黄昏の百合の骨 の商品レビュー
珠玉の洋館ミステリー 理瀬シリーズ第2弾は、青の丘を離れイギリス 留学から戻ってきたところからはじまる 一年前に亡くなった祖母の遺言により長崎の 高台に佇む“白百合荘”と呼ばれる洋館に半年間 だけ住むことになった理瀬 ここは“魔女の館”とも呼ばれており、ワケあり 気な梨南子と...
珠玉の洋館ミステリー 理瀬シリーズ第2弾は、青の丘を離れイギリス 留学から戻ってきたところからはじまる 一年前に亡くなった祖母の遺言により長崎の 高台に佇む“白百合荘”と呼ばれる洋館に半年間 だけ住むことになった理瀬 ここは“魔女の館”とも呼ばれており、ワケあり 気な梨南子と梨耶子が住んでいた 祖母の謎の死、行方不明の同級生、従兄弟の稔と亘、 近所の動物の不審死…いくつもの不可解な謎、 犯人は実は最初から近くにいた…さらに最後に まさかの罠が… オーソドックスなミステリだけど、ドンデン返しが ドンデン返しを呼んで、前作の父である校長なんかが サラッと登場したり、理瀬シリーズ好きにはたまらない そしていちばんの衝撃は、理瀬が悪の存在である こと…しかも自分でそれを受け入れていて、同様の ヨハンとの深いつながりを認めていること… この先も理瀬シリーズは続くだろうけど、理瀬は どんな悪に染まっていくのだろうか
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「三月は深き紅の淵を」の次に「麦の海に沈む果実」を読みました。これは逆でも良いと思います。でもこの「黄昏の百合の骨」は「麦の」の後に読まないと、「麦の」の前半が台無しになってしまいます。 なんと言ってもこの作品は一にも二にも理瀬だと思います。「麦の」で主人公・理瀬に感情移入して...
「三月は深き紅の淵を」の次に「麦の海に沈む果実」を読みました。これは逆でも良いと思います。でもこの「黄昏の百合の骨」は「麦の」の後に読まないと、「麦の」の前半が台無しになってしまいます。 なんと言ってもこの作品は一にも二にも理瀬だと思います。「麦の」で主人公・理瀬に感情移入していた人はそもそも「麦の」の最後に放り出され、そしてこの作品でトドメを刺されます。 「しょせん、あたしは善人にはなれないのだ。」 こっちの世界とそっちの世界。理瀬という女の子にダークなどこまでもダークなヒロインの片鱗をそこかしこに感じさせながら物語はゆっくりと進んでいきます。でもそんな理瀬の周りで蠢く人間模様はさらに複雑です。一体誰が味方で誰が敵なのか。誰がこっち側で誰がそっち側の人間なのか。血生臭い闇がずっと見え隠れするなんとも言えない世界観。書名の「骨」の一文字が物語に隠された闇を暗示し続けます。 最後の最後までどんでん返しに継ぐどんでん返し、あまりに予想外の展開続きに自分の感覚まで信じられなくなっていきます。まさか、まさかの連続。そして、最後に新たな物語が胎動し始めるかのような予感を残しながら幕を下ろします。 「麦の」のようなファンタジーっぽい雰囲気もなく、これはミステリーです!という感じの作品でしたが、それを恩田さんも意識されたのか、この作品では、いつもの如く散々に散りばめられた伏線が、最後にはかなり綺麗に回収されてモヤモヤ感をあまり残さないで結末を迎えました。 こうなるとなんだかモヤモヤできないことにモヤモヤしてしまうような不思議な心持ち。でも間違いなくこれも恩田さんだなぁと感じました。 「麦の」と必ずセットで読みたい、そんな作品でした。
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麦の海に沈む果実から、時系列で少し先のお話。 美しくて達観していて、自分が闇の世界の側だと知った理瀬がたまらなく魅力的! ヨハンや黎二の存在がちらついたり、お父さんも登場したことにワクワクした自分に気づいて、すっかりファンだと実感した。 美しい描写あふれるミステリーほど読んで...
麦の海に沈む果実から、時系列で少し先のお話。 美しくて達観していて、自分が闇の世界の側だと知った理瀬がたまらなく魅力的! ヨハンや黎二の存在がちらついたり、お父さんも登場したことにワクワクした自分に気づいて、すっかりファンだと実感した。 美しい描写あふれるミステリーほど読んでいて楽しい本はない。
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伏線は張り巡らさていたことに最後に気づいた。 若干、それなら??と思うところが、推理を惑わされるところであり、いいところかも知れない。 「呟く」が多く用いられるのはどのキャラクターの内向的なのか?作者の癖なのか?気になるところ。 「呟く」ができない私には羨ましい。 最後の「...
伏線は張り巡らさていたことに最後に気づいた。 若干、それなら??と思うところが、推理を惑わされるところであり、いいところかも知れない。 「呟く」が多く用いられるのはどのキャラクターの内向的なのか?作者の癖なのか?気になるところ。 「呟く」ができない私には羨ましい。 最後の「気持ちよく送り出す」が違う意味を持つことが笑えた。
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少し大人になった理瀬。 ミステリー要素もより強く、最後まで展開が読めなかったなぁ。 理瀬もそうだけど朋子もここに出てくる女性たちも。 女というのは怖くもあり…
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「麦の海に沈む果実」の続編、なんだけど、なんとなく断線してる感じ。 こんなに誰のことも信じられない家に住むのは、消耗するだろうなあ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
仄暗いものに覆われた洋館。 呪われたような一族。 百合のむせ返る香りが漂ってくるような濃厚さと湿度がある。 花の蜜に吸い寄せられた虫のように、読み終わった頃には理瀬のことをもっと知りたいと思うようになってしまった。
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ちょっと寝る前に、、と思って手に取ったらあっという間に読了してしまった。読み進めるほどに、誰が?なんで?と思考を巡らせてしまう。 最後まで読んで、シリーズものだったことに気づく。理瀬の不思議な魅力にはまりそう。彼女のことが書かれた「麦の海」も読んでみることにします。
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恩田陸の1部の作品が放つ、不穏でミステリアスな雰囲気が好きだ。強い魅力に惹き付けられて、どきどきしながらもページをめくる手が止まらない。理瀬が主人公のこの物語は、特にミステリー的な要素が強い。その後の、理瀬の物語があれば、是非読みたい。
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麦の海よりも先に読んでしまったことが悔やまれるが、充分すぎるほどにスリリングなお話。情感たっぷりの魔女の家で巻き起こる事件や登場する女性がみんな怖い。ミステリー、ホラー色満載で誰も信用出来ない怖さを演出。 麦の海を読んでヨハンや理瀬の過去にふれてみたい。
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