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重力ピエロ の商品レビュー

3.9

2488件のお客様レビュー

  1. 5つ

    673

  2. 4つ

    865

  3. 3つ

    624

  4. 2つ

    108

  5. 1つ

    28

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2022/04/29

春が二階から落ちてきた。 インパクトのある冒頭と最終行。 同じ分でも受ける印象が違う。 何が正義で何が悪なのかを考えさせられる内容。 癌を患いながらも強く優しい父親がかっこいい 俺に似て嘘をつくのが下手くそという一文に全てが詰まっているような気がした。 遺伝子をよりも大切...

春が二階から落ちてきた。 インパクトのある冒頭と最終行。 同じ分でも受ける印象が違う。 何が正義で何が悪なのかを考えさせられる内容。 癌を患いながらも強く優しい父親がかっこいい 俺に似て嘘をつくのが下手くそという一文に全てが詰まっているような気がした。 遺伝子をよりも大切なのは絆 でもやっぱり春が放火犯か・・・ってなってしまった。

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2022/04/24

本編の合間合間に番外編が入ってるみたいな構成で最初は慣れなかったけどだんだんテンポがつかめてきました。 この兄弟の会話、高尚すぎて「こんな日常会話する人見たことない」って感じで面白かったです。 冒頭とラストが同じ1文でしたが受ける印象が全く違くて素敵でした。

Posted byブクログ

2022/04/23

冒頭の一文がすごい、しゃれている。 そしてラストもそうくるのか。春がとても魅力的に描かれていた。爽やかで、純粋すぎる怖さ(一言では言い表せない)。見守る兄、泉水と素敵な両親。 犯人は早い段階で分かったが、話の肝はそこではない気がした。なぜ?そこまでの心理描写を求め、中盤から面白く...

冒頭の一文がすごい、しゃれている。 そしてラストもそうくるのか。春がとても魅力的に描かれていた。爽やかで、純粋すぎる怖さ(一言では言い表せない)。見守る兄、泉水と素敵な両親。 犯人は早い段階で分かったが、話の肝はそこではない気がした。なぜ?そこまでの心理描写を求め、中盤から面白くなってきた。 重くて難しいテーマなのに、暗くならない独特の雰囲気は伊坂さんの特徴なのだとすごく伝わった作品でした。 遺伝子や芸術等専門分野の知識が、会話やストーリー展開に織り込まれていた(全部メモすれば勉強になったでしょう)。 また、犯罪者が受けるべき罪について考えさせられた。 染色体や、遺伝、血の繋がりであるとか、軽々と飛び越えた父。父の、そして男ばかりの家族の連帯感。 「遺伝子、関係ねぇ!」 これは最強の家族の物語。 これだけピュアな家族なのに、結果的に幸薄い感に胸を締め付けられそう。ラストの方、クエスチョンなところもあったけれど。全体の物語の流れとして、この空気感が好きだなと思いました。 楽しそうに生きてればな、地球の重力なんてなくなる。 「二人で遊んできたのか?」父親の口癖にほろりとくる。

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2022/04/26

私的には伊坂作品2作目でしたが、アヒルと鴨の〜より大分よかったです。2作目で、伏線の回収の仕方とかわかるので、ミステリー的には平易。すぐに犯人や登場人物の正体は分かります。主人公兄弟の挿話が秀逸で、おしゃれで切なくて良かったです。レイプとか性的欲望など、聞くだけで不快感を感じるこ...

私的には伊坂作品2作目でしたが、アヒルと鴨の〜より大分よかったです。2作目で、伏線の回収の仕方とかわかるので、ミステリー的には平易。すぐに犯人や登場人物の正体は分かります。主人公兄弟の挿話が秀逸で、おしゃれで切なくて良かったです。レイプとか性的欲望など、聞くだけで不快感を感じることがテーマの一つになっており、最初の方は不快感感じましたが、このことを扱おうという作者さんの挑戦心を感じました。

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2022/04/19

それぞれ見出しのあるタイトルに沿った物語がいくつも続き、コミカルかつ軽快に物語がなぞられていく家族の物語。黒澤が登場するのも評価が高い。 「さようなら、が言えるのは、別れの辛さを知らない者の特権」けどさようなら、が言えずに旅立たれるのは寂しいよ。 最後、さまざまなことが明らか...

それぞれ見出しのあるタイトルに沿った物語がいくつも続き、コミカルかつ軽快に物語がなぞられていく家族の物語。黒澤が登場するのも評価が高い。 「さようなら、が言えるのは、別れの辛さを知らない者の特権」けどさようなら、が言えずに旅立たれるのは寂しいよ。 最後、さまざまなことが明らかになり、426ページに差し掛かったとき、これが伊坂作品のテンポの良い面白さがあり、さらに読む手が止まらなくなる。 「お前は俺に似て、嘘が下手だ」 やっぱ父は偉大なんだな。重力すらも感じさせない。本当の家族って素敵だな、と思える作品でした。

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2022/04/16

中盤あたりから話の行方が見えてしまう感じがして、この本の世界に没入できなかった。 おなじみの黒澤が出てくるのはいい。

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2022/04/09

「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」 この言葉のとおり強姦、血の繋がらない家族、放火、殺人…と重たい内容なのにもかかわらず、あっさり話が進んでいく。 読みやすいといえば読みやすいが、あまりにも平坦なので、私はかえって読みにくかった。育児の合間に読むものではなかったか...

「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」 この言葉のとおり強姦、血の繋がらない家族、放火、殺人…と重たい内容なのにもかかわらず、あっさり話が進んでいく。 読みやすいといえば読みやすいが、あまりにも平坦なので、私はかえって読みにくかった。育児の合間に読むものではなかったかな…。読むタイミングに失敗。 泉水と春の両親の会話が、この物語の肝だと思う。 「ふわりふわりと飛ぶピエロに、重力なんて関係ないんだから」 「そうとも、重力は消えるんだ」 「楽しそうに生きてれば、地球の重力なんてなくなる」 「その通り。わたしやあなたは、そのうち宙に浮かぶ」 家族が背負う重たい闇。けれども楽しそうに生きていれば、その重荷なんてなくなってしまう。 "家族"であるからこそ、重荷を忘れさせるかのように楽しく振る舞う。重荷がなくなるように祈って、道化になる。 遺伝子を超越する絆の物語でした。 「まっすぐに行こうと思えば思うほど、道を逸れるものだからね。生きていくのと一緒だよ。まっすぐに生きていこうと思えば、どこかで折れてしまう。かと言って、曲がれ曲がれ、と思ってると本当に曲がる」 「人は目に見えるもので簡単に騙される。一番大事なものは目に見えない、という基本を忘れているんだ」 「どんな事柄にも意味があると思うのは、人間の悪い癖だよ。」

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2022/04/07

「伊坂幸太郎」の『重力ピエロ』を読みました。 「伊坂幸太郎」は、嫁さんが観ていた映画『アヒルと鴨のコインロッカー』(原作「伊坂幸太郎」)を断片的に観て、気になっていた作家なんですよね。 嫁さんが知人から借りて読んでいたので、又借りして読ませてもらいました。 -----sto...

「伊坂幸太郎」の『重力ピエロ』を読みました。 「伊坂幸太郎」は、嫁さんが観ていた映画『アヒルと鴨のコインロッカー』(原作「伊坂幸太郎」)を断片的に観て、気になっていた作家なんですよね。 嫁さんが知人から借りて読んでいたので、又借りして読ませてもらいました。 -----story------------- 半分しか血のつながりがない「私(和泉)」と、弟の「春」。 「春」は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。 ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う「私」の勤め先が、何者かに放火される。 町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。 連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた「春」の危うさは、やがて交錯し…。 ----------------------- 「伊坂幸太郎」作品は、初めて読んだのですが、何だか不思議な魅力を持った作品でしたね。 ちょっぴり(とても… かな)変わった個性ある登場人物の非常識な行動を、拒絶せず、違和感を感じながらも、比較的自然に受け入れられるんですよねぇ。 理由はわからないのですが、、、 自分とは全く違う環境で育ち、全く異なる性格・性質を持った登場人物の気持ちが理解できる… そんな感じで、愉しく読めました。 「春」と「葛城」の対決シーンでは、思いっ切り「春」に感情移入してしまい、、、 手に力が入り、悲しみや苦しみや辛さを感じながら読み進んでしまいました。 グラフィティーアート(落書き?)や連続放火事件の犯人とその動機、そして「葛城」の正体は、読み進むうちに、だいたい見当がついたので、謎解き的な楽しみは、あまり感じませんでしたが、、、 ガンジー語録や桃太郎の新解釈、ネアンデルタール人とクロマニヨン人の違い等々の数多くの引用や比喩は、なかなか興味深く、楽しめましたね。 「春が二階から落ちてきた。」という幕開けと幕切れ。 なかなか印象的でした。 嫁さんによると映画も良かったらしいので、機会があれば観てみたいと思います。

Posted byブクログ

2022/04/07

泉水、春、父、母の血の繋がりや遺伝子のみでは生まれないような家族間の愛しさがあった。この4人の関係性や、泉水・春兄弟の関係性と会話が良かった。 悪役が悪役に振り切られているところとか、夏子の立ち位置など含めて無駄な登場人物がいないなという印象がすごくあって、全てのキャラクターが上...

泉水、春、父、母の血の繋がりや遺伝子のみでは生まれないような家族間の愛しさがあった。この4人の関係性や、泉水・春兄弟の関係性と会話が良かった。 悪役が悪役に振り切られているところとか、夏子の立ち位置など含めて無駄な登場人物がいないなという印象がすごくあって、全てのキャラクターが上手く立っていたのでとても面白かったです。 高校の化学基礎で少し触れたDNAの分野の知識もふわりと思い出しつつ、春の雑学にも触れつつ読めてそれも面白かった。

Posted byブクログ

2022/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

父親が違う兄弟。 それも弟の父親は強姦魔。 弟が産まれて来なければ母親は強姦されずに済んだ。 他方、母親が強姦されたからこそ弟は今存在している。 兄、弟、そして父親の苦悩を奇妙な事件を織り交ぜて描いた物語。 血の繋がりを考えた。 これまで兄弟は兄弟意識を他の兄弟よりも強く持っていたように感じられた。 しかし、血が違うのであれば容姿や才能も違う。 何か今ひとつ、その兄弟には欠けているような気がした。 終盤、父親の「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」 この言葉で2人の中にあった、足りないものが埋められたような気がした。 3人に乗しかかる重力、それを気にしていないように、至って気丈に振る舞う3人のピエロ。 「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」 辛いときにこそ笑おう。

Posted byブクログ