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重力ピエロ の商品レビュー

3.9

2481件のお客様レビュー

  1. 5つ

    672

  2. 4つ

    862

  3. 3つ

    623

  4. 2つ

    106

  5. 1つ

    28

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2022/10/28

血の繋がらない兄弟の絆を描いた作品 伊坂幸太郎特有の面白い日常会話のてんこ盛りで、そこがすきな人にはたまらない作品。 故にちょっと脱線多め。 そこらじゅうに散りばめられていたフラグが最後に次々と折られていって、これはこれでありやなーってなった。 ☆3.3

Posted byブクログ

2022/10/27
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伊坂幸太郎4作目 相変わらず何気ない会話にクスッとしてしまう。 ■遺伝子 実の親子は遺伝子を受け継いでいる以上似ている部分はあるし、繋がりは存在する。 けれど人格形成に影響するのは圧倒的に育った環境(育ての親)だと思う。 春は泉水の弟であり、葛城ではなく育ての父の子供であった。 父は血の繋がりがなくても、春と泉水を同じだけの愛情を持って育てて信頼し、二人が一緒にいることを喜んでいた。 父と同じ立場になることを想像もできないが、自分では表面上同じ愛情を注いでも、心の奥で差をつけてしまうと思う。春はすごい父に育てられた。父のすごさを見抜いた母もすごい(笑) ■罪と罰 レイプ犯は死刑が無理なら全員去勢すればいいと思う。 殺人も罪は思いが、心に大きな傷を与えて生きて行かせるというのもとても罪が重いはず。 30件近く強姦してるのにのうのうと生きていられるのは明らかに法律がおかしいだろ! 春は写真を送って反省をさせる機会を与えたのか、反省していないことを確認して心おきなく殺すためなのか分からないが、相応の罰だと思うし春は自首する必要はない! 春が殺すのを止めたとして、その後葛城が強姦をしたらその被害者は誰が助けてくれるんだ! …と、感情論では思ってしまう。 法律を作るのも裁くのも人間だから、どうしても抜け道があるんだろうけど納得のいかないことは多いなぁ… ■重力ピエロ どうやったらこういう発想になるんだろう 頭のつくりが違うなぁ…すごい これも育った環境なのか?? 伊坂さんのDNAを煎じて飲みたい 伊坂作品まだまだ読みたいものが多すぎる~

Posted byブクログ

2022/10/13

本より先にテレビで映画を観た。あるあるではあるけど、内容が若干異なる。 兄・泉水と、その母が少年犯罪でレイプされて生まれた弟・春の兄弟。重いテーマだけど、春の「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」の言葉の通り、あまり暗さを感じさせず、不思議なユーモアで包まれた作品だっ...

本より先にテレビで映画を観た。あるあるではあるけど、内容が若干異なる。 兄・泉水と、その母が少年犯罪でレイプされて生まれた弟・春の兄弟。重いテーマだけど、春の「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」の言葉の通り、あまり暗さを感じさせず、不思議なユーモアで包まれた作品だった。 最初から最後まで、春がどれだけの苦悩を日々抱えながら生きてきたのかが分かるのは辛いところ。 こういうことなら、このままずっと逮捕されないで欲しいと思ってしまう。

Posted byブクログ

2022/10/12
  • ネタバレ

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血の繋がりが無くても、それ以上に深い繋がりを持った兄弟。 物語の中盤から、なんとなく真実はこういった内容なのかな、と思う部分はあったが、それでも言葉一つ一つの表現が好きで読んでいて楽しかった。 結果として、真実と想定通りの結果だったが、 それでも深い部分での理由や動悸にまで辿りつけなかったので読んでいて最後まで楽しかったし 何より兄弟間の会話が凄く心地よく感じた。

Posted byブクログ

2022/10/09
  • ネタバレ

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事件の真相を追っていくとともに、兄弟愛、親子愛も同時に感じられました。「おまえは俺に似て、嘘が下手だ。」にはウルっときました。血の繋がり=親子ではないんだなあと。伊坂さん著書はこの本が2冊目ですが、言い回しが素敵だと感じたので、他のも読むのが楽しみです。

Posted byブクログ

2022/10/05

伊坂幸太郎さんらしい、なんとも回りくどい文体で、二人の兄弟も、どことなく奇妙な感じ。弟の春にふりまわされているようだけれど、兄の泉水の、内に秘めた感情が露になったとき、二人とも、とても人間らしくうつりました(うまく表現できませんが…)。解説にもありましたが、家族の小説、兄弟の小説...

伊坂幸太郎さんらしい、なんとも回りくどい文体で、二人の兄弟も、どことなく奇妙な感じ。弟の春にふりまわされているようだけれど、兄の泉水の、内に秘めた感情が露になったとき、二人とも、とても人間らしくうつりました(うまく表現できませんが…)。解説にもありましたが、家族の小説、兄弟の小説なのだな、と思いました。

Posted byブクログ

2022/09/27

伊坂幸太郎はラッシュライフ、グラスホッパー等を読んでどれも割と楽しんだけど、これは今一つの感想です。 疾走感とかパズルがカチっと嵌って行く感じが好きだったんですが。

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2022/09/27

重 登場人物たちの台詞がとても知的で気が利いているのが鼻につくが、でも「春」のミステリアスな魅力と、兄「泉水」のクールさ、「母」の美しさと、「父」の人柄に救われる。 ただガンジーやジョルジュ・バタイユの引用や、ネアンデルタール人とクロマニヨン人の違い、そして何より遺伝子に関する理...

重 登場人物たちの台詞がとても知的で気が利いているのが鼻につくが、でも「春」のミステリアスな魅力と、兄「泉水」のクールさ、「母」の美しさと、「父」の人柄に救われる。 ただガンジーやジョルジュ・バタイユの引用や、ネアンデルタール人とクロマニヨン人の違い、そして何より遺伝子に関する理屈っぽい会話群をもう少し抑え、我々みたいな普通の人間的な要素も絡めてくれると、もっと親しみを持って読み進められたと思う。 でもジャズや映画、NBA、絵画、文学、花言葉などが散りばめられているのも好きなので困る。 だからじっくり読んでしまう。そんな小説。

Posted byブクログ

2022/09/26

冒頭の1文が良すぎて、読者はこの1行で一瞬にして物語に入り込む。 伊坂幸太郎の巧みな言葉遊びや仕掛けは次々と繰り出される。 アートと遺伝子のルールという大きな謎解きは勿論の事だが、それ以外に、 ジョーダンバット、両方とも英語でスプリング、仁リッチ、夏子さん、クロスワードの権化…他...

冒頭の1文が良すぎて、読者はこの1行で一瞬にして物語に入り込む。 伊坂幸太郎の巧みな言葉遊びや仕掛けは次々と繰り出される。 アートと遺伝子のルールという大きな謎解きは勿論の事だが、それ以外に、 ジョーダンバット、両方とも英語でスプリング、仁リッチ、夏子さん、クロスワードの権化…他にも沢山家族の逸話が登場する。 兄弟ならではの言い回しや、家族でしか通じない呼び名など、それらが明かされる事で、私達読者は、この家族が如何に仲良く楽しげに生活し、信頼を持ってお互いを尊重している事を、自然と感じ取ってゆくことが出来る。 と同時に、私達読者も彼らに対する親近感が生まれ、この愛すべき一家に心を捕まれてしまう。 こういうところ、重力ピエロに限らず、伊坂さんは本当に上手い。 泉水と春らの家族には辛い過去の呪縛があるけれど、時折軽いジョークを挟みながら兄弟の会話がテンポ良く進む。 それ故、後半に向かうにつれ不穏な空気が漂い始めるにも関わらず、どこか爽やかささえ感じてしまう。 彼らの両親も魅力的な人物。 特に、お父さんが本当に素敵。 重力ピエロというタイトルが示す意味合いも、サーカスのシーンでお父さんの口から語られる。 そしてラスト間際、父は、泉水と春の兄弟を救う最高の台詞を残す。 この家族は、悲しい現実をしっかりと受け止めながらも、軽いジョークと笑顔と信頼という結束で、しなやかにかわしながら生きて行く。 でもどうしても、何らかの形で決着をつけなきゃならなかった。 その方法は世の中のルールとしては間違っている。 けれど泉水は「俺たちは許す」と言うのだ。 このラストの「許し」を読者もすんなりと受け入れる事が出来るか。 それは物語を読み進めてゆく中で、読者がどれ程この一家に気持ちを震わせ、キャラクターたちを愛しく思えているか…で違ってくる部分があると思う。 この「許し」にリアリティーを持たせる為の伊坂マジックが、冒頭の1文然り、作品の至るところに仕掛けられている家族の逸話や呼び名エピソードたちなのだと思う。 重いテーマを扱いながらも、何故か読後感が爽快であることも、伊坂さんの文才だと思う。 後に映画も見たのだが、その時はやはり後半が、当たり前だが生々しくて見ていると辛かった。 キャスティングが秀逸で、皆、小説のシーン・イメージのままだったけれど。 余談だが、「重力ピエロ」に登場する探偵(本業は別にあるのだが)黒澤とは、他の幾つかの作品でも会うことができる。 伊坂作品の醍醐味は、ばら蒔かれた伏線の見事な回収に加えて、魅力的な登場人物達の作品間のリンクにもある。 他にも、知的で軽快な会話シーン、敢えて「にやりレベル」のジョーク、ストーリー展開の小気味いいテンポ…挙げだしたらキリがないのだけれど。

Posted byブクログ

2022/09/21

最後はジンとする終わり方。最後の方、伏線を回収し始める辺りからページをめくる手が止まらなくなる。 春を脳内でめちゃくちゃ美少年に変換して読んでたから楽しかった。

Posted byブクログ