ブレイブ・ストーリー(下) の商品レビュー
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ファンタジー小説であるが子供向けではなく、大人向けの物語だと感じた。主人公の亘は小学生であるが、直面する現実は大人が読んでも重く、胸が痛くなる。もし自分がこんな現実に直面したら、乗り越えられるだろうか。そう思う程に。それは亘がいい子だから余計に感じた。読んでいて嫌味など全く感じさせない主人公。小学生らしい純粋な視線で情景や心情が描かれている。終始応援したくなった。 亘は幻界の旅を通して出会いや別れを経験し、精神的に強く成長していく。幻界で出会うキ・キーマやミーナなどのキャラクターも魅力的で、彼らとの友情や絆を強く感じられた。 最終的に亘は、不運な自分の運命を変えるのではなく、幻界の世界を救うことを選ぶ。自分の運命を都合良く変えても、自分が変わらなければまた悲しいことや辛いことが起きても乗り越えられないから。 この物語は現実と向き合い、そっと背中を押してくれる勇気の話。ブレイブストーリーというタイトルの通りに。 長いストーリーだったが、この本に出会えて 良かった。読んで良かった。そう思える。
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映画がされた頃に購入したのに時間的な都合でこの下巻と中巻がなかなか読めずだったが、上巻から読み直し遂に下巻まで読了。幻界という、現世とは違う世界の中でどんどんと成長していくワタル。文章も読みやすく、物語の中に気づけば引き込まれていた。良作だった。
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上中下読み終わった…!まず描写がすごかった、読んでいて幻界(ヴィジョン)の世界を映像で見ているよう。 北と南の対立は北朝鮮がモデル…?と思ったけどどうなんだろう…あと老神とか女神とか宗教の話が結構多かったり、異種族の差別だったり、現実世界と似通ってる設定が多かった 後半のワタルは...
上中下読み終わった…!まず描写がすごかった、読んでいて幻界(ヴィジョン)の世界を映像で見ているよう。 北と南の対立は北朝鮮がモデル…?と思ったけどどうなんだろう…あと老神とか女神とか宗教の話が結構多かったり、異種族の差別だったり、現実世界と似通ってる設定が多かった 後半のワタルは、え?小学生だよね?ってくらいに悟り開きまくりの成長っぷり それに比べてワタルのお父さんはちょっと…てくらいにひどい。離婚して正解だし、ワタルとお母さん二人で幸せになっていただきたい 登場人物がなかなか多いけど、特に好きなのはバクサン博士。〜ぢゃ!の語尾がかわいい… 映画は冒頭10分観て終了。上中下巻のストーリーを2時間に押し込めるのは無理があった。
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「慈悲と叡智、勇気と信義をこの剣に集めて。 変えるべきなのは僕の運命じゃなくて、 ━━僕自身なんだ。」 「真なるものは、たとえ女神さまのお力を以てしても変えることのできないもののなかにこそある。変えることができるのは、僕だけだ。僕が、僕の運命を変え、切り拓いていかなくては、いつまで経っても同じ場所にいて、同じことを繰り返すだけで、命を終えてしまうことになる」
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ワタルの長い旅の果てに掴んだ答えは今も私を支えてくれている。私は幼い頃からファンタジー小説が大好きだったが、幻想との付き合い方に度々悩まされていた。「いくら素晴らしくとも現実とは違う。」「空想を重ねても現実は変わらない。」そう悲観することも少なくなかった。でも、ワタルの願いが私を立ち直らせてくれた。人を、世界を憎む感情は強烈なものであるけれど、状況を好転させることには繋がらない。自分自身を守り、変えていくことこそが唯一の道なのだ。形ない幻想も、人の心を守り、成長させてくれる。改めてファンタジー好きで良かったと思った。
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大好き 高校生の時に夢中で読了 主人公の生々しい成長ストーリーが、絶妙にリアルとファンタジーのバランスを保っている 子供に読んで欲しい
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シリーズ完結編。ワタルがどんどん逞しくなり、システィーナ聖堂に忍び込んでから現世に帰ってくるまで。生きることへの教訓に満ちたストーリーだった。 「喜びがある限り、悲しみがある。幸福がある限り、不幸もある。」ーーー生きていく上で悲しみや不幸を避けることはできない。変えることができ...
シリーズ完結編。ワタルがどんどん逞しくなり、システィーナ聖堂に忍び込んでから現世に帰ってくるまで。生きることへの教訓に満ちたストーリーだった。 「喜びがある限り、悲しみがある。幸福がある限り、不幸もある。」ーーー生きていく上で悲しみや不幸を避けることはできない。変えることができるのは自分だけ。自分で自分の運命を変え切り拓いていかなくけはいけない。 「どっちの側にも真実がある。問題は、ひとつの真実をどちらの側から見るかということ。」ーーー自分が正しいと信じることをする。間違っていると感じたら、その心に従う義務がある。
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私の中でベスト3に入るモノ。 中巻以降は、どんどん加速して下巻になると 読みたいのに終わりが見えてきて哀しくなった。 その世界観を想像しながら、むちゃ楽しかった。 なにせ、散りばめられるワードセンス?ネーミングセンス?それが抜群!! 要御扉、ダルババ、北の凶星、ハルネラ、ウロ、 これが全てオリジナルで考えられるなんてスゴイ! カッツが死んでしまうシーンは、ホントに泣ける。 オンバさまの正体がさらけ出される所も エグい! 自分の大切な思い、意思。 それを突き通す事は間違ってはいない。 でも、周りの人がどうなろうと 叶えたい想いを貫く。 それで、ホントにいいのか? そうじゃないよね? いろんな自分のこととも重なって、心に刺さった作品。
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現実がファンタジーを生み出し、ファンタジーが現実を生きるに値するものにする、という古典的ながら王道の主題を感じる。 ただ、幻界が(例えば『はてしない物語』のファンタージエンのような、人間の想像力の影響を受けながらも独立している世界ではなく)主人公の心を映して創られた世界だという設定は、物語の構築力を高めているのと同時に、物語世界の広がりや登場人物の奥行きを多少狭めてしまっていたようにも思う。
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「決意の朝に」は自分の運命を変えるためだけに運命の塔を目指していたワタルを象徴してる気がする。ミーナやキ・キーマに出会って自分自身と向き合うワタルにはもう必要のないのかなぁ。 これから生きていけば幾度となく困難は自分に降りかかってくる。冒険を通じてかけがえない仲間に出会ったことで...
「決意の朝に」は自分の運命を変えるためだけに運命の塔を目指していたワタルを象徴してる気がする。ミーナやキ・キーマに出会って自分自身と向き合うワタルにはもう必要のないのかなぁ。 これから生きていけば幾度となく困難は自分に降りかかってくる。冒険を通じてかけがえない仲間に出会ったことで困難に立ち向かう勇気が宿った気がする。 本当に至福の読書体験だった。 ヴェスナ・エスタ・ホリシア〜再びあいまみれる時まで
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