闇の守り人 の商品レビュー
和風というかアジアンテイストのファンタジー小説が一般的になってきてから久しいが、設定の緻密さやドラマとしての完成度において上橋菜穂子の作品は、このジャンらの代表作の一つではないかと思う。 特にこの守り人シリーズは、巧みな異世界の設定と心揺さぶられる人間の心情の描写が紡ぎだす素晴ら...
和風というかアジアンテイストのファンタジー小説が一般的になってきてから久しいが、設定の緻密さやドラマとしての完成度において上橋菜穂子の作品は、このジャンらの代表作の一つではないかと思う。 特にこの守り人シリーズは、巧みな異世界の設定と心揺さぶられる人間の心情の描写が紡ぎだす素晴らしいファンタジー小説に仕上がっていると思う。 前作の精霊の守り人の物語の後、バルサは自分の過去と向き合うべく故郷のカンバルを目指す。 今回は、バルサの故郷となるカンバルが舞台となり、その地で古来から行われている”ルイシャ贈りの儀式”にまつわる冒険譚となる。 今回の物語のキーワードは、地下世界ではないかと思う。 古来、人類は冥界が地下に属するものと信じていた。 そこは、生と死の境界であり、先立ってしまった親しい人たちと会うことができる場である。 過去と対峙し、それを越えて生きていかなければならない主人公バルサには、良く考えられたシチュエーションではないかと思う。 物語の読後感は清々しく、この物語のふさわしいものだった。
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帯文(裏表紙):”壮大なスケールで語られる魂の物語。” 目次:序章 闇の中へ、第1章 闇の底に眠っていたもの、第2章 動き出した闇、第3章 〈山の王〉の民、第4章 〈ルイシャ贈りの儀式〉、終章 闇の彼方、文庫版あとがき、解説「闇の守り人に寄せて」 神山健治
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守り人シリーズ2作目。読み終わったあとに「伝統」というものには実は深い意味があるのではないかとあらためて感じました。また、自分と同じような性格の登場人物がでてくるので、思い出に残る一冊となりました。
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シリ-ズ2作目 ヒョウルは過去の影だった バルサが過去との決着を果たしたことで これから前に進めるのだろうか? なんだか切ない思いで読みました 3作目に精霊の守り人の登場人物が出てくるのが楽しみ
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まるでパズルピースがかちっ,かちっ,と填っていくが如きストーリィ構成.そして,書き手のぶれない思い.
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バルサが生まれ故郷のカンバル王国に二十数年ぶりに帰り、んでもって何やら陰謀に巻き込まれつつ、亡き師匠ジグロの汚名をすすぐ話。ラスト闇の守り人になったジグロとの槍舞いは素敵だったが、バルサ姉さんは成長するタイプの主人公じゃないからもう少し強いとなおいいなあ。バトルシーンがやや淡白な...
バルサが生まれ故郷のカンバル王国に二十数年ぶりに帰り、んでもって何やら陰謀に巻き込まれつつ、亡き師匠ジグロの汚名をすすぐ話。ラスト闇の守り人になったジグロとの槍舞いは素敵だったが、バルサ姉さんは成長するタイプの主人公じゃないからもう少し強いとなおいいなあ。バトルシーンがやや淡白な気がする。
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25年の思いと向き合う旅の中でバルサの優しさと強さがこの冒険物語に溢れている。 闇の守り人のために精霊の守り人があったかのよう。 バルサの過去やジクロの辛い思いに決着を着けカンバル王国も救うという爽快感もあり面白かった。 辛い過去だけでなく5歳の頃にバルサがほんのかすかにしか思い...
25年の思いと向き合う旅の中でバルサの優しさと強さがこの冒険物語に溢れている。 闇の守り人のために精霊の守り人があったかのよう。 バルサの過去やジクロの辛い思いに決着を着けカンバル王国も救うという爽快感もあり面白かった。 辛い過去だけでなく5歳の頃にバルサがほんのかすかにしか思い出せない、幸せな思い出の場面が結構、お気に入りの場面でした。 こういう冒険ファンタジー小さい頃好きだったな、と改めて思い出せた一冊。
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読み助2014年7月18日(金)を参照のこと。http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2014/07/post-2139.html
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前作は なかなか世界に入れずに終わってしまったが 今作は 主人公が中心の話だったということもあってか、前作に比べスルスルと世界にも入れたし、主人公に感情移入しやすかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「精霊の守り人」がおもしろかったので、 続けて第二弾も。 こちらもおもしろかった! どっちか選べと言われればこちらを。 始まりからずっと続く緊迫感が良い。 一巻で語られていなかったいろんなことが 明らかになっていく過程も。 そして途中で出てくるちっちゃい人! コロボックルを思い出し、にまにま。 最後の舞いにもぐっと来た。 どんな人間にも負の感情があって、 そこを隠さずに描いている。 また続けて読んでしまいそう。
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