果てしなき渇き の商品レビュー

深町秋生【著】

普通の小説では味わえない

[yui]

ノワール小説が持つ抗いがたい魅力。愛でもなく温かみでもない、暴力とセックスとドラッグ。普通の小説では味わえないものが、これでもかとばかりに詰まっている。『このミステリーがすごい！』大賞受賞作品。

2023/12/26

「このミステリーがすごい」大賞作品ということで読みました。ミステリー要素を含んだサスペンスとしてはもっと評価すべきかもしれませんが、エログロ表現が多いのと、主人公含め全ての登場人物が誰も救われないストーリーなのが私の好みではないため星２とさせていただきます。

2023/12/26

感想
主人公はいつも何か信念があって、悪と戦う、そういうイメージを覆すものだ。不倫していた妻への暴力で退職になった藤島。娘にも危害を加え、娘が犯罪に走るキッカケを作ったのも自分。薬をやりながら、なんとか身体を動かして娘を探す。彼は一体どこを目指しているのか。。

話が果てしなく重いので読むのは結構疲れる。

加奈子は結局最後まで出てこなかったが、悪魔みたいな女だな。悪魔のような女といえば白夜行や誉田哲也の作品を思い出させた。

あらすじ
警察を退職し、警備員の仕事をしていた藤島はある日コンビニで凄惨な殺人現場に出くわす。その後、元妻の桐子より娘が帰って来ないという電話がくる。家へ駆けつけたところ、娘の部屋から大量の覚醒剤が見つかる。

藤島と桐子は、妻の不倫で別れ、二人とも娘の加奈子を放置状態にしていたため、彼女のことはよく分からなかった。その日から藤島の加奈子の捜査が始まる。加奈子は中学の頃より、アポカリプスというギャングと付き合いがあり、そこから手の入れた薬を予備校内で流していたことが分かる。

その後、加奈子に翻弄されたギャング、半グレ、警察、ヤクザがお互いを潰し合う。

2023/12/02

ミステリー大賞受賞ということで読んだが、どんでん返しとかあるわけでなく残酷な描写や共感できる主人公もいなく、読んでて気分悪い部分が多かった。

2023/10/18

タブーな描写があったが、娘の本質がわからない、故に登場人物の誰もがそれを知りたいと渇望する。まさにタイトルの通りのストーリーだった。
時間の異なる2つの物語が絡み合うところも良い。

結局、彼女の本当のところはなんだったのか？を読者自身も謎を追っている一人になってしまう渇きの感覚に囚われる。
傑作です。

2023/06/02

おもしろかったし、展開も凄かった。
どうなるんだろってすごく気になったし、一気に読んでしまった。
ただグロい。怖い。
理解できない。

2023/03/09

とにかく描写がグロい。ミステリー小説は一方で人間ドラマのようなものがあって共感したりするけど、これは主人公が最低過ぎて全く共感できず、何も感じなかった。ただストーリー展開の速さは凄まじくて、全く飽きずに読めた。

2023/02/27

読書メーターより。2019.6.11読了。

圧巻の509ページ！
最後まで加奈子がわからなかったし、藤島の加奈子へ対する執着がこわかった。
頭の中で加奈子はぜんぶ小松菜奈で再生されていたわけだけど、ボクも藤島も、誰もかれもが彼女に夢中になっていた理由は、なんとなくわかるような気がした。
だって、どうしたってこころが見えない。やることなすことあまりにも危うくて、でもなんだか目が離せなくて、目的が全くわからなかった。誰よりも純粋で、誰よりもサイコパスで、誰よりも世界を諦めてる。誰かが、加奈子を救ってあげられたらよかったのにな。

2023/01/31

汗、血、唾液、精液、愛液、胃液、涙、その１つも美しいものはない。
なんだか凄く粘っこくキツい臭いが漂ってくる。そんな作品。

とてつもなく不快な描写の数々。思わず目を背けたくなるが、読むのは止められない。
特に3年前の「僕」があまりに不憫でならない。

しかし、結局のところ1番狂ってたのは…

一度犯してしまった過ちは、二度と消える事は無いという事か。

2022/12/17

映画を先に観て、面白かったので原作も読んでみました。スピード感とか登場人物がみんな狂っているところとか、スリリングで楽しめました。救いようのない話だったりするけど、物語として読むにはこのくらいの狂気がある方がドキドキして楽しかったです。