人間失格 の商品レビュー
Kindleにて読了。 『恥の多い生涯を送って来ました。』 あまりにも有名な冒頭。 それでも読むのは初めてでした… これも評価が分かれますね。 人との関わりを持つことが苦手ですぐに道化を演じてしまう主人公。 そんなとこが実に人間らしいく思えてならない。 お金や女にだらしなく...
Kindleにて読了。 『恥の多い生涯を送って来ました。』 あまりにも有名な冒頭。 それでも読むのは初めてでした… これも評価が分かれますね。 人との関わりを持つことが苦手ですぐに道化を演じてしまう主人公。 そんなとこが実に人間らしいく思えてならない。 お金や女にだらしなく、酒に溺れ、最後にはモルヒネ中毒となり、どうしようもない男。 そして、何もなくなった時・道化を演じなくてよくなった時…『人間失格』 なかなか深い作品だと私は思いました。
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私には主人公の考え方が分からなかった。 していることはあまり…だけどたまにこの人は優しすぎるゆえにひねくれてこんなふうになったのかなと思った。
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知り合いの人から、あらかじめこの本の感想を聞いていた。「自分の気分が下がってるときに読むと、あぁ世の中にはこんな人もいるのだ。こんなクズでも生きていていいのだ、自分はまだ生きていいのだ。」と思えると、だけれど、私にはそのような安心感は無く、太宰さんの鮮明だけれど曖昧な言葉の言い回...
知り合いの人から、あらかじめこの本の感想を聞いていた。「自分の気分が下がってるときに読むと、あぁ世の中にはこんな人もいるのだ。こんなクズでも生きていていいのだ、自分はまだ生きていいのだ。」と思えると、だけれど、私にはそのような安心感は無く、太宰さんの鮮明だけれど曖昧な言葉の言い回しや、空気感などがとても私に似ており、まるで自分の立ち回りを見ているようで気味が悪かった。 結局は、周りの視線に怯えて周りの意見に合わせて、何かあるわけでも無く常に不安であり、それ故に何かに依存しとかねば自分の存在を肯定できない。まるで植物や動物に寄生しなければ生きていけないような。 寄生せねばそもそも自分が自分として成り立たぬような、かなり考えさせられたと共に、人間というものは良い意味でも悪い意味でも恐ろしいものだと感じた。 良い本だったと思う。もう一度読みたい。
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【読み終わって感じたこと】 読み終えてから、「中田敦彦のYouTube大学」で解説を見た。この本には2つの大きな特徴がある。1つは、現代まで残るあらゆる社会問題を提起することで、多くの人の心に刺さる本であること。もう1つは、宗教が定まらない生活をしている私達日本人が、信じるべきも...
【読み終わって感じたこと】 読み終えてから、「中田敦彦のYouTube大学」で解説を見た。この本には2つの大きな特徴がある。1つは、現代まで残るあらゆる社会問題を提起することで、多くの人の心に刺さる本であること。もう1つは、宗教が定まらない生活をしている私達日本人が、信じるべきものを見失っている不安を訴えかけている本であること。とあっちゃんは言った。 実際、私にもこの本は胸にくるものがあった。特に、家族のことだ。私も会話の弾まない食事の時間が苦痛で仕方なかったし、結局両親共に家から出て行き、家族はバラバラになった。小さい頃の心の傷はいつまでも覚えている。その私が頼りにするのは、友人の存在だ。しかし、友人は幸せな仲睦まじい家庭で育った子ばかりで、そんな子には私の悲惨な家庭事情なんて話しても理解してもらえないだろうと思い、彼らと仲良く交流していても、心のどこかで私とは違う、と壁を作ってしまう。私が全ての本音を曝け出すことのできる相手は、この世のどこにもいないのかもしれない。 それでも、最終的に自分自身を殺すのは、環境でも他人でもなく、そしてもちろん神でもなく自分だ。だから私は自分の力で自分を保ち、今なお生きていっている。私はそんな自分を好きになる努力をしている。葉蔵も、他人よりも先に自分を愛する術を知ることができたら、結末は違っていたのかもしれないと思った。 自分も他人も信頼できない。でもどうしても好かれたくて、仮面をかぶる。純粋な人に寄り添ってみるーー。「人間失格だ」と言った主人公が、実は1番人間らしいんじゃないかと思った。 【印象に残ったシーン】 ヨシちゃんが、葉蔵がお酒を飲んだことを一切信じない場面。短い描写だけれど、その部分だけ、この陰鬱な本の中でものすごくキラキラと輝いて見えた。 【好きな言葉】 「神様みたいないい子でした。」 マダムが最後に言うセリフ。その対義語が「人間失格」なのだと思うと、最後まで対義語遊びをしている太宰治のユーモアを感じた。
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(完全にジャケ買いですが) 他の生き物にはない生き様こそが人間なのでは 5年後に再び読んだら共感が増えているでしょうか
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読書を全くと言っていいほどしていなかった時に一回読んで挫折していたので、苦手意識の中読み返したが止まらなくなっていました。考えさせられる文章故に感想を書くのが難しいです笑。 葉蔵は、一見謙虚な性格かと思ったが、堀上や女の話し方などを見下す部分も多く、自分への嫌悪と世間への疑問が強いだけなのだと感じました。 他の人の感想にあった、人間失格だけれど一番人間味があると言う言葉がしっくりきました。
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最初、主人公の葉蔵は人間の営みというものがわからないから道化を演じているというところでサイコパスなのかと思った。しかし、読み進めているうちにむしろ、繊細で、様々な感情を敏感に感じとる才能があったからこそ、こんなにも悩み、ひねくれ、苦しみ、もがいたのかもしれないと思い始めた。 手...
最初、主人公の葉蔵は人間の営みというものがわからないから道化を演じているというところでサイコパスなのかと思った。しかし、読み進めているうちにむしろ、繊細で、様々な感情を敏感に感じとる才能があったからこそ、こんなにも悩み、ひねくれ、苦しみ、もがいたのかもしれないと思い始めた。 手記の最後で主人公が年齢を告白するが、たった27歳という年齢でこんなにも濃密な人生を送ってきたことに驚いた。他人の気持ちに合わせ道化を演じ続け、ヨシ子の事件を受けて人間不信になり、最終的には幸福でも不幸でもなくただ世の中が過ぎていくことを悟る。私が27歳になってもこんな達観した価値観は持てないと思う。 おこがましくも、主人公と自分が重なるところがいくつかあり、複雑な気持ちである。家族の中であえて道化を演じるところ、人に嫌だと言えないところ、その曖昧な態度がかえって他の人を惹きつけるらしいところ。こんな自分では駄目だと思いつつ、他の人に強く言われると従わざるを得なくなる。優しいと言われるけれど、断れないだけ。こういう性格をやめなければ、葉蔵のようになってしまうかもと思うと、いますぐ改めたくなった。
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人間失格。 太宰治の自叙伝のような作品だと感じる。 モルヒネ、愛人等、今では目を伏せる必要のあるものに依存していた。 それが、太宰の弱さだったり、太宰の人間らしさだったりするのかなぁとも。 それが太宰治を愛すべき文人として確立させた1つなのかなぁとも。 太宰治の作品、少...
人間失格。 太宰治の自叙伝のような作品だと感じる。 モルヒネ、愛人等、今では目を伏せる必要のあるものに依存していた。 それが、太宰の弱さだったり、太宰の人間らしさだったりするのかなぁとも。 それが太宰治を愛すべき文人として確立させた1つなのかなぁとも。 太宰治の作品、少しずつ読んでいこうか。
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とても有名な作品なのに初めて読みました。 書かれていることすべてが太宰治の実体験ではないのかもしれませんが、自分で自分の首を絞めているような部分もあり、生きづらかっただろうと思いました。 おこがましいのは承知ですが、思考回路が自分と似ていると感じました。それは自分にとっては嬉しい...
とても有名な作品なのに初めて読みました。 書かれていることすべてが太宰治の実体験ではないのかもしれませんが、自分で自分の首を絞めているような部分もあり、生きづらかっただろうと思いました。 おこがましいのは承知ですが、思考回路が自分と似ていると感じました。それは自分にとっては嬉しいことで、こういう風に考える人もいるんだと思えるだけで、少し元気が出ました。
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この作品といえば、冒頭の有名な1文。 恥の多い生涯を送ってきました。 主人公の葉蔵は太宰治自身の生き様なのか。 若い頃はわざとお道化で、本当の自分を隠し、それが竹一という同級生に見破られると恥ずかしくて死にたくなるくらいすごい心の繊細な主人公。 家の家政婦に犯されても声を上げ...
この作品といえば、冒頭の有名な1文。 恥の多い生涯を送ってきました。 主人公の葉蔵は太宰治自身の生き様なのか。 若い頃はわざとお道化で、本当の自分を隠し、それが竹一という同級生に見破られると恥ずかしくて死にたくなるくらいすごい心の繊細な主人公。 家の家政婦に犯されても声を上げることができない主人公。 大学になる頃には酒に溺れ、女に養ってもらい、最後はモルヒネ中毒になり、精神病棟に送られるという非常に暗い話だった。
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