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蛇にピアス の商品レビュー

3.2

472件のお客様レビュー

  1. 5つ

    52

  2. 4つ

    108

  3. 3つ

    162

  4. 2つ

    77

  5. 1つ

    20

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2024/10/06

あっという間に読み終わってしまった。痛い、、、全く違う世界の話のはずなのに漂う親近感はなんだろう。とにかくルイはアマのことが好きで、刺青も入れたし、舌ピもした。でもそんな存在がいなくなったら空っぽになってしまったなんて一言で語れる代物ではないことは確か。犯人がわかってからのルイの...

あっという間に読み終わってしまった。痛い、、、全く違う世界の話のはずなのに漂う親近感はなんだろう。とにかくルイはアマのことが好きで、刺青も入れたし、舌ピもした。でもそんな存在がいなくなったら空っぽになってしまったなんて一言で語れる代物ではないことは確か。犯人がわかってからのルイの心情が複雑すぎるよ、、

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2024/10/03

とんでもないものを読んでしまったという衝撃。 自分からは遠い世界の話なのに、ちゃんと地に足ついてる現実身がありだからこそ痛い。ずっと痛い。苦しいのに、先を知りたくなる。最初から最後までずっと惹きつけられ、1秒も飽きさせずに終わる。読み手を選ぶ過激な内容ではあるけど、個人的には好き...

とんでもないものを読んでしまったという衝撃。 自分からは遠い世界の話なのに、ちゃんと地に足ついてる現実身がありだからこそ痛い。ずっと痛い。苦しいのに、先を知りたくなる。最初から最後までずっと惹きつけられ、1秒も飽きさせずに終わる。読み手を選ぶ過激な内容ではあるけど、個人的には好きでした。

Posted byブクログ

2024/09/20

【2024年180冊目】 スプリットタン――舌にピアスを刺し、徐々に穴の大きさを拡張させて、最後には舌を二つにわけ、まるで蛇さながらの舌になる。クラブでアマと出会ったルイは、彼に連れられ、スプリットタンの第一歩を踏み出す。舌に空いた穴が拡張するにつれ、ルイの心の穴も大きく、精神も...

【2024年180冊目】 スプリットタン――舌にピアスを刺し、徐々に穴の大きさを拡張させて、最後には舌を二つにわけ、まるで蛇さながらの舌になる。クラブでアマと出会ったルイは、彼に連れられ、スプリットタンの第一歩を踏み出す。舌に空いた穴が拡張するにつれ、ルイの心の穴も大きく、精神も揺らぎ始めていくが…。 ようやく読みました、金原ひとみさんが19歳の時に書かれ、芥川賞に輝いた作品です。血と暴力とセックスに塗れた作品といえば、読んだ方は「それはそうね」と納得して下さるような気がしますが、同時に若者の感情や感性を、全ては書かないことで描き切った作品だとも言えるな、と村上龍さんの解説を読んで納得しました。 作中でルイはずっと「わからない」を意識し続けていて、物語が終焉に向かっても、何かが解決して光明を見い出せるようにはなっていません。結局この物語はなんだったのだと思う方もいるかもしれませんが、過程にある毒々しいまでのリアルさには息を呑んでしまったのではないでしょうか。 謎を残したまま物語は終わってしまいますが、同時にエグいほどの余韻を残してくる作品です。

Posted byブクログ

2024/09/04

 鮮烈! 内容はかいつまんで知っていた部分もあったけれど、とても良かった。金原ひとみさんの作品はいつだか『軽薄』を途中まで読んで、その時にも鮮烈さに衝撃を受けた記憶がある。村上龍も解説に書いていたように、現実とのヒリヒリするような距離感、という意味での鮮烈だ。その鮮烈に、真正面か...

 鮮烈! 内容はかいつまんで知っていた部分もあったけれど、とても良かった。金原ひとみさんの作品はいつだか『軽薄』を途中まで読んで、その時にも鮮烈さに衝撃を受けた記憶がある。村上龍も解説に書いていたように、現実とのヒリヒリするような距離感、という意味での鮮烈だ。その鮮烈に、真正面から殴られたような気分だ。痛くて切なくて、たまらなくて、読後、家の中のどこにいてもふとした時に涙が出る。  論理性と感情的であることは反対にあるとされる。通常、現実に近づけば近づくほど論理性は失われて、感情的であることが主を占めるように見える。きっと、感情的であることの中に論理性が上手い具合に混じった雰囲気を現実というのだろうけど、私たちにとってそれを証明することは難しい。証明しようとすればどうしても論理性に寄って、感情的であることは切り捨てがちだ。そのことを、どこか受け入れなければいけないという諦めが私たちにはあると思う。論理は書いたから、感情的な部分は行間から読み取ってね、と言うように。文学とは、この諦めに抗って、いい塩梅を探すことそのものであると私は思っている。そしてその抗いには、しばしばもどかしさが付き纏う。  この作品は、現実に寄りすぎて、いえ、あるいは現実的でない部分がどこかにあるからなのか、はち切れるような感情的の裏に非常に洗練された論理性が見える。これはもどかしさから解放されていると言ってもいいくらいの、清々しいほどのいい塩梅だ。感情的であることのピースたちと論理性のピースたちを合わせて、きっかりぴったりジグソーパズルの作品が一個出来上がる感じだ。この感覚が本当に気持ちいいし、何をどうしたらこんな風に書けてしまうんだという感想も出る。  また涙が出るからこの辺にしておく。今日は3人のことを祈りながら眠るだろうと思う。

Posted byブクログ

2024/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作品の名前はずっと前から知ってた。 若者の恋愛模様がリアルに書かれてる小説が読みたくなって、ふと思い出したのが読んだきっかけだった。 こういう本が読みたかった、という意味では思った通りの作品だった。恋愛をテーマにした作品は、どうしても「恋愛」が美化されがちだが、蛇にピアスは現実を疑似体験できるような描写ばかりで、私は好きだと思った。 とはいっても、ルイたちの日常は自分のものとはかなり遠く、ところどころグロテスクなシーンも多かった。 出会い方から結婚まで、色んな恋愛があるのだなぁということに安心を得てみたり、人の性癖をこんなに身近に感じられるのも面白かった。 また、他の人の感想を読んでいると、世の中の性癖への理解って薄いんだなと感じさせられた。 キレると人を殺してしまうほど衝動が抑えられない人の性癖がノーマルで、 一見まともな感覚を持ってそうな人の性癖は、、。 ルイたちの「死」に対する価値観も、共感できる部分と考えさせられる部分があった。特にアマの死は私には衝撃的だった。アマの死と死因を鑑みると、もう一度「恋愛と性癖」を考えさせられるというか、物語を読み進めながらぐるぐる思考が循環するような作品だった。 最後の衝撃が大きかったせいか読み終わって2日ぐらい色んな感覚が頭から離れず、やっと今この感想を書くに至ってます。 金原さんの他の作品も読んでみたいなと思いました。

Posted byブクログ

2024/08/20

自傷行為だけども、その表現がとても素敵に思わせてくれる。 人の恋愛表現はそれぞれで、それのカルチャーを咎めれる人なんていないと思えた。

Posted byブクログ

2024/08/10

ルイ(主人公)の身体改造を主軸に2人の男との関係を書き表した物語。愛と性と死と絶望。 全てを知ったルイはどんな感情を抱いたのか…それはおそらく作者もルイも分からないし、私が理解できる範囲を超越している。登場人物が全員幸せだったなら良いな。 この世界も埋め立てだったり焼畑だったり環...

ルイ(主人公)の身体改造を主軸に2人の男との関係を書き表した物語。愛と性と死と絶望。 全てを知ったルイはどんな感情を抱いたのか…それはおそらく作者もルイも分からないし、私が理解できる範囲を超越している。登場人物が全員幸せだったなら良いな。 この世界も埋め立てだったり焼畑だったり環境を改造しているな〜。 登場人物の感情などを明言する場面はそう多くなく、私たちの解釈次第でいろんな色を持つ一冊だと思う。 19歳でこの作品を執筆した作者には驚きとちょっとした恐怖まで感じる作品でした。

Posted byブクログ

2024/07/13

痛い痛い痛い!と思って読み始めたら、意外に引き込まれて面白かった。昔漫画版を読んだものの全く記憶に残っていなかったが、読み終わったらなんとなく思い出した。 これ、どうやって映画化したんだろう。 今年のナツイチにも入っているようだ。すばる文学賞からの芥川賞って珍しい気がする。

Posted byブクログ

2024/07/05

こ、こわい。19歳が書いたというには、あまりにもバイオレンス。作者の実体験かと疑いたくなる筆致。あまりに毒気が強くて、村上龍が絶賛するのも納得。怖かったし痛かった……。

Posted byブクログ

2024/06/26

なんか悲しくなっちゃった なにも分からない犯人も判明しない無念とか放念とかあるんだけど深堀しない ほんとにルイにしか分からないことを書いてるルイに分からないことは私たちにも分からないそれでこの世界はおしまい。そんなのが悲しいんだ

Posted byブクログ