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ピカルディの薔薇 の商品レビュー

3.9

43件のお客様レビュー

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2015/08/16

人形つくってる星くんのはなしが読みたくって、なんてんだろうこの感じ。あの話にハマってるというかとらわれたくてとらわれているというか。。

Posted byブクログ

2023/05/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

言葉の選び方から小道具から設定から、これはもう純粋に好み。 唯一、「フルーツ白玉」、このタイトルはないでしょーと思ったけど、この中で出てくる、ボリビアの山里で隣村に出かけてさまようとこが、「エレホン」とか「モンテ・ヴェリタ」 「ゴサインタン」系のノリで良かったあ。 表題作に「オフランド・オゥ・ネアン」という薔薇が出てくるんですが、これって「虚無への供物」のハズ。 さりげなく、猿渡の編集者が奈々村女史だったりする。

Posted byブクログ

2015/03/22

猿渡と伯爵の豆腐好きコンビが遭遇する怪奇を描く、「幽明志怪」シリーズ第2作。 ・著者の変幻自在の筆致と幅広い作風にはいつも驚嘆する。 ・前作『蘆屋家の崩壊』ではあまりの恐ろしさに全身が粟立って眠れなかったので、第2作は恐る恐るページを開いた。が、前作よりホラー色は薄く、あまり印...

猿渡と伯爵の豆腐好きコンビが遭遇する怪奇を描く、「幽明志怪」シリーズ第2作。 ・著者の変幻自在の筆致と幅広い作風にはいつも驚嘆する。 ・前作『蘆屋家の崩壊』ではあまりの恐ろしさに全身が粟立って眠れなかったので、第2作は恐る恐るページを開いた。が、前作よりホラー色は薄く、あまり印象に残らなかった。 ・最も印象深かったのは表題作。五感を失い、推量だけを頼りに生きる人形師の物語。彼の見ていた世界の傾きぶりは、きっと当シリーズに登場する誰よりも深刻で哀しい。でも悲しいことに、私の想像力ではその世界がうまくイメージできなかった。目覚めてすぐの意識が混濁した状態が比喩として出てくるが、「五感がない」とまで評するには飛躍がある。痛覚自体が正常ならば、いくら痛みの概念が異なるとしても、ラストの展開は無理ではなかろうか。前作の「水牛群」では、巧みな描写で神経症の症状をリアルに追体験できたが、「ピカルディの薔薇」ではそうは行かず取り残されてしまった。

Posted byブクログ

2013/09/22

金子國義さんの表紙に惹かれて読みました。 数人の登場人物からなるオムニバス形式。 基本の主人公「猿渡」はいるもののかなり多角的に切り取られているので、毎回頭の切り替えが必要。。。 夢の話もとても象徴的でいかようにも取れそう。(作中では編集女史が「他人がみた夢を聞かされるほど...

金子國義さんの表紙に惹かれて読みました。 数人の登場人物からなるオムニバス形式。 基本の主人公「猿渡」はいるもののかなり多角的に切り取られているので、毎回頭の切り替えが必要。。。 夢の話もとても象徴的でいかようにも取れそう。(作中では編集女史が「他人がみた夢を聞かされるほど退屈な経験はない」というような台詞もあるけれどw) 私は象徴的な話もあくまで字面のまま捉えて楽しむのが好きですが。(よって訳のわからない話だと感じることも間々あります。) 全体を通して、少し湿った、ぞっとする話です。 『夕化粧』おしろいばなのことですが。 2人目の奥さんのスト的餓死。 1人目の奥さんの私の貴女への愛は夕化粧に似ている、「(夕化粧は)抜いても抜いてもまた出てくるから」という言葉。 『籠中花』とある民話に熱狂してしまった女性が、木の洞に入ってしまった。「民話のモチーフの木を傷つけずに助けろ」と無茶を言うが、折りしもその晩は寄居虫の大行進の日で・・・ 『フルーツ白玉』グルメ談義なのだけれど。 まるでコ(虫3つに皿)毒なザリガニ(漢字が出てこないよ)、蛭詰めの血のソーセージ、キビャック(海豹に海燕を詰めて醗酵させたもの。海燕の肛門から内容物を吸って食べる。もやしもんにも出てきたね。) ・・・・・私食わず嫌いはしないほうだけれど、ちょっと遠慮したい。。。 『夢三十夜』夢十夜ならぬ。 でも、同じくらい不可思議な話。 夢の中では時間場所の設定は違えど、名前が同じで。現実と夢の表記の境目がないものだから私の頭はパンクしそうでした。 最終的に夢が現実に浸食? 『甘い風』ハワイの風。 新婚旅行の先で一風変わった外国人の老紳士に出会う。夏目(仮名)が幻のウクレレと交換したのは・・・新妻!? 『新京異聞』新京を訪ねた猿渡。 貝勒(ベイレ。爵位)の第7夫人という樟寿が語る自らの物語。幻は不老不死の彼女かそれとも・・・ そしてなにより素晴らしいのは表題作『ピカルディの薔薇』。 これだけは耽美です。 病気の美少年が人形を作ります。薔薇も育てます。 でも、それだけではありません。 最後はサイコホラー・・・? 「自画像のような人形」 でも人形を入れる木箱は縦1メートル。 どうすればいい? 五感のない彼に痛みはあるのか。 好きな人はたまらなく好きだと思います。

Posted byブクログ

2013/05/26

猿渡くんシリーズ第2弾。奇妙で、それでいて匂い立つような甘美な物語たち。ゲテモノ食いの話の「フルーツ白玉」と人形職人の話の「ピカルディの薔薇」が良かった。

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2013/03/17

再読。幽明志怪シリーズ2作目。 前作では無職だった猿渡も、この作品では時を経て変化がみられます。 前作で見られたような伯爵と猿渡のコンビ色は弱まっています。 とはいえ魅力が落ちたかと言われればそうではない。 『虚無への供物』のオマージュの表題作と『甘い風』が特に好みです。 【人形...

再読。幽明志怪シリーズ2作目。 前作では無職だった猿渡も、この作品では時を経て変化がみられます。 前作で見られたような伯爵と猿渡のコンビ色は弱まっています。 とはいえ魅力が落ちたかと言われればそうではない。 『虚無への供物』のオマージュの表題作と『甘い風』が特に好みです。 【人形】というキーワードは個人的に最も惹かれる要素なのですが、ここで描かれる物語もとても良かったです。 食についての云々は違った意味で怖さを感じます(汗) こちらもちくま文庫版とは収録作の差異があるので、文庫も是非手にとってみて欲しいです。

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2013/03/12

蘆屋家の崩壊に続く作家猿渡シリーズの二作目。 猿渡の元へ友人からおくられた手紙の話や、人形作家の話、神木にまつわる話、ウクレレ、満州での幻想的な日を過ごした話と、日常から非日常へと繋がる話が勢ぞろいで面白い。 いや、この本での非日常がもしかしたら、日常に起こりうるかもしれない...

蘆屋家の崩壊に続く作家猿渡シリーズの二作目。 猿渡の元へ友人からおくられた手紙の話や、人形作家の話、神木にまつわる話、ウクレレ、満州での幻想的な日を過ごした話と、日常から非日常へと繋がる話が勢ぞろいで面白い。 いや、この本での非日常がもしかしたら、日常に起こりうるかもしれない。たとえ、殺人事件でも。 そんな気がしながら読んで行った。 なかでもニ話目の表題、ピカルディの薔薇を読み終わった後の余韻が激しすぎ、妄想してしまったほど。 日常から非日常に潜む闇を読みたい人にはぴったりの一冊です。

Posted byブクログ

2013/02/04

人形作家である青年の維持する五感(信じている世界)が猿渡さんの言葉から崩れ落ちていく。しかし、その魅力にあがなえない。 編集者の女性がいいですね。

Posted byブクログ

2013/01/20

前作より面白さがパワーアップしているような…ほとんど好きだったが、とりわけフルーツ白玉が好きでした。薀蓄まで面白いなんてすばらし〜

Posted byブクログ

2013/01/12

『蘆屋家の崩壊』に続編があるとは知らなかったので喜んで読んだ一冊。 出てくる食べ物がみんな美味しそう!! ……と思えないのが何とも面白いです。 とはいえ血生臭くも美しい雰囲気は一貫していて、最後まで幻想的な気分に浸れます。 人がころころ死に、終わりはもやもやっとする感じはあ...

『蘆屋家の崩壊』に続編があるとは知らなかったので喜んで読んだ一冊。 出てくる食べ物がみんな美味しそう!! ……と思えないのが何とも面白いです。 とはいえ血生臭くも美しい雰囲気は一貫していて、最後まで幻想的な気分に浸れます。 人がころころ死に、終わりはもやもやっとする感じはありますが、仕様なんでしょうね。 短編なのでさらりと読めました。

Posted byブクログ