1,800円以上の注文で送料無料

煌夜祭 の商品レビュー

4.3

65件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2013/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冬至の夜には魔物が出るという。 魔物は人を食うが、語り部が夜通し語る話に耳を傾けている間は大丈夫。 だから、話をしよう。語り継ごう。途切れぬように。 最初の話や、その次の話などは世界観を表現するための、本筋とはあまり関係ない話かと思っていたら、どの話にもしっかり意味があった。 最後にそれが束ねられたときの、満足感。すごかった。 ファンタジーでラブストーリー。

Posted byブクログ

2013/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「これからも―お側におります。私は―貴方の魂の中に―」 内容紹介です。 十八諸島の世界を巡り、世界各地で話を集め、他の土地へと伝え歩く。それが我ら語り部の生業。冬至の夜、我らは島主の館に集い、夜を通じて話をする。それが煌夜祭――年に一度の語り部の祭。お話しよう。夜空を焦がす煌夜祭の炎壇でも照らすことの出来ない、真の闇に隠された恐ろしい魔物の物語を……廃墟となった島主の館で、今年もまた二人だけの煌夜祭が始まった――! 多崎礼のデビュー作。 これがデビュー作…。 連作短編で、ひとつひとつのお話は独立しつつも、すべてが繋がっており、一つの哀しくて切ない結末に集約されていくその様は見事の一言です。 一章だけ読んで寝るつもりが、気が付けば一気に読了していました。 複雑に絡まった人間関係。 それぞれが抱える葛藤や迷いや想い。そして後悔。 一冊の間に流れる空気はとても重苦しく、哀しく、そして切ないのに、なぜだか優しさも感じられます。 読み終わった後、胸がぎゅっと締め付けられつつも、薄く本当にほんのりと微笑みも浮かぶ。 そんな優しい物語です。 ただ、複雑に入り組んでいるが故に、そして語り部が自らの名前を最後まで明かさぬが故に、私は幾度となく『この人誰だっけ?』『この人どこに出てきたっけ?』状態に陥りました。(私が頭悪いだけ?) なので、そうなりそうであれば、簡単な人物相関図を書くことをおススメします。 私なんてすっかり性別なんかも騙されましたもん! この一冊は本当におススメです。 まだ読まれていない方はぜひ読んでみてください。 ただし、読む際は一気読みしても平気なだけの時間確保を! これは少しずつ読むのではなく、一気に読んだ方がいいと思います。 この本は私にとっての多崎礼デビュー作。 次の作品も楽しみです。

Posted byブクログ

2013/01/10

動く蒸気島たち、冬至の夜に人を食う魔物、廃墟で二人の語り部が紡ぐ物語が、真実と未来を照らして……もう、最高な小説だった!! 面白いわ、泣けるわ、細部に神は宿っているわ、大変だ!!

Posted byブクログ

2012/06/01

《古縞》 十八諸島を巡り集めた話を伝え歩く語り部。彼らは年に一度の冬至の夜に島主の館に集い、夜通し集めた話を語る。 廃墟となった島主の館で2人の語り部による煌夜祭が開かれ……。 第2回CNOVELS大賞受賞作。 受賞時の評価が結構高かったので少し期待して読みすぎたかもしれない。...

《古縞》 十八諸島を巡り集めた話を伝え歩く語り部。彼らは年に一度の冬至の夜に島主の館に集い、夜通し集めた話を語る。 廃墟となった島主の館で2人の語り部による煌夜祭が開かれ……。 第2回CNOVELS大賞受賞作。 受賞時の評価が結構高かったので少し期待して読みすぎたかもしれない。 色々な島での色んな年代の話が最終的には一つにまとまっていく。 構成が凝っていて、最後まで色々な謎を引っ張ってあるのはとても良い。予想の範囲を出ないけど。 島や人物などの固有名詞はオリジナリティがある分、頭に入ってこないので覚えにくい。 文章自体は読みやすいのだけど、一文が全体的に短いかな?でも、安心して読めるのも良い点。 キャラクターは没個性で、物語のためのキャラクターになってしまっている。 といいつつも、この話にはそんな裏が!と驚くこともあるので、その点が先を読ませる力になってるのか、最後まで一気に読めた。 世界観を文にさりげなく入れるのが上手。 ただ、話を成り立たせるために繕っている感じがあるのが一番残念。

Posted byブクログ

2012/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

十八諸島を巡り集めた話を伝え歩く語り部。彼らは年に一度の冬至の夜に島主の館に集い、夜通し集めた話を語る。 廃墟となった島主の館で2人の語り部による煌夜祭が開かれ……。 第2回CNOVELS大賞受賞作。 受賞時の評価が結構高かったので少し期待して読みすぎたかもしれない。 色々な島での色んな年代の話が最終的には一つにまとまっていく。 構成が凝っていて、最後まで色々な謎を引っ張ってあるのはとても良い。予想の範囲を出ないけど。 島や人物などの固有名詞はオリジナリティがある分、頭に入ってこないので覚えにくい。 文章自体は読みやすいのだけど、一文が全体的に短いかな?でも、安心して読めるのも良い点。 キャラクターは没個性で、物語のためのキャラクターになってしまっている。 といいつつも、この話にはそんな裏が!と驚くこともあるので、その点が先を読ませる力になってるのか、最後まで一気に読めた。 世界観を文にさりげなく入れるのが上手。 ただ、話を成り立たせるために繕っている感じがあるのが一番残念。

Posted byブクログ

2012/02/18

面白いんですけども、もうちょっとハッピーな物語が好きです。 萌えどころはエナド!エナドが一番かっこいい!

Posted byブクログ

2012/01/28

多崎礼デビュー作。 二人の語り部によって織り成される一つの物語。 今一度だけ読みましたが、もう一度読みたい。 そのほうがさらに奥深くまで入り込める作品だと思う。 次回作の本の姫を先に読んでしまったからか、今一つなにか足りない気がしてしまう。。。

Posted byブクログ

2012/01/17

表紙の雰囲気からしてライトノベル寄りなのかなーと思いきや。 これはおもしろい! 丁寧に作り込まれた世界観、短編小説にちりばめられた伏線を拾い集めてゆくと、ひとつの壮大な物語が形作られることに気付いた時の快感。 やられたー、と嬉しくなりました。 戦争や魔物といった忌わしく恐ろし...

表紙の雰囲気からしてライトノベル寄りなのかなーと思いきや。 これはおもしろい! 丁寧に作り込まれた世界観、短編小説にちりばめられた伏線を拾い集めてゆくと、ひとつの壮大な物語が形作られることに気付いた時の快感。 やられたー、と嬉しくなりました。 戦争や魔物といった忌わしく恐ろしいものがモチーフになっていますが、なぜか美しいと思いました。 最後の章では涙、涙。 もっと評価されるべき!

Posted byブクログ

2011/12/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

素晴らしい本に出会った。 読み終わった時、まずそう思った。 本を閉じて、ひとつ息をついて余韻が残る本は久しぶり。 語り部達が夜通し火を灯して語り合う煌夜祭という場で、世界の歴史の物語が順番に語られていくので、淡々と静かな印象はあるものの、ひとつひとつのお話は実に濃い。 世界の歴史がどんどんリンクしていくのがわかる瞬間がぞくっとした。 魔物の扱いは多くのファンタジーで色々語られているけれど、多崎さんのように悲しい存在だという設定が私は好きだ。 そして決して報われないだけで終わらないところも。 基本的に悲劇が大好きだけれど、こういった悲劇を含みつつ幸せになるお話も素敵! 魔物の存在理由にも個人的には非常に納得できた。

Posted byブクログ

2011/06/28

これは良かった!語り部2人がおとぎ話や昔話を順々に語っていくが、そのうち語り部自身も登場人物に含んだ、一つの歴史物語に収束する。ラストはぞぞっと鳥肌がたった。

Posted byブクログ