけなんだよね。 タイの山岳民族支援のNPOを見にいかせてもらった時に、ゴールデントライアングルになってるところ?を見たり、それこそアヘンに関するミュージアムに行ったりした。そのときこういう背景知ってれば良かったな
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文化人類学ってのめり込みすぎると危ないみたいなの聞いたことあるけど身体的にのめり込む危険性があるのか。あんま危険な感じで書かれてないけど。自分の人生にはないものがいっぱい出てきて世界の常識なんてマラリアは蚊が媒介するってことくらいなんだなって思った。
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アヘン生産国ワ州に潜入し、ケシの栽培から収穫までを追いかけるノンフィクション。 過程で自身もアヘンにハマり、アヘン中毒になる展開までを赤裸々に告白。 リアルすぎる生活や人間模様が、非常に面白く、紙数はまあまあ多いけどさっと読めてしまう。
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世界にはこんな暮らしをしている人たちが本当にいるのか、とわくわくする気持ちになった。いかに自分の世界観が窮屈になっているのか思い起こされた作品
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ノンフィクションでこんなおもろい作品作っちゃダメだよ。この世のフィクションが全て意味なくなっちゃうって。
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すごい話だな〜!麻薬を作ってる人は善良そのもので友情がちゃんと成立する。北朝鮮の人とかとも、当たり前だけど善良な人がほとんどなはずで、そういうことに気付かせてくれる。麻薬の何たるかも学べる良書!
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