真鶴 の商品レビュー
母と私と娘、女3人の暮らしの中で、何物かに導かれ真鶴に向かう私のお話。 言い回しが独特で、世界を捉えるのに少し難しさを覚えた。 寒天を溶かして杏仁豆腐を作る3人の姿がとても好き。 ゆたゆたした感じが伝わる。
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自分と幼い娘の百を置いて突然失踪した夫の礼。それから12年が経って、ふらっと訪れた真鶴で“ときどき忘れる”ようになっていた夫のことを思い出す。夫の日記を読み返すと、それまで気付かなかった“真鶴”の文字が目に付いた。真鶴には何があるのか…。 “ついてくるもの”とか“行く”とか“戻る...
自分と幼い娘の百を置いて突然失踪した夫の礼。それから12年が経って、ふらっと訪れた真鶴で“ときどき忘れる”ようになっていた夫のことを思い出す。夫の日記を読み返すと、それまで気付かなかった“真鶴”の文字が目に付いた。真鶴には何があるのか…。 “ついてくるもの”とか“行く”とか“戻る”とか…はっきりはしないけれど、真鶴を基点にあの世とこの世をさまよっているような“私”。はじめは捉えどころがなく(文体のせいもあって)戸惑ったのだが、難しく考えないように、理屈で考えないように読んだら、妙に感情移入してしまった。娘と母の部分に、特に。
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夫が失踪してしまった女の視点で描かれる物語。 読み始めてすぐに、ああこの本は難しいな…って思った。 きっとある程度人生経験を重ねてて、旦那さんがいたり年頃の子供がいる人だったらわかる部分が多いのかもしれない。 私はどちらかと言えば百の方が断然近い。 母親に触られると青ざめたり、意味もなくつんけんしてみたり。 まだその記憶が新しくて、その度に母親もこんな風に傷ついていたんだろうかと思うとちょっと苦しくなった。
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川上弘美さんの本、すきなのだけど、 この本はすこし難しかった。 ちょっぴり、とっつきにくい。 主人公の寂しさや、想いが切なくて、読んでいてつらかった。 礼、回想の場面ではすごく素敵で魅力的な男性だから 主人公のためを思って憎むことができなくて、 それがよけいにつらかったな。笑...
川上弘美さんの本、すきなのだけど、 この本はすこし難しかった。 ちょっぴり、とっつきにくい。 主人公の寂しさや、想いが切なくて、読んでいてつらかった。 礼、回想の場面ではすごく素敵で魅力的な男性だから 主人公のためを思って憎むことができなくて、 それがよけいにつらかったな。笑 なんだか感情移入してしまった。
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2012.6.9読了。 母であり、娘であり、妻である、女がパワースポット真鶴で覚醒していくお話、として読んだ。
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失踪した夫の思い出の中と、失踪した十数年後の今を、たゆたいに生きる残された妻。 そして、その妻についてくる、異形の影。 物語は、今生と他生を彷徨いながら、過去と現在・男と女・親と子の希望と絶望を浮き彫りにしていく。 川上弘美さんの作品は初めて読みましたが、文章が非常に素晴らしく、...
失踪した夫の思い出の中と、失踪した十数年後の今を、たゆたいに生きる残された妻。 そして、その妻についてくる、異形の影。 物語は、今生と他生を彷徨いながら、過去と現在・男と女・親と子の希望と絶望を浮き彫りにしていく。 川上弘美さんの作品は初めて読みましたが、文章が非常に素晴らしく、詩篇を読んでいるようなリズムと、言葉ひとつひとつの持つ輝きが胸の中で音楽のように広がりました。 本当に素晴らしい才能をお持ちの方だと、つくづく感服しました。 小説として完璧な作品だとは思いますが、好みをいえば、ラストがきれいにまとまりすぎなので4点。 これは、読み手の好みによってわかれるかと。 それと、素晴らしい文章を忘れたくないので、特に気に入ったのを2つほど。 光があたらしい。朝だからだろうか。まだなめされていない、生のままの光。 耳の奥できこえていた音が、急に外へすいだされ、大きくひろがる。「耳がとおった」 この作品、女性の愛憎劇だけではなく、ミステリー的な手法もとりいてていたりするので、ミステリーファンでも充分楽しめると思います。 万人受けするとは思いますが、特に生活に対する閉塞感を感じているときなどは、ばっちりはまるかもしれません。 そういう意味で、日常に刺激がなく感じている方には特にオススメです。
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川上弘美久しぶりに読みました。ちょっとフワフワした感覚の文章結構好きです。「センセイの鞄」とか「溺レる」好きでした。真鶴は失踪した夫を待つ女性の心理が妙にリアルでした。体に溜まる熱のようなものがとても強く伝わりました。割り切れない思いや寂しさにリアルな日常が重なっていく感じが濡れ...
川上弘美久しぶりに読みました。ちょっとフワフワした感覚の文章結構好きです。「センセイの鞄」とか「溺レる」好きでした。真鶴は失踪した夫を待つ女性の心理が妙にリアルでした。体に溜まる熱のようなものがとても強く伝わりました。割り切れない思いや寂しさにリアルな日常が重なっていく感じが濡れたガーゼを重ねていくみたに冷たさと共にヒタヒタしていく感じ、好きです。
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読むのに凄く時間が掛かりました。ひとつひとつの文章が重くて。主人公の人に対する執着が怖くなりました。特に娘に対しての。
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不思議系の話。 途中で飽きて、読むのやめちゃった。 今までの川上弘美とちがって、とっつきにくかった。
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川上弘美のテクストにしばしば見られる「別れ」をきっかけとした生命力の芽生えがここにもある。 枯れてしまった草花は切り落としてやらねばならない。生きているものへの栄養がゆき渡らなくなるからだ。 京は礼と決別し、その生命力は家族の中に注がれる。百が京にとっての新たな礼となるのだろう。...
川上弘美のテクストにしばしば見られる「別れ」をきっかけとした生命力の芽生えがここにもある。 枯れてしまった草花は切り落としてやらねばならない。生きているものへの栄養がゆき渡らなくなるからだ。 京は礼と決別し、その生命力は家族の中に注がれる。百が京にとっての新たな礼となるのだろう。 同時に母にも老いが訪れる。 生あるものはいつかは枯れてしまう。 枯れたものを切り落として、それでも生の営みは脈々と続いてゆく。 これは、新陳代謝の物語である。
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