黄昏の百合の骨 の商品レビュー
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百合の花言葉は、純粋無垢。 その由来は、キリスト教にまつわる話がいくつか挙げられている。 祖母が理瀬を白百合荘へ来させたのは、純粋無垢だった昔の理瀬との訣別を意味していたのではないだろか。 白百合荘を潰すことにより、理瀬を「こちら側」の世界へ誘った。 そして、雅雪と二十六聖人へ行くのは、理瀬の願望のようにも見える。 色々なメタファーがボディーブローのように効いてきて、無駄なところがなく色々なところに秘密が張り巡らされた物語だった。 ただ、一つ気になったのは稔の用意のよさ。 勤務医がわざわざ鎮静剤や注射器を持参するだろうか。激務のなか、あそこまで休みを取り続けられるものなのか。
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序盤の、古い小説のような描写に戸惑った。 霧が晴れるように、現代っぽい書き方に変わったが、勿体ぶった感じが好きになれない。
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なかなか面白かったと思うー! 正確な気持ちは、☆5というよりも4.5くらいの感覚だけど。 最後まで、結局この主人公たちって何者?!というのはよく分からなかったけど(※後で解説を読んだところによれば、他の麦と~の本を読んでおけば分かったらしい。)、この設定は目新しいし、最後の種明かしまで謎は謎のママで、でも設定として冒頭から推理が始まってて。そういう意味では、割と短い小説なのに、ドキドキ感を長く味わえる1冊でした。
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「魔女の家」と呼ばれる謎めいた洋館、白百合荘。 そこに住むのは、理瀬と血の繋がりのない義理のおばさん、梨南子と梨耶子。 一年前に祖母が転落死し、奇妙な遺言に導かれてこの家にやって来た高校生の理瀬。 理瀬の従兄弟の稔と亘。 毒殺や失踪などの不吉な事件が起こり、近隣に住む理瀬の友人朋...
「魔女の家」と呼ばれる謎めいた洋館、白百合荘。 そこに住むのは、理瀬と血の繋がりのない義理のおばさん、梨南子と梨耶子。 一年前に祖母が転落死し、奇妙な遺言に導かれてこの家にやって来た高校生の理瀬。 理瀬の従兄弟の稔と亘。 毒殺や失踪などの不吉な事件が起こり、近隣に住む理瀬の友人朋子や、弟の慎二、朋子の幼馴染の雅雪にも目が離せない。 悪は全ての源なのだ――善などしょせん悪の上澄みの一部に過ぎない という言葉が心に突き刺さる。 この物語の中では、誰もが演技をし、誰もが噓をついているようで、まるでお芝居をみているかのようだった。 これぞミステリーの醍醐味。面白くて、あっという間に読み終えてしまった。 人間の魅力というのは、一筋縄ではいかないものだ。 ということは、悪もその人の魅力のひとつになるということなのだろうか。 ミステリアスで魅力的な人物が登場する理瀬シリーズ、まだまだ読んでいきたい気がします。
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常に緊張感があって、ゾクっとする場面もあり一気に読んだ。互いの心理戦も面白いし、学園を知ってるからその世界で読めた。 勝手にシリーズがこれで最後だと思ってたら、短編やら番外編やらあるんですね。 しかも21年に最新作が出ていたとは!楽しみがまだあって嬉しい
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かなりぞわぞわするミステリー。理瀬シリーズではあるけれど、理瀬のみならずキャラクターが濃いので、それだけで百合の香りにうたれてしまいそうな感じ。こっち側、そっち側って、わかるようなわからないような・・・いままでの理瀬シリーズからふわっとイメージはするものの、そもそもあのファミリー...
かなりぞわぞわするミステリー。理瀬シリーズではあるけれど、理瀬のみならずキャラクターが濃いので、それだけで百合の香りにうたれてしまいそうな感じ。こっち側、そっち側って、わかるようなわからないような・・・いままでの理瀬シリーズからふわっとイメージはするものの、そもそもあのファミリーは何なんだろう?謎はまだまだ残りますが、ページを繰る手が止まらないという意味ではやはり圧巻。しばらく、百合、むりかも。
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理瀬シリーズ4作目に入る。「麦の海に沈む果実」に続く理瀬が主人公の長編。 高校生になった理瀬が、亡くなった祖母の遺言に従い、祖母が遺した洋館で二人の叔母と一緒に暮らすことになる。 祖母が亡くなった時の不自然な状況、奇妙な遺言、得体の知れない二人の叔母、同級生の弟の警告、謎の『ジ...
理瀬シリーズ4作目に入る。「麦の海に沈む果実」に続く理瀬が主人公の長編。 高校生になった理瀬が、亡くなった祖母の遺言に従い、祖母が遺した洋館で二人の叔母と一緒に暮らすことになる。 祖母が亡くなった時の不自然な状況、奇妙な遺言、得体の知れない二人の叔母、同級生の弟の警告、謎の『ジュピター』、猫の毒殺、二階に住む妖精、悪意に満ちた封筒、級友の失踪…。 曰くつきの館に染み込んだ謀略と欺瞞の血が呼ぶ疑心暗鬼に、この作者らしいワールドが全開。 これだけでも十分楽しめるが、同級生の雅雪との交流に大人びた理瀬とは別の彼女の一面を見ることが出来ていい感じ(丘の上の公園での会話の切ない感じが好きですね)。 理瀬だけでなく朋子も加えて、この年頃の女の子が持つ罪作りなところがよく表現されていて、それがまた話の顛末にも結びついているところにも感心。 大団円と思われた後のひと悶着もオマケの楽しみ。余韻を残したラストにまだまだ続く物語を思う。 それでは「薔薇のなかの蛇」が文庫になって出てくるのを待つとする。
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乙女の夢をよく分かってらっしゃる笑 これは特に全編そういう話だと思う ミステリーとして読むとちょっと違うと感じるだろう 少女漫画的ファンタジーなのかな 世界観を楽しむ小説 雅雪くんはいいな 乙女ゲーなら確実に推しになるタイプ あと相変わらずパパが素敵です パパも推しです 理瀬が羨ましい笑 アニメになったりしないのかな
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本当に面白い。 階段は気をつけないといけないと思っていたのでおばあさんが亡くなるシーンだけ鮮明に覚えていた。 誰が殺したのか理瀬とおばあさんの関係など記憶に残ってないから再読と言えないけど楽しめたから記憶にないのはよかったことにしておこう。
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