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羅生門・鼻・芋粥 の商品レビュー

3.5

58件のお客様レビュー

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2021/11/02

昭和48年5月30日 改版14版  (日焼け変色の為、今回で廃棄) 文学講座 「シューマンと芥川龍之介」視聴、再読 シューマンと芥川が歴史的背景、精神性、作品の芸術性など類似性が高くドッペルゲンガーなのだというようなことを楽しそうに講義されてました。 作家活動初期の頃の短編...

昭和48年5月30日 改版14版  (日焼け変色の為、今回で廃棄) 文学講座 「シューマンと芥川龍之介」視聴、再読 シューマンと芥川が歴史的背景、精神性、作品の芸術性など類似性が高くドッペルゲンガーなのだというようなことを楽しそうに講義されてました。 作家活動初期の頃の短編集。少し堅いというか道徳的な内容が多いかなぁ。漱石が芥川を激推ししていたのは有名らしいけど、手紙の中で、無暗にカタカナ使わない方が良いとアドバイスしていた。そう言われると、英単語をそのままカタカナで使っている言葉は、読者を選択する感じがしてしまう。 巻末に当時の先輩作家さん達からの書評が掲載されていた。厳しめの評価の方もいて、若手だったし、小説としては面白くは無かったかな。 「水の三日」は中学校学友会雑誌掲載の芥川の作文?水害被災者が学校に避難している時のボランティアについて、誠実に書かれていて印象に残った。

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2021/09/04

18編の短編集。内容含め、多種多様なスタイルで芥川の才能を感じさせられる一方、統一感はない。凡人にはその奥にある文間をよみとるのがむずかしいが、解説を読むとなるほど、と思う。頭が疲れる作品。

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2021/06/11

羅生門の下人も、鼻の内供も、内供を笑う者たちも、煙管の斉広も、芋粥の五位も、ただの物語の登場人物ではなく、私達人間そのものである。 人間の孤独さ、侘びしさ、なんのために生きているのか…というものを鋭くシニカルに描いていて面白かった。

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2020/12/31

高校生のときに授業で読んで以来の羅生門。 授業だと下線部だの登場人物の気持ちだのと、純粋に読むのではなくお受験的な読解だったので、頭をフラットにして読むことができた。 犯罪の決意を勇気と表現する芥川龍之介の世界観に、人間の弱さを感じた。 勇気が弱さとは、不思議な感覚だ。

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2020/09/16

なるほど、芥川龍之介の人柄、作風がよくわかる一冊だった。 初期の作品が18編収録されているが、やはり代表作の「羅生門」、「鼻」、「芋粥」は印象的だった。芥川龍之介の作品は基本的に暗く、寂しい。 人生への諦め、妥協が感じられる作品が多く、芥川龍之介が自ら生涯に終止符を打ったのも...

なるほど、芥川龍之介の人柄、作風がよくわかる一冊だった。 初期の作品が18編収録されているが、やはり代表作の「羅生門」、「鼻」、「芋粥」は印象的だった。芥川龍之介の作品は基本的に暗く、寂しい。 人生への諦め、妥協が感じられる作品が多く、芥川龍之介が自ら生涯に終止符を打ったのも納得できる。 個人的に好きだったのは「MENSURA ZOILI」。ショートストーリーのような、エッセイのような不思議な形式で書かれ、芥川龍之介にしては珍しくファンタジックな雰囲気が漂っている。それと、「葬儀記」。注釈に、夏目漱石の葬儀の記録と書いてあって驚いた。凡人は参列した葬儀の記録を残しておこうなどとは思わない。対象が夏目漱石なだけに、貴重な歴史的資料とも言えると思う。

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2020/07/07

「羅生門」は高校生だった時に読んだことがあるため、読みづらいことはなかったものの、全体的に話が少し難しかった。

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2018/09/30

限定カバーが素敵でジャケ買いしました。 言わずもがな有名な文豪、芥川龍之介ですが数年ぶりに手に取りました。 「羅生門」は教科書にも載っており誰もが1度は目を通す作品かと思いますが、 当時の感想は覚えていませんが子供ながらに善悪について思案せざるを得なかっただろうと思います。 大人...

限定カバーが素敵でジャケ買いしました。 言わずもがな有名な文豪、芥川龍之介ですが数年ぶりに手に取りました。 「羅生門」は教科書にも載っており誰もが1度は目を通す作品かと思いますが、 当時の感想は覚えていませんが子供ながらに善悪について思案せざるを得なかっただろうと思います。 大人になった今、現代の子供たちには是非「鼻」も目を通して欲しいなと感じます。 人間の一瞬の輝きを引き出す彼の芸術性は、やはり美しいと改めて感じました。

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2018/02/01

芥川龍之介の作品は羅生門と河童くらいしか知らなかったのだが、今回短編集を二冊通して読んでみて大正解だったと思う。名が売れてる作品はやはり面白いし、それ以外のものも軒並み読み応えがあった。芥川作品全体に漂う薄い絶望感や、人間や世間に対する諦観・皮肉が、神経質なほど緻密に、そして丁...

芥川龍之介の作品は羅生門と河童くらいしか知らなかったのだが、今回短編集を二冊通して読んでみて大正解だったと思う。名が売れてる作品はやはり面白いし、それ以外のものも軒並み読み応えがあった。芥川作品全体に漂う薄い絶望感や、人間や世間に対する諦観・皮肉が、神経質なほど緻密に、そして丁寧に作り込まれた文章で、過不足なく表現されている。作品ごとに落差を感じることがあまりなかったのは、彼の短い人生によるものだけではないだろう。産みの苦しみはいかほどだったかと考えさせられると同時に、感謝を覚えた、そんな短編集だった。

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2016/07/15

有名な羅生門はもちろんおもしろかった! ひょっとこ、父、煙草と悪魔がおもしろかったなー ひょっとこの、息を吸うように意味の無い嘘をつく男には、自分を重ねてしまう。。 虚しくて、寒々しい。でも、そこが妙に惹きつけられる。

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2016/07/07

芋粥がとても良い。マリッジブルーの話と解釈した。人間は目標の達成という事実よりも目標を達成する努力や憧れなどプロセスを好む。夢が叶いそうになる時の一瞬の戸惑いはよくわかる。鼻は素晴らしい。コンプレックスという人間には切っても切り離せない問題をうまくついている。アイデンティティとい...

芋粥がとても良い。マリッジブルーの話と解釈した。人間は目標の達成という事実よりも目標を達成する努力や憧れなどプロセスを好む。夢が叶いそうになる時の一瞬の戸惑いはよくわかる。鼻は素晴らしい。コンプレックスという人間には切っても切り離せない問題をうまくついている。アイデンティティというものは、欠点も含めて存在している。その人にとってどんなに嫌な体の一部や考え方の癖などは、実はなくなってしまうと意外に寂しいものであったりするのである。 ひょっとこ。これは、仮面をつけている間に、元の自分に戻れなくなってしまった人間の話である。最近、ジキルとハイドを読んだせいか、なんだか近いものを感じた。人間の内面を感情と理性の葛藤とみなした場合、一度感情や快楽に溺れてしまうと、もはや元の自分には戻れなくなる。 煙管。どこかで読んだことがあった。ものというものはそれ自体の価値だけではなく、社会的に付与された価値というものがある。皆が持っていないこと、そしてそれを惜しげもなくあげてしまうことが富の顕示につながるのだ。ここに、マルクスの物化・物象化の概念を見出すのは拡大解釈だろうか。物の価値は、あたかも自然にあるもののような外装をしているが、実際には社会的関係の中で価値を持っている。富の顕示という意味では、モースの贈与論など、贈与というものがもたらす人類学的な働きについても考えることが可能である。 このような作品群を見る中で私が感じたことは。生きることや自分という存在への肯定である。つらいことや苦しいことも含めて人生であり、醜いところも含めて自分なのである。人は夢や理想を語るが、叶いそうになる瞬間に躊躇する心は、まさしく理想や夢を具現化できていない自分への愛、何か憎めない、不能への愛であると思う。そのような意味で、芥川龍之介はやはり人間の真理を鋭く突いている。

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