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わたしを離さないで の商品レビュー

4.1

395件のお客様レビュー

  1. 5つ

    157

  2. 4つ

    113

  3. 3つ

    74

  4. 2つ

    17

  5. 1つ

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2019/03/23

朝日新聞平成の30冊の2位にも選ばれ(読んだことのある作品が4冊くらいしかなくて悔しい)その他でもオススメの記事を何度か来るが見たことある本作を読んでみた。 最近のテンポいい系小説ばかり、読んできたのでこういった純文学系?(周りの描写が多くストーリーが進まない、物語の目的がすぐに...

朝日新聞平成の30冊の2位にも選ばれ(読んだことのある作品が4冊くらいしかなくて悔しい)その他でもオススメの記事を何度か来るが見たことある本作を読んでみた。 最近のテンポいい系小説ばかり、読んできたのでこういった純文学系?(周りの描写が多くストーリーが進まない、物語の目的がすぐには分からない)が読みづらい。止めちゃおうかなと思うが、途中のこの世界のあり方が分かってからは話にのめり込んだ。止めなくて正解でした。 人に勧めるか?と言われると考えてしまうが、人のあり方を考えさせられる一冊。 孤児院で暮らす主人公の女の子、物語が進むとこの孤児院がどういう存在なのか、そこで生活する子供らはどんな存在なのかが明かになり、心を打つ。

Posted byブクログ

2019/03/21

提供者間のセックスが触れられている。挿話としていい印象を受けた。謎に満ちた物語ではあるが、静謐な文体で淡々と描かれる。イシグロの代表作とのことだが、他の作品も読みたくなった。先を先をとページをめくった。かなり辞書ひいた。

Posted byブクログ

2019/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2017年ノーベル文学賞を受賞したカズオ イシグロの「日の名残り」と並ぶ代表作。 90年代のイギリスで提供者と呼ばれる患者を世話をする介護人のキャシーは、自分の育ったへーシャルムというに施設やその後を回想しながら、自分の出生の秘密や目的を紐解いていく。 ヘールシャムの「真実」とは、臓器提供のためのクローン育成場であり、驚愕の真実に向き合う子供達。オリジナルに会う旅や、提供免除の噂を信じての頑張りを通しての葛藤を描く。 クローン羊ドリーの衝撃をいち早く人間に置き換えて、抑制された文体で人間と社会の新たな関係を描き出した話題作。

Posted byブクログ

2018/06/05

臓器提供の為のクローンであるキャシー ルース トミー3人?!の友情 というより愛情の過程が、重いテーマだけど軽い調子で淡々と31歳になるキャシーの語りで進んでいく。提供者となる友人や介護人となる友人など それぞれが哀しい現実と宿命を理解せざるを得ない悲しさが伝わってくる。タイトル...

臓器提供の為のクローンであるキャシー ルース トミー3人?!の友情 というより愛情の過程が、重いテーマだけど軽い調子で淡々と31歳になるキャシーの語りで進んでいく。提供者となる友人や介護人となる友人など それぞれが哀しい現実と宿命を理解せざるを得ない悲しさが伝わってくる。タイトルでもある゛Never Let Me Go゛♪をYouTubeでたまに聴きながら一息に読了した。ひとつ前に読んだ静謐な「日の名残り」と がらっと異なる作品ですね。こちらも良かった。

Posted byブクログ

2018/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

10年以上積ん読にしていたのだけど、ようやく読み始めたら引き込まれて1日で読んだ。この積んでいた年月はなんだった(^_^;; 不穏な空気のただよう、謎めいた学園もののようなはじまりで、語り手であるキャスの記憶は行きつ戻りつし、ときには横道をたどったりしながらも、ていねいにもつれた糸をときほぐして自分たちの人生の物語を語っていく。その圧倒的な語りの力とリーダビリティに打たれた。 人生は日々の積み重ねで、その1日1日はこういう何気ないやりとりや、ちょっとした行き違いや、ささやかな喜びやなんかの集積体なのだなあと。ひとつの大きなできごとで何もかもががらっとひっくりかえったりするのではなくて、ちょろちょろとした小さな流れが積みかさなって潮流ができていくんだということがすごくリアルな肌触りで伝わってくる。 でもって、この設定の突飛さ。これ、日本だったら芥川賞候補になっても受賞できないパターンなんじゃないのか(^_^;; でもすごくリアリティがあるし、のみならず、人間っていったいなんなのかという大命題まで浮かび上がってくる。 彼女たちに「人生」はあると言えるのか、言えないのか。将来の職業を選ぶこともできず、最後は「提供」で使命を終えるしかない身ではあっても、そこには確かに生きた軌跡があった。切ないし残酷だとも思うけど、それが人生の本質かもしれないという気もしなくはない。という思いがぐるぐるめぐる本。

Posted byブクログ

2017/12/05

とりあえず、ノーベル文学賞受賞ということで義務的に読み始めました。ドラマにもなったようですが全く予備知識なく読み進めて行くと最初は靄のかかったような状態の進み具合で挫折しそうになりました。しかし、臓器移植、クローン人間、そして彼らの抱える避けられない運命、使命を知るに連れてなんと...

とりあえず、ノーベル文学賞受賞ということで義務的に読み始めました。ドラマにもなったようですが全く予備知識なく読み進めて行くと最初は靄のかかったような状態の進み具合で挫折しそうになりました。しかし、臓器移植、クローン人間、そして彼らの抱える避けられない運命、使命を知るに連れてなんとも言えない感覚にとらわれました。 悲しい運命を受け入れざるを得ない彼らが、逃げ出すことなく、したがっていく。もちろん感情はあるわけで、普通の人間と同じように生きられない彼らの悲しさが実感として伝わってくる作品だ。

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2017/12/02

はい。ミーハーで読んでみました、2017ノーベル文学賞のカズオ・イシグロ。 神林(バーナード嬢曰く。)も 「映画にもなったし超有名で世界的にも評価の高い」 と言っていたので、すごーくハードル上げて読んでみました。 淡々と語られる寮生活。 始めは普通の子供たちの話に見えるが、少...

はい。ミーハーで読んでみました、2017ノーベル文学賞のカズオ・イシグロ。 神林(バーナード嬢曰く。)も 「映画にもなったし超有名で世界的にも評価の高い」 と言っていたので、すごーくハードル上げて読んでみました。 淡々と語られる寮生活。 始めは普通の子供たちの話に見えるが、少しずつ何か世界背景に不穏なものが感じられ・・・という始まり方で、こういうのは大好き。 全編にわたって抑制のきいた語り口で、盛り上がりに欠けるといえばまあそうかな・・・。 こういうのを情緒的と思って楽しめるかどうかかな。 解説では事前情報少ないほど楽しめると言われているけど、SF文脈的には平凡なので、むしろ繰り返して読んで日常の尊さや友情について読みを深めるほうが楽しめる感じ。 読了後に表紙を見返してみた時が一番感動かも。 ああこれテープカセットか、と。

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2017/10/15

以前読んだ、「遠いやまなみの光」と「日の名残り」とはまた感じの異なる小説でした。 1990代末イギリス、現世のパラレルワールドなのか、この世界では臓器移植の提供のシステムがかなり大胆に仕組まれていました。 登場する主人公のキャッシーの回想で始まる物語ですが、彼女の仲間のトミーやル...

以前読んだ、「遠いやまなみの光」と「日の名残り」とはまた感じの異なる小説でした。 1990代末イギリス、現世のパラレルワールドなのか、この世界では臓器移植の提供のシステムがかなり大胆に仕組まれていました。 登場する主人公のキャッシーの回想で始まる物語ですが、彼女の仲間のトミーやルースなど、ヘールシャムという彼女のいる施設が一体どういう目的で、そこに存在するのか読み進まないとわかりません。若い彼らの日常生活の数々のエピソードやそこで教える先生たちの態度などを繋いでいくと、「提供」とは臓器提供のことだということが明らかになります。また彼らの生まれおちた経緯や使命も徐々にわかってきます… このように緊迫感のあるミステリアスな内容でありながら、それぞれのシーンがとても印象深く描かれています。逆らうことのできない運命を生きる彼らのその時々の心の動きや、彼らを必死に守り苦悩した先生たちの姿が脳裏に浮かび上がってくるのでした。文句なく読み応えのある作品です。

Posted byブクログ

2017/04/21

オススメコメント「外界から隔絶された寄宿舎には『特別な存在』である子どもたちが暮らしていた。彼らは成長してそこを出ると、すぐに『提供』が始まるように運命づけられていた。限られた時間の中で、友達と戯れ、人を愛し、自分を見つめ、社会の中で決められた役目を果たして死んでゆく。特別な子ど...

オススメコメント「外界から隔絶された寄宿舎には『特別な存在』である子どもたちが暮らしていた。彼らは成長してそこを出ると、すぐに『提供』が始まるように運命づけられていた。限られた時間の中で、友達と戯れ、人を愛し、自分を見つめ、社会の中で決められた役目を果たして死んでゆく。特別な子どもたちの真実とは・・・。優しく切なく、かつ心をえぐられる作品です。」

Posted byブクログ

2017/04/10

綾瀬はるか主演ドラマが良かったので原作を読んでみた。 生命とはなにかを問いかけている作品。 ドラマより淡々と進み、彼らの置かれてる特殊な境遇がわかりづらかった。 キャシーとルースがなぜこんなに一緒にいるのか半ばイライラしながら読み続けた。 やはり海外文学の翻訳ものなので心理表現が...

綾瀬はるか主演ドラマが良かったので原作を読んでみた。 生命とはなにかを問いかけている作品。 ドラマより淡々と進み、彼らの置かれてる特殊な境遇がわかりづらかった。 キャシーとルースがなぜこんなに一緒にいるのか半ばイライラしながら読み続けた。 やはり海外文学の翻訳ものなので心理表現が日本のものとは異なり表面的に思う。 先にドラマを観ていなかったら完読できなかったかも。翻訳もの苦手なので… ラストはすべてを安らかに受け入れるしはかないキャシーが切ない。 ドラマは原作に大変忠実でありながら小さなエピソードを加え細やかな脚本でよりこの特殊な生まれの人たちの悲しみに寄り添っていた。 ドラマの古着屋店主の大友康平の台詞がとても良かったのに、全くその場面がなかった。 ドラマの脚本家素晴らしい!

Posted byブクログ