わたしを離さないで の商品レビュー
SF、近未来小説かと思ったら全く違ってとても深い 哲学的な問いかけをされているように思いながら読んだ。 提供者になるために生み出された生徒たち。自分の運命を漠然とわかっていても、正面から向き合って拒否する意思も持たないまま、身の回りの些事に振り回されながら一生を終えていく。 ...
SF、近未来小説かと思ったら全く違ってとても深い 哲学的な問いかけをされているように思いながら読んだ。 提供者になるために生み出された生徒たち。自分の運命を漠然とわかっていても、正面から向き合って拒否する意思も持たないまま、身の回りの些事に振り回されながら一生を終えていく。 キャシーとトミーがお互いを深く思いながら、別れを静かに 受け入れていったように、どんなに悲惨な運命であってもそれが当たり前の世界にいれば、そんなに不幸とは思わないのかもしれない。 ラスト近くで人道的な社会活動家の「救ってあげたかったけど最後はやはり他人ごと」のような冷淡さが描き出され、やりきれない感じになる。 ただ、読んでいる間中、綾瀬はるかの顔がちらついてしまい残念。このような名作の映像化って本当に罪だと思う。
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抑制された語り口に反して、残酷な内容。救いのないラストはより苦しくて、それでいて何度も読み返したくなる。架空の小説なのだけど、生きることってなんだろうって、考えてしまいます。せめてココロがなければ、幸せだったのかな。
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著者の文才にただただ感銘。 読み進めると、主人公の語りの中に、少しずつ少しずつ異質で残酷な世界が見えてくる。十代の不安定さ、友情、恋愛、そして決して逃れられない運命。すべてが色濃く詳細に描かれているわけではないので、感情移入できない人もいるかもしれない。でも、あえて事細かに説明...
著者の文才にただただ感銘。 読み進めると、主人公の語りの中に、少しずつ少しずつ異質で残酷な世界が見えてくる。十代の不安定さ、友情、恋愛、そして決して逃れられない運命。すべてが色濃く詳細に描かれているわけではないので、感情移入できない人もいるかもしれない。でも、あえて事細かに説明しないことで、それは静かに、重く、心にのしかかってくる。 映画もドラマも観ていないが、それが正解だったように思う。これは文章で読むべきだ。
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『日の名残り』で大好きになったカズオ イシグロの作品。淡々とした精緻な筆致で、とんでもない物語が展開されることに驚いた。子供時代の心の動きの描写に特に惹かれる。友達とのちょっとした競争、仲違いと仲直り、大人に目をかけてもらいたい気持ちなど、忘れていた記憶が蘇ってきた。提供、介護人...
『日の名残り』で大好きになったカズオ イシグロの作品。淡々とした精緻な筆致で、とんでもない物語が展開されることに驚いた。子供時代の心の動きの描写に特に惹かれる。友達とのちょっとした競争、仲違いと仲直り、大人に目をかけてもらいたい気持ちなど、忘れていた記憶が蘇ってきた。提供、介護人、ポシブル。あり得ない世界と言い切れないところが怖い。
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古い本かと思ったら、イギリスでも2005年の出版 これが2,30年前の作品なら素直に読めたのか。正直、舞台設定としては遅れてる感は否めなかった
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自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。 キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。 共に青春 の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。 キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら...
自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。 キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。 共に青春 の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。 キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇 妙な日々に思いをめぐらす。 図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々 がたどった数奇で皮肉な運命に……。 彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく―― 日本でドラマ化。 原作はまた深い。
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臓器提供のためだけにこの世に産みだされ管理されているクローンたち。 エミリ先生やマダムが、ヘールシャムの生徒たちに人生の意味を与えよう、心を育てようとしたことは、かえって彼らの絶望感を大きくしてしまっただけのように思う。奇跡は起こらず、本当に救いのない話。 20年以上前(?)に、...
臓器提供のためだけにこの世に産みだされ管理されているクローンたち。 エミリ先生やマダムが、ヘールシャムの生徒たちに人生の意味を与えよう、心を育てようとしたことは、かえって彼らの絶望感を大きくしてしまっただけのように思う。奇跡は起こらず、本当に救いのない話。 20年以上前(?)に、川島誠さんの「電話がなっている」を読んだときの衝撃が思い出された。
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何年ぶりかに読んだ翻訳もの。解説のとおり、予備知識ゼロで読みたかった… ドラマにハマって読んだ人、みんな後悔しているんじゃないかと、慰めあいたい気分です。 2015/5/20読了
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第一章はなかなか読み進められなく、最後まで読める気がしなかったのだけれど、二章、三章へとだんだん引き込まれました ちょっと人と違う人たちによって語られる、人らしさのお話 限られた運命、そして愛のかたち 倫理を問うのではなく、かたちをかりた純文学なのでしょう
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相方が追っかけてるので、気になっていたカズオ・イシグロ。 なんか読みにくそーとか思ってたんだけど、ドラマ化だし、そうか普遍的な話なんだなと思ってお試し読みしてみたら、とっても面白かった! 一気よみー。 めっさきゅんきゅんした-。 カテゴリSFか純文かと悩んだんだが、センパイの相方...
相方が追っかけてるので、気になっていたカズオ・イシグロ。 なんか読みにくそーとか思ってたんだけど、ドラマ化だし、そうか普遍的な話なんだなと思ってお試し読みしてみたら、とっても面白かった! 一気よみー。 めっさきゅんきゅんした-。 カテゴリSFか純文かと悩んだんだが、センパイの相方が純文と言ったので、こちらで。 恋愛小説でもあるかもしれない。
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