黄昏の百合の骨 の商品レビュー
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近所の人たちから「魔女の家」なんていわれる白百合の館,祖母の1周忌で理瀬の他従兄弟の稔,亘も帰ってくる.何かが起こりそうな予感がずっとしながら不穏な中で物語が進む.登場人物がそれぞれに抱える闇あるいは悪の部分がじわじわと滲み出てくるのが怖かった.
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再読本。これも理瀬シリーズをおさらいのため、再読しました やっぱり全然覚えてなかった 雰囲気的には前作の「麦の海に沈む果実」の方が好き でもミステリ的な感じはこっちに軍配があがるかな
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理瀬シリーズ4作目 「麦の海〜」の正式な続編のようで、今回もダークでミステリアスで耽美な世界観に引き込まれた 「善など悪の上澄みの一すくい」と表現されるように、より深く潜る宿命を持って産まれた者と、そうでないものとの会話がなかなかしゅっと来る 特に亘と雅雪の対比はよかった 最後にちょっと俗っぽい企業間闘争みたいな一コマがあるのは、個人的には蛇足に感じた
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人間のドロドロした闇の部分が書かれてる。 ちょっとしたきっかけで、信じられなくなるし、信じてたら裏切られる。 まさにそんな感じがした。
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薔薇のなかの蛇を読もうとして、というか、数ページ読んで、あれ、これは前作を読んでいない気がする、、、と本棚から引っ張り出したのが、黄昏の百合の骨。 理瀬シリーズの第二作。 麦の海に沈む果実を読んでからけっこう経っていて、あの何とも言えない不気味で、重苦しいのに、煌びやかで、黒を適量混ぜたぎりぎり明るい赤が目の裏に残っている。理瀬という人は残っているけど、その他の人はけっこう忘れてしまっていたなー。これを読む前にぱらぱらと麦の~を読み返す。前作とは黄昏はまた違う色の作品だった。 麦の~から時間がったって、イギリスに留学していた理瀬は祖母の遺言に従って日本の祖母の家に戻ってきていた。その家には、祖母の娘である姉妹(姉は夫と死に別れ、妹は別居中)が暮らしていた。彼女たちは祖母と一緒に暮らしていたが、彼女たちが出払っているときに祖母は死んだ。祖母の残した遺産はいったい何なのか。祖母の死は本当に事故死なのか。隣家に住む家族の猫や、近所の動物を殺しているのは誰なのか。いつでも百合の花が飾られている家、その中で蠢く欲望や、羨望や、諦観がゆっくりと、でも確かに理瀬の首元へと迫っていた。 短編に出てきた理瀬のいとこの稔と、亘が深くかかわり、彼らが関わるから理瀬の中の闇にも強い光があたってしまう。 明るい道を、当たり前には歩けない理瀬の、最後の少女としての抵抗が愛しい。 魅力があり、才能がある人間は苦しいのだろう。 ただ歩くことができるのなら、そのほうがよっぽど幸せなんじゃないだろうか。 彼女とかかわった少年は、きっと彼女を忘れないと思う。
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人間関係というか、「人間の裏の感情」を表すためのミステリーのように感じた。ミステリーとしてすんなりまとまったなぁと思っていたら最後にちょっとしたどんでん返しが。
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理瀬が魅力的すぎる今作。 薔薇のなかの蛇を読むために再読した。 心理戦がドキドキして面白い。 「睡蓮」では稔の言葉にびくついていたのに、もうそんな気配が微塵もない。
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祖母が残した遺言に従い、長崎にある祖母の家で血の繋がらない叔母たちと同居することになった理瀬。叔母たちに監視されながらも、従兄弟たちと共に祖母が隠した「ジュピター」の謎を探る。そんななか、とある嵐の夜に友人の朋子に想いを寄せる男子生徒が行方不明になってしまう。 再読。〈理瀬シリーズ〉の新作長篇が17年ぶりにでるというので、前作に当たる本書を読み直した。 「おばあちゃんちから物騒なものが見つかる」ことしか覚えてなかったが、それも然もありなんというこじんまりとした作品。年始に恩田作品をまとめ読みしたので共通アイデアを流用した作品が思い浮かぶようになっちゃったけど、本作はちゃんと回収されているほう。梨南子のオチはなんだかな〜と思うけど。 新作では理瀬が成人しているらしい。だんだん憂理が亡くなる年齢に近づいているのだなと思ったが、必ずしも『黒と茶〜』の未来に続いているとも限らないのかな。
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面白かった!三月は深き紅の淵に⇒麦の海に沈む果実⇒本作と続けて読んだ。 シリーズ物だったので正解だったと思う。 もちろん多少順序が違っても面白いのには変わりはない。ただ自分的には前回の麦の海に沈む果実が イマイチ(といっても面白くはあったが)だったので危惧していた。 しかしいざ読...
面白かった!三月は深き紅の淵に⇒麦の海に沈む果実⇒本作と続けて読んだ。 シリーズ物だったので正解だったと思う。 もちろん多少順序が違っても面白いのには変わりはない。ただ自分的には前回の麦の海に沈む果実が イマイチ(といっても面白くはあったが)だったので危惧していた。 しかしいざ読み始めるとダークなミステリーで 非常に面白かった。理瀬の可愛さ、抜け目のなさ、非情なところやそうかと思うと雅雪との高校生らしい部分。 よく考えると同い年の女の子は確かにませてたな~。男がガキなのか? なんて考えながら楽しく読みました。ただ殺人(?)が起きるし、少年が 行方不明にもなる。犯人は?怪しい洋館の謎とは?といろいろ飽きさせません。 ホントに最後の最後までハラハラさせられて面白かったです。
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久しぶりに恩田陸さんの作品を読みました。理瀬の奇妙な家族構成に頭がこんがらがりながら、それでも細かいことは抜きにしてどんどん読み進めていくことができたのはきっと「恩田陸さんの筆の力」のおかげでしょう。 意外な人物の意外な真相(深層)にドキドキしながら最後まで、あっという間に読み...
久しぶりに恩田陸さんの作品を読みました。理瀬の奇妙な家族構成に頭がこんがらがりながら、それでも細かいことは抜きにしてどんどん読み進めていくことができたのはきっと「恩田陸さんの筆の力」のおかげでしょう。 意外な人物の意外な真相(深層)にドキドキしながら最後まで、あっという間に読み切ってしまいました。何か続編がありそうな終わり方に、次の恩田陸作品探しをしようと思っているところです。
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