闇の守り人 の商品レビュー
守り人シリーズ2作目。とはいえ、主人公が場所を移動しているので、前作を読んでいなくても世界に入れるのが親切。 作中に国が収穫を得るため、かつ青年が大人になるためのイニシエーションが出てくるが、これが本当に見事に琴線に触れる。 こまごまとしたことが形を変えて自分にも起こりうることで...
守り人シリーズ2作目。とはいえ、主人公が場所を移動しているので、前作を読んでいなくても世界に入れるのが親切。 作中に国が収穫を得るため、かつ青年が大人になるためのイニシエーションが出てくるが、これが本当に見事に琴線に触れる。 こまごまとしたことが形を変えて自分にも起こりうることで、どっぷりと世界に漬かりながら読了。
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女用心棒のバルサが故郷のカンバルへ帰り、己の過去と対峙する物語。 精霊の守り人を読んでからだいぶ空いたけれど、すぐに世界観にひたれました。 地の民と山の民の関係。山の民の正体。闇の守人は何者か。緻密な構成がされていてファンタジーの枠を凌駕したお話になっています。 バルサの叔母...
女用心棒のバルサが故郷のカンバルへ帰り、己の過去と対峙する物語。 精霊の守り人を読んでからだいぶ空いたけれど、すぐに世界観にひたれました。 地の民と山の民の関係。山の民の正体。闇の守人は何者か。緻密な構成がされていてファンタジーの枠を凌駕したお話になっています。 バルサの叔母ユーカ、バルサに助けられたカッサとジナの兄妹がとくに好きなキャラクターだった。 ラストのバルサが闇の守人と槍舞をし、流れ込んでくるジグロの感情がつらかった。でもこの感情をバルサが乗り越えることが必要であったし、それで真に弔えたのだと思う。
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文庫本で再読。 初めて読んだときは、あまりの面白さに ストーリーを追うことに夢中で、ちゃんと 考えて読んでなかったことがよくわかった。 シリーズの中でも好きな作品。
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バルサが故郷に戻る話。精霊の守り人の方が好みかなぁ。一般的にはこちらの方が大人からの支持が高いみたい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
バルサとジグロ…闇の守り人たちの魂を、槍舞いが浄化してゆく。 おそらく息をするのを忘れるくらいに美しいはずの槍舞いに魅せられた。 バルサは過去の因縁を断ち切るのではなく、自らの力であたたかい絆に変えて、再び新ヨゴ皇国に戻ってゆく。 どのようなことがあっても、どんな思いに苛まれても、生きてゆく人々の物語。読み出したら止まらない…本当に。 半世紀以上を生きてなお、この物語に感動できる自分に感謝したい。こんな自分を失いたくない。たとえどのような現実に苛まれても、この物語が、生き続ける勇気と密かな誓いを私にもたらしてくれる。 まだまだ先は長い。しかし、いつまでも終わらないでほしい。
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「守り人」シリーズ2作目はバルサの帰郷をめぐる物語。 後半の展開は、予想の通りの部分と、思いがけない部分とがあり、 「ゲド」シリーズと同じように、くりかえし読みたくなるような 読み応えのある物語だった。 光と闇、負の感情も含めた自分自身や過去と向き合うことなど、 あれこれ考えさせ...
「守り人」シリーズ2作目はバルサの帰郷をめぐる物語。 後半の展開は、予想の通りの部分と、思いがけない部分とがあり、 「ゲド」シリーズと同じように、くりかえし読みたくなるような 読み応えのある物語だった。 光と闇、負の感情も含めた自分自身や過去と向き合うことなど、 あれこれ考えさせられる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
守り人シリーズ2冊目。「精霊の守り人」もよかったけど、この「闇の守り人」を読んだ後では、その「精霊の守り人」すら盛大な序章に過ぎなかったのかと思わせる。とにかく物語世界の厚みも、物語自体の面白さも抜群にすごい。 異世界ファンタジーに付きものの独自言語も発展。ラガが入ったロッソなど、登場する食べ物がどれも美味しそうだ。
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守り人シリーズ2作目。 過去と自分の思いと向き合うために故郷に戻るバルサ。やるせない想いを持つバルサとジグロの槍舞いは、切なく胸に迫るものがあった。 物語の描写が前作より、幻想的で美しい。
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25年前、カンバル王に父を殺されたバルサは父の親友ジグロに救われ、生まれ故郷をあとにした。 ふたりを追うために放たれた刺客はみな、ジグロの大切な友人だった。彼はバルサと自分の命を守るためにその友人たちを殺し、ジグロは裏切り者の汚名を着ることになった──。 「精霊の守り人」後、過...
25年前、カンバル王に父を殺されたバルサは父の親友ジグロに救われ、生まれ故郷をあとにした。 ふたりを追うために放たれた刺客はみな、ジグロの大切な友人だった。彼はバルサと自分の命を守るためにその友人たちを殺し、ジグロは裏切り者の汚名を着ることになった──。 「精霊の守り人」後、過去と向き合うために、養父ジグロの汚名を晴らすために故郷のカンバル王国へ戻ったバルサ。 しかし王国にはジグロの弟ユグロによる、権力と富を得るための陰謀が満ちていた。 歪められた過去の真相を知るバルサは、亡国へと至る陰謀を止めるために、ジグロの甥カッサとともに山の民たちの力を借りて闇の底へと降りて行く。 王国の地下にあるという<山の王国>。山の王から数十年に一度、貧しいカンバルの王へと贈られるという宝石・ルイシャ<青光石>。 闇の底でそのルイシャが贈られる儀式に現れるヒョウル<闇の守り人>。その正体とは──? 子供にそそがれる深い愛情。けれど時折よぎる、「この子さえいなければ」という憎しみ。 思う者も辛い。その思いに気づく者も辛い。 児童向けとはいえ、むしろ大人が読んだほうが心抉られるシーンが多いと思います。
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舞台は新ヨゴ王国からバルサの故郷カンバル王国へ。 ジグロの弔い行としてカンバルへ向かうバルサ。洞窟の中で闇の守り人であるヒョウルに襲われる兄妹、カッサとジナを助けることから物語は始まります。 洞窟の道標が短槍に刻まれた模様だったり、その洞窟の住人ヒョウルの持ち物がルイシャとい...
舞台は新ヨゴ王国からバルサの故郷カンバル王国へ。 ジグロの弔い行としてカンバルへ向かうバルサ。洞窟の中で闇の守り人であるヒョウルに襲われる兄妹、カッサとジナを助けることから物語は始まります。 洞窟の道標が短槍に刻まれた模様だったり、その洞窟の住人ヒョウルの持ち物がルイシャという宝石であったり、牧童という小人の存在だったり。 前作にも増して幻想的で胸が躍る反面、カンバル王国の悪行...ここがバルサの過去に繋がるわけですが、その部分が描かれており、とても悲しいお話だとも思いました。 ヒョウルの正体が明かされる場面もそうですが、槍舞がなんとも切なくて。 でも、救いようがないと思っていたラダール王が国の為に頑張った姿にはぐっときました。カッサも勇敢でしたね。 いつかバルサが堂々と国境を渡り、故郷カンバルに帰る姿が見たいですね。そこにカッサの成長も描かれていたらもっといいなぁと思う。
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