1,800円以上の注文で送料無料

統計数字を疑う の商品レビュー

3.2

50件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2009/10/04

統計のゆがみ、バイアスを 詳しく解説している本。 経済効果の予測について、とか GDPのゆがみ、だとか身近な例も でてくるのでさくさくと読めた。 統計学の基本をちょこっとかじったあとだと よりおもしろく読める。と思う。

Posted byブクログ

2009/10/04

 心理臨床の専門家として、エビデンスやクリティカルシンキング、科学的思考というものは大切だと思う。  統計を扱えるのはもちろんのことだが、統計を疑って見る視点も重要である。  新書なので入門書として読みやすい。

Posted byブクログ

2009/10/07

斜め読み。統計を見る前には、その前提となっていることをきちんと理解していないと比較や判断の材料として使えないということがわかった。日本の交通事故の死亡者数は、ドイツに比べるとかなり低いという数字は、日本の交通事故の死亡者は事故発生後24時間以内に死亡した人であることに対し、ドイツ...

斜め読み。統計を見る前には、その前提となっていることをきちんと理解していないと比較や判断の材料として使えないということがわかった。日本の交通事故の死亡者数は、ドイツに比べるとかなり低いという数字は、日本の交通事故の死亡者は事故発生後24時間以内に死亡した人であることに対し、ドイツでは事故発生後30日以内に死亡した人である。これでは、比較になるはずが無い。平均結婚年齢に関しても未婚者をカウントしないということもあり、こういう統計は前提をきちんと踏まえないと判断材料にはならないということがわかった。

Posted byブクログ

2009/10/04

 門倉の初期の頃の意欲作。刑務所の過剰収容01年ごろから100?以上になった状態が続いている事をグラフで明示。 この原因を「景気」悪化に求めているところが、さすがに慧眼である。収容者の構成を見ると、傷害者、老人、ホームレス、 外国人などによって占められている。刑務所は、最低限の衣...

 門倉の初期の頃の意欲作。刑務所の過剰収容01年ごろから100?以上になった状態が続いている事をグラフで明示。 この原因を「景気」悪化に求めているところが、さすがに慧眼である。収容者の構成を見ると、傷害者、老人、ホームレス、 外国人などによって占められている。刑務所は、最低限の衣食住が保証され、食事をはじめとする日常生活の心配をしなくて すむからである。  デフレの原因として輸入デフレを説く論者が多いが、それを相対価格と絶対価格の違いとして、輸入デフレの間違いを 指摘している。中国製の輸入が増えることでデフレになるなど言う説は、中国製の輸入をしている米国、また、欧州のインフレ をどう説明するのだろうか。  中国のGDP統計の説明は、説得的であった。おおよそ中国の統計は、正確さから程遠いが、1992年からMPS方式から 国連の定めるSNA方式に変更した。MPS方式は、モノの生産によるだけで、サービスを含まない方式から、サービスも含む方式に変更。 統計調査員の手薄さと地方の中央への報告の過大評価からGDP計算は上振れたものとなっていたが、最近では消費電力の伸びがGDPの伸び率 より高いことから、下振れのを示しているとしている。  景気の拡大局面が原油高以前は続いていたが、この景気回復は実感を伴ったものではなかった。その原因を、門倉は、製造業の景気回復が弱く、第三次産業まで行き渡っていないだとする。製造業は、海外生産を増やしており、国内生産の割合を下げていることが、この原因だとする。

Posted byブクログ

2009/10/04

【2008/07/30】  経済統計のさわりを教えてくれる新書。 ・さまざまな平均が実感とずれる理由  平均には算術平均、幾何平均、調和平均がある。ほかにもモード、メディアン、加重平均など派生したものがたくさん。 ・ニュースの経済統計は「みせかけの相関」が多い  変数が多いためよ...

【2008/07/30】  経済統計のさわりを教えてくれる新書。 ・さまざまな平均が実感とずれる理由  平均には算術平均、幾何平均、調和平均がある。ほかにもモード、メディアン、加重平均など派生したものがたくさん。 ・ニュースの経済統計は「みせかけの相関」が多い  変数が多いためよく考えないと原因と結果を見誤る。 ・「経済効果」は過大評価されがち  シンクタンクは広告のために「経済効果」を計算する。 ・景気判断のためのGDP、DI、CI  今の景気を判断できても、基礎データ欠陥のため予測はできない。 ・消費者物価指数CPI  上方バイアスがかかっている。要注意。 ・地下経済  脱税が主。経済規模は100兆円。

Posted byブクログ

2009/10/07

シンクタンク出身で現在エコノミストとして活躍している著者が、主に経済統計の不確かさについて解説する本。2006年。平均所得など、単純に平均を取ったときには上の数値に引っ張られるため、現実よりも大きな値となり実感と異なってしまう。経済統計には重み付けをしているものもあるが、サンプル...

シンクタンク出身で現在エコノミストとして活躍している著者が、主に経済統計の不確かさについて解説する本。2006年。平均所得など、単純に平均を取ったときには上の数値に引っ張られるため、現実よりも大きな値となり実感と異なってしまう。経済統計には重み付けをしているものもあるが、サンプルのとり方にも問題点が多く、必ずしも絶対に信じてよい指標というものではない。新興国のGDP成長率も、その国全域をカバーしているわけではなく、また、地下経済の動きも含まれないことから、本当にこれから発展していくのかを数値だけで判断するのは危険である。数々の指標を多面的に捉えながら実態を把握する必要を強く説いている。シンクタンクから発表される○○の経済効果に意味がない、という意見には納得。

Posted byブクログ

2011/04/26

統計を読むときは、それがどのようにして集計されどのような誤差を含みやすいかを理解しておかなければ、適切に解釈できない、ということを事例を交えて解説する。第1章では算術平均、幾何平均など様々な平均の求め方を紹介し、「平均」をどのように読み取るべきかを解説する。事例として平均貯蓄残高...

統計を読むときは、それがどのようにして集計されどのような誤差を含みやすいかを理解しておかなければ、適切に解釈できない、ということを事例を交えて解説する。第1章では算術平均、幾何平均など様々な平均の求め方を紹介し、「平均」をどのように読み取るべきかを解説する。事例として平均貯蓄残高、東証株価指数、豊かさ指標、平均寿命、初婚年齢などがあげられる。第2章では統計の裏付けがあるかのように語られる様々な通説を疑う。みせかけの相関に騙されないために、その統計の持つ意味をとらえることが重要だとする。事例として割れ窓理論、有効求人倍率、検挙率、年末商戦、サービス残業、所得格差、デフレなどがあげられる。第3章では「○○の経済効果」がどのように算出され、どの程度意味があるのかを解説する。一次効果を推計して、「産業関連表」を使って機械的に算出する過程を解説し、それがいかにあてにならないかも述べる。第4章ではGDPなどの経済統計の算出方法や、そのブレの傾向を解説し、ブレの傾向を把握しておかないと誤った経済政策を導きかねないことを述べる。第5章では地下経済について。GDPには表れない経済が、決して無視できない大きさのものであることを推計する。目次 第一章 「平均」に秘められた謎 第二章 通説を疑う 第三章 経済効果を疑う 第四章 もう統計に騙されない −統計のクセ、バイアスを理解する 第五章 公式統計には表れない地下経済一〜二章で統計の集計方法とそのクセを理解しておくことの大切さが繰り返されるが、統計を疑うために別の裏付けある資料・統計を持ってくるのではなく、定性的な意見が述べられるだけなので、少々説得力にかける。三〜四章は筆者の専門分野。各産業間の関連性が指標として算出されており、それを使えば経済効果が半自動的に搬出されるという種明かしは特に興味深かった。最後の「地下経済」とは、犯罪の他にも脱税があげられる。推計される脱税やそれによる隠し資産の規模が、意外と大きなものであることに驚かされた。全般に統計一般というよりも、経済統計・指標を通して社会を読むためにはどのようなことを考慮しなければならないか、という点が主眼であるようだ。

Posted byブクログ

2011/08/07

統計リテラシーの本。・平均値は正規分布するときのみ意味があり、モードやメジアンと使い分けるべき・データの作られ方失業率はハローワーク経由のものを数えており、最近ではハローワーク以外の求人が多く、上振れしやすい。「経済効果」の算出もインパクトを出そうとしてマイナス面を無視したものに...

統計リテラシーの本。・平均値は正規分布するときのみ意味があり、モードやメジアンと使い分けるべき・データの作られ方失業率はハローワーク経由のものを数えており、最近ではハローワーク以外の求人が多く、上振れしやすい。「経済効果」の算出もインパクトを出そうとしてマイナス面を無視したものになりがちだし、算出根拠がいい加減(皇室男児誕生の経済効果の時は「1500兆円の個人資産の1%ぐらいが支出に回るだろう」というだけで算出されたり)だったりするので重視する必要はない)・共産主義社会では覚えをめでたくするために過剰な報告をしていたのが資本主義になると節税のため過少報告になり、GDPは下振れする。グレンジャーの因果性テストというものがあり、相関関係から因果関係を判定するために各変数について説明性がどの程度かを判定する。

Posted byブクログ

2009/10/04

多分そんなに悪い本じゃないと思うが、いかんせん「ヤバい経済学」の後だと見劣りする。全体の流れも、何となく読んでいるうちに少し飽きてくる。

Posted byブクログ

2009/10/04

前半は様々な統計手法を紹介して、「平均値」ひとつにしても、対象となるデータのバラつき(分布) によって、実感と一致する計算方法はいくつも存在することの紹介など、とても面白い。  でも後半は、筆者の専門分野だからか、ひたすら経済学の話が続いて飽きる。…というか、高度に専門的過ぎてつ...

前半は様々な統計手法を紹介して、「平均値」ひとつにしても、対象となるデータのバラつき(分布) によって、実感と一致する計算方法はいくつも存在することの紹介など、とても面白い。  でも後半は、筆者の専門分野だからか、ひたすら経済学の話が続いて飽きる。…というか、高度に専門的過ぎてつぶしが利かない内容と言うか。  救いなのは、扱われているデータが非常に新鮮で、「愛知万博の経済効果の裏では、全国の他の観光地で客が減っていて、経済効果はちゃらになっている」とか、親しみのわく数字を扱っているところ。  とにかく、世の中で公表されている様々な統計数値のカラクリが分かるのは面白い。  読めば読むほど難しくなっていくけれど、たどり着けるところまでいければ、それで十分とおもって読めばいい(笑)

Posted byブクログ