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羅生門・鼻・芋粥 の商品レビュー

3.5

57件のお客様レビュー

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    11

  2. 4つ

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2024/05/01

短編がたくさん載っていて読みやすい。 『鼻』をはじめ、『芋粥』、『煙管』なんかは執着していたものが、ある出来事を機に全く別のものの見方になるところが興味深い。 『大川の水』は隅田川沿いの地名、橋の名前なんかが具体的で、私も縁がある場所なので楽しかった。川の場所によって水の色が違う...

短編がたくさん載っていて読みやすい。 『鼻』をはじめ、『芋粥』、『煙管』なんかは執着していたものが、ある出来事を機に全く別のものの見方になるところが興味深い。 『大川の水』は隅田川沿いの地名、橋の名前なんかが具体的で、私も縁がある場所なので楽しかった。川の場所によって水の色が違うかなあ?今度見てみよう。

Posted byブクログ

2024/02/24

「鼻」ーこの話の何がおもろいって鼻が長いのを嘲笑していたモブたちが、短くなったらなったでまた笑うのよ。他人の不幸がおかしくて、その不幸を切り抜けられるとなんだか物足りないんだろうなあ。所詮ヒトなんて他人の不幸が嬉しくて仕方ないんだ!かなしいけどだってきっとみんなそれが本心。わたし...

「鼻」ーこの話の何がおもろいって鼻が長いのを嘲笑していたモブたちが、短くなったらなったでまた笑うのよ。他人の不幸がおかしくて、その不幸を切り抜けられるとなんだか物足りないんだろうなあ。所詮ヒトなんて他人の不幸が嬉しくて仕方ないんだ!かなしいけどだってきっとみんなそれが本心。わたしは本心に蓋をする方が苦手で。綺麗事を麗事として並べたがっている時の方が健全で、心の底からそう思っていることにしている時の方が怖いぜ!!だから年に一回、それまでものすごく仲良かった人やお世話になった人と縁が切れる時も「お互いの世界で幸せになろうな」とは到底思っていない、「どうか不幸になってくれ」と思っている。自分の悪人気質に嫌気がさしながらも、最近はその本心を打ち明けることでちょっとだけ楽になろうとしている、なってないけどレヒトに「ことば」が与えられたのはなぜだろうか、「思想」が与えられたのはなぜだろうか、ちなみに私はとんでもなく悪人気質だけど明日を笑顔で生きてもいいのだろうか、ちゃんちゃんっ!

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2024/02/20

初めて芥川龍之介の作品をちゃんと読んだ。高校の現代文に出てきた羅生門で少し知ってたくらい。結論めちゃくちゃ面白かった。 短編だから読みやすい。 初めの「老年」が難しすぎて自分には合わないかな〜と思ってたけど、それ以降は面白いもの多くて、芥川の世界に引き込まれていった。 特に...

初めて芥川龍之介の作品をちゃんと読んだ。高校の現代文に出てきた羅生門で少し知ってたくらい。結論めちゃくちゃ面白かった。 短編だから読みやすい。 初めの「老年」が難しすぎて自分には合わないかな〜と思ってたけど、それ以降は面白いもの多くて、芥川の世界に引き込まれていった。 特に仙人、羅生門、鼻、野呂松人形、芋粥、大川の水、葬儀記が好きだった。 文章そのものや言葉の使い方、表現の上手さは去ることながら人物の心情を描くのが本当に上手い。100年以上前の作品なのに情景がぱっと浮かんでくるし、人物の喜怒哀楽がひしひしと伝わって感情移入出来る。 作風は今昔物語とか宇治拾遺物語とかの歴史ものを題材にしているのが多かった。羅生門や鼻など、時代は平安時代を舞台にしているものが多かった。 他にも芥川自身の体験した日常や出来事をそのまま題材にしたり、同じ作家の友達を登場させたりしていて、多彩だなと思った。それと外国の思想家とか芥川の尊敬する文豪も沢山出てきて、芥川自身かなりの読書家なんだなと感じた。 芥川の生まれ育った故郷に対する愛や思いをつらつらと書いた「大川の水」、自身の小説家としての不安を正直に綴った「野呂松人形」、夏目漱石の葬儀の日を日記形式で淡々と書いた「葬儀記」などは、芥川自身の不安や気持ちを素直に文章にしていて、それがなんか良いなと感じた。こんなに赤裸々に自分の不安や思索や気持ちを文章にすることがすごいし、感情的で主観的でありながらも、とても読みやすい。これらの文章の構成や表現、気持ちの書き方などは、自分がエッセイや文章を書く上でも参考にしようと思った。 昔の言葉とか注釈が多くて読むのには時間かかったけど読んでよかったなと思う。そこら辺の現代文学の何倍も面白い。難しそうだからって理由でずっと避けてきたけど、もっと早くから読んでおけばよかったな。もうすぐ没後100年になるけど、これからも色褪せることなく読まれ続けると思う。

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2023/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

芥川龍之介の初期短編集。 「ひょっとこ」「鼻」 生きていく中でどうしたってつきまとう他人から見られているということへの意識。本当の自分はどれ?

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2023/08/11

生きていれば誰もが直面する苦しさ、やり切れなさ、物悲しさ、切なさ、侘しさ、そういったものを鮮やかに切り取っている。文体やスタイルが多様であることにも驚かされるが、モチーフに自身のテーマを綺麗に乗せて展開する手腕、そしてこのような人生の一側面を優しさと共に見つめて切り取る眼差しに感...

生きていれば誰もが直面する苦しさ、やり切れなさ、物悲しさ、切なさ、侘しさ、そういったものを鮮やかに切り取っている。文体やスタイルが多様であることにも驚かされるが、モチーフに自身のテーマを綺麗に乗せて展開する手腕、そしてこのような人生の一側面を優しさと共に見つめて切り取る眼差しに感嘆する。

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2023/07/25

 人の口から手を突っ込んで、腹わたを掴み出し、これがこいつの人間性だと、突きつけてくる。そんな、人間とは何かをとことん知らしめようとする作品もあれば、さらっと肌に触れるだけのものもありました。  今はもうない物や風景、知らない言葉を調べながら、あるいは想像しながらの、時間のかかる...

 人の口から手を突っ込んで、腹わたを掴み出し、これがこいつの人間性だと、突きつけてくる。そんな、人間とは何かをとことん知らしめようとする作品もあれば、さらっと肌に触れるだけのものもありました。  今はもうない物や風景、知らない言葉を調べながら、あるいは想像しながらの、時間のかかる難しくも楽しい読書でした。

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2023/07/13

表紙がかっこよかったので思わず買ってしまいました。煙草と悪魔はいつ読んでもゾッとしますね。悪魔は転んでもただは起きない……

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2022/12/20

言葉が古くて理解しながら読むのに時間がかかった。 作品によっては話の意図の分からないものもあり、インターネット上の解説などを読んでみたりしたけどなかなか難しい。

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2022/08/04

芥川龍之介の作品を初めてちゃんと読んだ。博識で読書家でものすごく賢い人だったんだなと思う。文体が面白いけれども、作品としての良さがまだわからない。

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2021/11/02

昭和48年5月30日 改版14版  (日焼け変色の為、今回で廃棄) 文学講座 「シューマンと芥川龍之介」視聴、再読 シューマンと芥川が歴史的背景、精神性、作品の芸術性など類似性が高くドッペルゲンガーなのだというようなことを楽しそうに講義されてました。 作家活動初期の頃の短編...

昭和48年5月30日 改版14版  (日焼け変色の為、今回で廃棄) 文学講座 「シューマンと芥川龍之介」視聴、再読 シューマンと芥川が歴史的背景、精神性、作品の芸術性など類似性が高くドッペルゲンガーなのだというようなことを楽しそうに講義されてました。 作家活動初期の頃の短編集。少し堅いというか道徳的な内容が多いかなぁ。漱石が芥川を激推ししていたのは有名らしいけど、手紙の中で、無暗にカタカナ使わない方が良いとアドバイスしていた。そう言われると、英単語をそのままカタカナで使っている言葉は、読者を選択する感じがしてしまう。 巻末に当時の先輩作家さん達からの書評が掲載されていた。厳しめの評価の方もいて、若手だったし、小説としては面白くは無かったかな。 「水の三日」は中学校学友会雑誌掲載の芥川の作文?水害被災者が学校に避難している時のボランティアについて、誠実に書かれていて印象に残った。

Posted byブクログ