重力ピエロ の商品レビュー
結末がわかっていたような全く予想がつかなかったような自分でもわからないけど淡々と読み進めて淡々と読み終わったような感覚。 しかしまあこんなに精密で高度な仕掛けを専門分野を習っている人がなんとか理解できるような事柄を本業小説家がなんなく考えつくのは脱帽案件。
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先読みすることもなく、物語が進むのと同時に真相に近づいていくことができ、読んでいて心地良かった。「春が二階から落ちてきた」という同じ一文に一度目は驚き、二度目は感嘆という衝撃を受けた。伊坂さんの物語の構成が好きです。
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伊坂さん作品はのらりくらりとした登場人物が多いように個人的に思います。そのせいか、本文にも独特な表現が多いと感じます。そこが伊坂作品に私が引き寄せられてしまう一つの理由なんだと思います。しかし、私の読解力が足りないのか、それとも話を読むペース配分が下手くそなのか、自分の中に文章が...
伊坂さん作品はのらりくらりとした登場人物が多いように個人的に思います。そのせいか、本文にも独特な表現が多いと感じます。そこが伊坂作品に私が引き寄せられてしまう一つの理由なんだと思います。しかし、私の読解力が足りないのか、それとも話を読むペース配分が下手くそなのか、自分の中に文章が溶けてくる前に先へ先へと読んでしまうクセが私にはあるようです。だから、私は必ず物語の最後の項目にある「あとがき」や「解説」なんかはちゃんと読む派です。そこで「ああ!あそこはそういう意図があったのね」なんてプチ答え合わせをするのも少し楽しかったりします。 今回も自分の力だけでは噛みきれなかった部分を消化することができました。特に、主人公「私」の弟である「春」の動きが読み取りづらく、だからこそドキドキしながら話を読み進めることができたのですが、私の中では「春」に霞みがかかったままでした。しかし、最後の解説を読んで主人公の「私」だけの心情が噴出されているということを気付かされ、「なるほどねぇ!」とモヤを晴らすことができました。 「家族に形はない」だとかどこかで聞いたことがあるような薄いセリフだけでは片すことのできないお話でした。冒頭の「春が二階から落ちてきた」から始まり、やはり「春が二階から落ちてきた」で終わる。なんともエモかった…。
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春が二階から落ちてきた。 おしゃれすぎる冒頭。伊坂数作品目だから読めたけど、初めにこの本を手に取ってたらセンス酔いしてきつくなりそう笑 めちゃくちゃ伊坂 タイトル重力ピエロにするセンスもすごい 重力を感じさせない春とピエロがリンクしてるのか? 父親の懐の深さに目の奥がグッとなった...
春が二階から落ちてきた。 おしゃれすぎる冒頭。伊坂数作品目だから読めたけど、初めにこの本を手に取ってたらセンス酔いしてきつくなりそう笑 めちゃくちゃ伊坂 タイトル重力ピエロにするセンスもすごい 重力を感じさせない春とピエロがリンクしてるのか? 父親の懐の深さに目の奥がグッとなった 母が男性への恐怖に打ち勝とうとする競馬のシーンもグッときた 家族愛といえば平凡だけど、平凡じゃない関係だからこそ家族みんなが家族みんなを大切に思って、愛が生まれてるなと感じた
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「春が二階から落ちてきた。」 冒頭が有名ですよね。伊坂らしい軽やかな文章と誰一人無駄にしない作品構成が見事でした。 「反省はしないし、罪悪感も感じていない」 「そんなことを感じるくらいだったら、はじめからやらなければいいんだ」 の静かな気迫に押されました 伊坂の語る善悪がもっと知りたくなります
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春が二階から落ちてきた って始まり方お洒落〜って思ってたら、終わりも同じ言葉だった。 さすが、伊坂さんの作品は洒落ている。 言い回しや言葉選びが秀逸で、説明している文章ひとつ取ってもお洒落。 至る所にセンスが散りばめられていて、他とは違うよなぁと読み始めてたった数ページで感じる。 でも正直にいえば、私みたいな単細胞な脳みそを持つ者にとってはちょっと小難し過ぎて、「なんかお洒落だった」以外の感想が浮かばないのよね… 母親がレイプされて生まれた子であることへの怒りとか、遺伝子を越えていく親子の絆とか、悲しみとか殺意とか不安とか、そういったものが形がわからないように包まれているようなもどかしさがあって、なんていうか、心にずーんとこなかった。 セリフを言っている時の登場人物の表情が想像できないというか。 でもこの独特な雰囲気が伊坂さんらしくて素敵だし、小説を楽しむ醍醐味というか、映像では感じることのできない種類の感動があると思う。 私には難しくて理解しきれていないだけで。 読者にきちんと読解力と想像力があれば、めちゃくちゃ面白い作品なんだろう。 ストーリーは途中でおおよそ察しがつくので、伊坂作品の中では驚きは少ないかな?
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「「この間、車で通った寺の脇の看板にこう書いてあったよ。『まさか、楽するために生まれてきたんじゃあるまいな』」「怖いな、それ。赤ん坊が聞いたら、泣く」「でも、その通りだと俺は思うよ。生きるってことはやっぱり、つらいことばっかりでさ、それでもその中でどうにか楽しみを見つけて乗り越えていくしかない」」 「「人間はさ、いつも自分が一番大変だ、と思うんだ」「何のことだ」「不幸だとか、病気だとか、仕事が忙しいだとか、とにかく、自分が他の誰よりも大変な人生を送っている。そういう顔をしている。それに比べれば、あの鳩のほうが偉い。自分が一番つらいとは思ってもいない」春は小さく笑う。「俺よりも、何倍も偉いよ」」 「ジャージ先生は子供たちに挨拶をしている。無邪気に、「さようなら」と言っている子供たちは可愛らしかった。気軽に、「さようなら」が言えるのは、別れのつらさを知らない者の特権だ、と私は思う。」
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無駄に長く感じた。流れや結末も予想できたため、続きが気になる展開でもなく、読了にかなり時間がかかった。 この家族は好きだった。
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やっぱりよかったかな。仲がいい兄弟が、親子がうらやましい。 「お兄ちゃんと僕は最強なんだ」って言葉、いいね。 お父さんはとてもできた人間だ。尊敬に値する。
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冒頭の一文が頭から離れない。 いつもとテイストが異なる作品なのかと思ったけれど、数頁で安定の伊坂ワールドに突入した。 異父兄弟である泉水と春。 遺伝子の呪縛から解き放たれて、血縁よりも強い絆を見せてくれる。 コミカルに見えるのに、ふと悲しい気持ちにさせる。 終盤の救済の一言には思...
冒頭の一文が頭から離れない。 いつもとテイストが異なる作品なのかと思ったけれど、数頁で安定の伊坂ワールドに突入した。 異父兄弟である泉水と春。 遺伝子の呪縛から解き放たれて、血縁よりも強い絆を見せてくれる。 コミカルに見えるのに、ふと悲しい気持ちにさせる。 終盤の救済の一言には思わず泣きそうになった。
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