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わたしを離さないで の商品レビュー

4.1

395件のお客様レビュー

  1. 5つ

    157

  2. 4つ

    113

  3. 3つ

    74

  4. 2つ

    17

  5. 1つ

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2021/07/09

これだけ現実味のない背景設定の話なのに、青春小説を読んだのと変わらない印象しかない。誰でも経験し得る子供時代のいざこざ、ガラクタ集め。「これは物語なんですよ」という前提さえ匂わせない。読み終えて一息して、洗脳の恐ろしさを感じる。

Posted byブクログ

2021/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

提供人と介護者、など何の意味だろう?という言葉が多い中、読み進めると徐々に全貌がつかめてくる。 まさか臓器提供という大きな背景があるとは思わなかった。 登場人物たちがそのことを当然のように受け止めていることが、背筋が凍る思いだった。 「それが当たり前の世界」に生きることの恐ろしさ。決して遠い話ではないと思う。

Posted byブクログ

2021/01/16

限られた時間の中で 登場人物の感情の動きが 読んでて伝わります。 すごく面白かったです。 いつまでも自分の生が続くと 思ったらいけない。 時間は有限と思って生きようと思います。

Posted byブクログ

2020/11/04

読み終わって、なんともいえない気分になった。人が、臓器提供のために、育てられるなんて、あってはいけない事だと思う。その施設、ヘールシャムが、どんなに人間的な場所で、良心的な環境であったとしても。

Posted byブクログ

2020/06/16

ノーベル賞作家の小説が必ずしも面白い訳ではないという当たり前の結論。移植の為だけのクローン人間牧場という奇怪な物語。SFにもなりきれず、まどろっこしい心理描写に辟易。最後も尻切れとんぼ。

Posted byブクログ

2020/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ここまで抑制をきかせて書けるのってさすがです。ど真ん中で書いたらみんな引いてしまうテーマを、結局ずっと後を引いて心の奥底まで残させる手法ですね。  「提供」、「介護人」などの言葉以外は普通の全寮制の学校の物語として進みます。読者はいつその謎を明かしてくれるのか些細な言葉も逃さないで読もうとします。でも。。。。カズオさんは意地悪なのかもしれませんね。

Posted byブクログ

2020/05/19

なんのために人間は生まれてくるのだろう 士農工商やカースト制度下に似ているのかな 生まれた段階で運命が決まっている方がある意味では諦めが尽くし、無駄な迷いや悩みも生じず楽な気もするんだけど ブサイクな顔で生まれた、親が貧乏な家庭に生まれた、でも努力すれば立派になることもできるみた...

なんのために人間は生まれてくるのだろう 士農工商やカースト制度下に似ているのかな 生まれた段階で運命が決まっている方がある意味では諦めが尽くし、無駄な迷いや悩みも生じず楽な気もするんだけど ブサイクな顔で生まれた、親が貧乏な家庭に生まれた、でも努力すれば立派になることもできるみたいな現在はある意味では残酷なんじゃないかな 身体の一部を提供することを目的とし、クローンとしてつくられる 普通に考えると倫理的にアウトな気もするが、人間は牛や豚など他の動物に対してそれをやっている 人間と他の動物の違いはなんなのか

Posted byブクログ

2019/06/26

淡々と進む回想と冷たい現実。静かに物語が終わっていく。ディストピアが顕現したら、きっとこんな感じなんだと思った。

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2019/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

個人的にはテレビドラマのほうがよかった。ドラマのほうが、ゾクゾクする気持ち悪さと不思議さをうまく表現できていたように思う。特に提供をする運命を描いていることについて、なぜそれを行うことに違和感を持たないのか?は、ドラマのほうが「あなたたちは特別な存在」ということを印象付けていたから。でも原作はそのへんがあまり描かれていなかったように思う。マダムの展示館行きの不思議さも、本だとあまりゾクゾクしなかった。あと、ドラマはデフォルメされていたんだろうけど、ルースはそんなに嫌味な子ではなかった。それでいうと、主人公はかなり平凡だなとも感じた。

Posted byブクログ

2019/05/12

カズオイシグロというと、記憶の捏造や自分語りが有名だが、今回も、出だしはよくわからないまま進行し、いわば、主人公の語りにある種の違和感がずっとつきまとっていたが、徐々に明らかになる様子が、飽きさせることなく惹きこまれた。 最後まで読んで、また最初の数ページをめくると、細かい設定...

カズオイシグロというと、記憶の捏造や自分語りが有名だが、今回も、出だしはよくわからないまま進行し、いわば、主人公の語りにある種の違和感がずっとつきまとっていたが、徐々に明らかになる様子が、飽きさせることなく惹きこまれた。 最後まで読んで、また最初の数ページをめくると、細かい設定納得のいくようになっていて、作者の構成能力に驚愕した(The 小説という構成ですね)。 全体的にクローン人間であるはずの主人公の心の機微が丁寧に描かれていて、最後の場面で普通の社会の人間のエゴ(すなわち現代人のエゴチズム)が、浮き彫りになったのが印象的だった。 P.S. 両方読んだからわかることだが、『約束のネバーランド』の設定は、かなりこの作品の影響を受けていると思う。

Posted byブクログ