ηなのに夢のよう の商品レビュー

森博嗣【著】

2012/05/07

Ｇシリーズ第６弾。
起こる事件は、不自然な連続首吊り自殺。
その現場に残された「ηなのに夢のよう」というメッセージ。

もはやミステリィではない気がするが、
ミステリィとして読むことが間違っている気さえする。

ストーリィが悲しいからだとか、
そういった理由からではなく、
ただ単純に、とても綺麗なものに触れられたという
その感覚に心動かされて、読後に涙が出そうになる。

そして、どんどん神格化されていく真賀田四季。
これは、ひとつの神話なのではないだろうか。

少しずつ、しかし確実に世界のすべてを手に入れはじめている
真賀田四季の大きさに畏怖を覚えつつも、
着実に成長し、幸せをつかみ始めている登場人物の姿には、
心温まるものをほのかに感じる。

次回作にも期待。

2012/04/08

またやられた。
ラストは涙がでてきた。

モエと紅子の対話
「死んだ理由を知ってどうするの？
　後悔するの？惜しむの？」
がこの物語の全てだと思う。
紅子との対話があったからこそ
モエからラストのセリフが出てきたんだと思う。

死者を惜しむのではなく、感謝を捧げる。
自分もこの世からさるときは
誰かから「ありがとう」と言われるようになりたい。

2012/08/19

「イータなのに夢のよう」
地上12mの松の枝に首吊り死体がぶら下がっていた。傍には「イータなのに夢のよう」と書かれた絵馬が。その後も特異な場所での首吊り自殺が相次ぐ。一方西之園は両親の命を奪った10年前の飛行機事故の真相に近付く。これら一連の事件天才・真賀田はどう関わっているのか？Gシリーズ第6弾。

森氏作品初読み。そしていきなり連載物を途中で買ってしまった。これ失態。なので登場人物同士の関連性と恐らく悪の親玉である真賀田四季も深く理解出来ずｗ。しかしどうやら真賀田を巡る攻防が続いている、そこに事件が発生するという形の推理物だろうと予測。

しかしまあそれでもこの「イータなのに夢のよう」は読み終わってもなにやら良く分からない、これぞ不完全燃焼だろうか？そもそも題名も意味不明だし、結局この一連の自殺事件の結論の仕方もそういっちゃうかという形でした。なるほどそういう不思議系小説なのか。

こんなもやもや感は解説である程度解消されました。というのも解説担当菅氏はこう述べています。

「Gシリーズは所謂後期クイーン的問題への森氏によるラディカルな回答であることが分かる。後期クイーン的問題とは

(1)探偵が最後に提示した謎の解明が本当に事件の真相なのかどうかは判断出来ないということ

(2)探偵があたかも神のように振舞うことの是非

ということの2点である」

つまりはこの「イータ」の結末も本当に事件の真相なのかどうかは判断出来ないということになると思われます。成程そういわれると、私はこの結末に？な訳ですから、少なくとも判断に迷えているということですよねｗ。それならば森氏の醍醐味の1つであるこの後期クイーン的問題を味わえたということなります。

まぁそれならば良いのかｗ

追伸；これ一冊ではなんとも言えない。頭から読んでこそ初めて分かりそうな作品ｗ

2011/10/19

飛行機事故の真相が今頃きた。
両親の死を受け止めきれず、他の死を求めた。って「観察」できるのも凄い。

2012/07/27

西之園萌絵の両親が亡くなった飛行機事故と真賀田博士との関連の可能性が浮かび上がって来てびっくり。私としては真賀田博士がテロを容認するというイメージはないのですが。どうなんでしょう。
このシリーズを読むと「自殺は悪いことではない」と考える人もいるのだなと不思議に思えます。私は自分のしたいことをするために生きていたいし、身近な人が亡くなったら会えなくなることに悲しくなります。「死」に対する受け取り方が人によって違うのですね。

2012/03/14

事件の謎はあれで解けたのか？まだ腑に落ちない部分があるんだけど。。。
でも、面白かった。

前作までの登場人物に完全に乗っ取られてる。
そこが、面白かった。
結局、Ｓ＆Ｍが好きだからかな。紅子さんも出てきて面白くなってきたし。
海月君にももっと活躍して欲しい。

2011/08/23

再読ですが、なんでこんな大事なことを忘れていたんだろうと思いました…
読んだ時にびっくりしたのかな。

2011/08/11

■地上12メートルの松の枝に首吊り死体が!遺されていたのは「ηなのに夢のよう」と書かれたメッセージ。不可思議な場所での「η」の首吊り自殺が相次ぐなか、西之園萌絵は、両親を失った10年まえの飛行機事故の原因を知らされる。「φ」「θ」「τ」「ε」「λ」と続いてきた一連の事件と天才・真賀田四季との関連は証明されるのか?Gシリーズの転換点、森ミステリィ最高潮。

■■「η」で「イータ」と読む。もはやミステリではないというのが印象。ただ萌絵ちゃんの成長物語としては必要なお話だったのかな、と。このシリーズはこれで終わりなのだそうだ。

2011/08/01

謎解きがどうとかこうとかじゃないんだなぁとなんとなく思った 。いい話だと思う。「月を」というあたりの台詞とか、死にたくないと思う人がいるだけ、死にたいと思っている人がいて普通とか、なんか、いい話だったなぁと思う。

2011/06/29

この本がシリーズ最後だと思っていたので読み終わってえー！と思ってしまいました　まだあるんですね
なんとなく話の途中すぎる印象が…不思議すぎて「このページから後は全部萌絵の夢でした」っていう夢を見てしまいました。＾＾；