闇の守り人 の商品レビュー

上橋菜穂子【著】

2013/05/26

精霊の守り人となったチャグムを助けたバルサが向かったのは、かつて先王ログサムの陰謀に巻き込まれ、ジグロとともに追われることになった故郷カンバルの地。そこでバルサを待ち受けていたのは、ジグロを倒したと偽り英雄となったジグロの弟のユグロの新たなる野望だった。山の王がカンバルにもたらす贈り物とは、そしてヒョウル＜闇の守り人＞の正体とは。バルサとジグロの深い闇を少しずつ解きほぐしながら、まるで一緒に旅をしているかのように物語は進んでいく。それはとても哀しく、けれどもとても暖かい旅です。

2013/05/22

おもしろかった・・・満足の一冊でした。

巻末に
若い人は「精霊の守り人」が人気があるそうですが、大人にはこの「闇の守り人」が人気がある。

というよ言うなことが書かれていました。

確かに、バルサの生き様や、人間模様、そして、バルサの父とジグロの友情。そして、昔の仲間たちを殺さなくては生き抜けなかったジグロの絶望的逃亡。そして・・・王の陰謀。

どろどろとした陰謀もあれば、友情と信頼もしっかり描かれていて、大人に人気があるのもうなづけます。

心の奥に秘めた足枷を開放する旅、私たちにも必要かも

2013/05/19

守り人シリーズ第2弾！
女用心棒バルサを待ち受けるまたまた数奇な運命。

バルサは運命という言葉を嫌うけれど、
大きな力にまるで引き寄せられるように過去と対面することになるバルサ。
過去を引きずったまま生きていくのは困難だ。
いつかどこかで真正面から対決して清算しなければ。

2013/05/18

バルサさんシリーズ、第２巻。

自分の心の中の蟠りを解消するため、バルサさんは自分の人生と立ち向かいます。
「因果応報」が今回のテーマなのでしょうか。

”嘘”

をキーワードに、物語が三重構造になっている気がします。
児童向けとは思えない本格的なストーリーに、心をうたれました。
次回作も、当然期待です。

2013/05/11

これを書いている今守り人シリーズはすべて読み終わっているのだけど、いちばん好きな物語をあげるとしたらこれです。

寒風吹きすさぶカンバルの風景に憧憬を禁じ得ない。バルサがバルサの過去と対峙する物語。なによりバルサとジグロが切なくて泣ける。読んでいる間中美しい光景ずっと目の前にあった。静かな冷たく深い湖の底に沈むような美しい物語だったなあ！

2013/04/30

守り人シリーズ二作目。読みやすくて良い。とんとん気持ち良く話が進む。その上まるくキレイに話が着地して、読後感も良い。もちろんカンバルを巡る話は終わってないのだけど、不易流行というのかな。あぁ、こうやって人々は暮らしていくのだなぁとよくできてるなぁと。
不思議な親子喧嘩。思いはぶつけなければ伝わらない。伝わらなければ終わらない。伝われば終わると言うものでもないけれど。いいなぁ。
心情描写も丁寧で無理なく素晴らしい。

2013/04/24

精霊の守り人を読み終わった後、かなり日が過ぎてしまいましたが
２作目を手にとってみると・・・・・
一気に引き込まれる世界で、このお話って
これほど面白かったっけ？と驚きながら読みました。
描写も細かく、どういう状況かを想像する楽しみも
十分に味わえる１冊でした。
３作目以降も読まなきゃ！

2013/04/19

生まれ故郷のカンバル王国に戻ってきたバルサ。
６歳のときから２５年。

「ログサムは、ヒョウル＜闇の守り人＞たちが、ぜったいにルイシャ＜青光石＞をわたすはずのない王だったからね。」

2013/04/14

読み終わってスッキリした今回の作品でした。
闇、心の中のものもさしているこの物語は、何に囚われていてもそれを突き抜けるには自分の中の闇との戦いなのかもなぁと思いました。
今回も途中で泣いちゃいましたね。

2013/03/24

主人公が自分の過去と対決する物語。人の欲が根底にある根深い陰謀が明らかになるものの、その恨みを果たすだけで良いのか、大事なものを見落としていないか、そんな葛藤を乗り越えたときの描写がすがすがしい。