1,800円以上の注文で送料無料

ミーナの行進 の商品レビュー

4

228件のお客様レビュー

  1. 5つ

    73

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    58

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2020/11/22

「たとえ死んでも、消えてなくなるわけではないのだ。この世の物質は決してなくならず、姿を変えるだけなのだ。」 時は流れるし、緩やかに人も風景も変化していく。 それでも、そこにいた人や思い出は色濃くずっと残り続ける。 優しい、乳ボーロみたいな一冊です笑

Posted byブクログ

2020/02/15

読み始めてまず吉本ばなな「TUGUMI」を思い出し、そして大島弓子「夏のおわりのト短調」を思い出し、ふといしいしんじ「ぶらんこ乗り」も思い出した。 本を読んで別の作品を連想することは、時に失礼なことかもしれない。しかし、“本”が重要なモチーフであるこの作品においては、むしろふさわ...

読み始めてまず吉本ばなな「TUGUMI」を思い出し、そして大島弓子「夏のおわりのト短調」を思い出し、ふといしいしんじ「ぶらんこ乗り」も思い出した。 本を読んで別の作品を連想することは、時に失礼なことかもしれない。しかし、“本”が重要なモチーフであるこの作品においては、むしろふさわしいことに思えた。 読書とはひとつの作品で完結するものではない。読書という体験が、あらゆる作品を結び付けていく。一冊の本からとびたっていくミーナこそが、それを体現している。

Posted byブクログ

2019/09/17

一年間の、親戚の家で過ごした少女朋子の物語。 カバと、喘息の美少女ミーナと、その家族、ハイソな暮らし、本、淡い恋。 淡々と、でもじんわりとあたたかく、少し切ない記憶。 大人の事情を垣間見たり、永遠の別れもありつつ、成長する。

Posted byブクログ

2019/05/05

現実世界の形を保っている切なさ漂う寓話です。架空の飲料フレッシーから漂う昭和感。カバのぽち子が漂わせる童話感。そして過ぎ去ってしまった過去をさらいながら読む我らの寂寥感。心から血を流すような悲しみも、抜ける青空のような喜びも無い淡々とした物語はまさに小川洋子節だと思います。 装丁...

現実世界の形を保っている切なさ漂う寓話です。架空の飲料フレッシーから漂う昭和感。カバのぽち子が漂わせる童話感。そして過ぎ去ってしまった過去をさらいながら読む我らの寂寥感。心から血を流すような悲しみも、抜ける青空のような喜びも無い淡々とした物語はまさに小川洋子節だと思います。 装丁が素晴らしく、読みながらその表紙、裏表紙、見返しなどを時々眺めながら、頭の中に2人の少女とカバのぽち子の姿を思い浮かべながら読むのがお勧めです。

Posted byブクログ

2018/11/17

母と子で暮らしていた少女が経済的な事情で親戚の家に1年預けられることになったが、その親戚の家が少し変わっていて…という、日常でありながら空想の世界の出来事のようなちょっぴりファンタジーな物語。挿絵もとてもカラフルで可愛い! 平凡な主人公とお姫様みたいな女の子、という一見嫉妬心が...

母と子で暮らしていた少女が経済的な事情で親戚の家に1年預けられることになったが、その親戚の家が少し変わっていて…という、日常でありながら空想の世界の出来事のようなちょっぴりファンタジーな物語。挿絵もとてもカラフルで可愛い! 平凡な主人公とお姫様みたいな女の子、という一見嫉妬心がわきそうな設定、家族もそれぞれ事情を抱えていたりするのに、皆とてもやさしく魅力的で全く嫌味さがないのは、主人公の視点がが本当に優しくて慈愛に満ちているからなんだろうなとおもう。心があったかくなる優しいお話でした。

Posted byブクログ

2018/08/09

主人公は中学生 YAに分類かなって思ったけど とってもノスタルジー 大人が読む本かもしれない 回想的な文章が少し切ない どなたのおすすめ本だったか?手に取ってみたらこの辺りが舞台になってる 少し前の時代の芦屋付近を散歩している気分 ジャコビニ流星群の時代は、あんまり覚えていない...

主人公は中学生 YAに分類かなって思ったけど とってもノスタルジー 大人が読む本かもしれない 回想的な文章が少し切ない どなたのおすすめ本だったか?手に取ってみたらこの辺りが舞台になってる 少し前の時代の芦屋付近を散歩している気分 ジャコビニ流星群の時代は、あんまり覚えていないけれども 昔に帰って小さい子どもの時の自分を思いました 久しぶりに実家の家族と会って話したせいもあるかな

Posted byブクログ

2018/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

先生の既読作においてはどこかドキュメンタリーの感触があった。モデル、もしくは原体験がもとになっているのだろうか。描かれる1972年の出来事は現実であり、自分と同年代であるため、いっそう書かれている芦屋の屋敷内での世界観が幻想的に感じられた。足長おじさん、赤毛のアン、アルプスの少女など、いわゆる少女文学が基調ではあるが、好きではあるのだ。

Posted byブクログ

2017/12/15

舞台が馴染みのある場所で、主人公がほぼ同年代なんで、懐かしさを持って読むことができた。芦屋の邸宅やコビトカバなど、俗人とかけ離れた生活でありながら、全く嫌味を感じることなく、共感できるところが多いのは、すごいと思えた。

Posted byブクログ

2017/06/06

久方ぶりに読みましたが、随分と内容も設定も若い。この作家の特徴である死についてもまだ主人公自らに起きるものとは描きこまれていない。子供が主人公というのも手伝っているのかもしれないけれど、おそらく作家の年齢も影響していると思われ。 また、挿絵もなかなか良いのですが、今回改めて気付い...

久方ぶりに読みましたが、随分と内容も設定も若い。この作家の特徴である死についてもまだ主人公自らに起きるものとは描きこまれていない。子供が主人公というのも手伝っているのかもしれないけれど、おそらく作家の年齢も影響していると思われ。 また、挿絵もなかなか良いのですが、今回改めて気付いたのは、小川洋子は好きなスポーツ選手とスポーツへの描写が詩的ですな。特に猫田選手の讃歌は良い意味で偏執的と言えなくもない。でもとにかく愛が詰まっていて、読んでいて気持ち良いんですよね。

Posted byブクログ

2017/02/18

学校へ通う母と別れて過ごすことになった、豪邸の伯母一家と朋子の1年あまりの思い出が描かれたお話 世俗離れした豪邸や、カバのポチ子、幸せな家庭の他にもうひとつ家庭を持つ伯父さん、お酒やタバコとともに誤植探しへさ迷う伯母さんなど… 小川さんが描くこれらの人々は、一風変わったところが...

学校へ通う母と別れて過ごすことになった、豪邸の伯母一家と朋子の1年あまりの思い出が描かれたお話 世俗離れした豪邸や、カバのポチ子、幸せな家庭の他にもうひとつ家庭を持つ伯父さん、お酒やタバコとともに誤植探しへさ迷う伯母さんなど… 小川さんが描くこれらの人々は、一風変わったところがたくさんあるのに、みんな寂しさを抱えながらも魅力的に描かれていました マッチ箱の物語も、ミーナの寂しさや葛藤が感じられる存在でしたが、わかち合える存在の朋子と出会えたことで、ミーナが次のステップに進んでゆく姿が印象的でした 挿し絵がどれもマッチ箱のようなレトロであたたかみのあるもので、お話をさらに素敵にしてくれています 『現実が失われているからこそ、私の思いではもはや、なにものにも損なわれることがない』

Posted byブクログ