文庫版 今昔続百鬼 雲 の商品レビュー
多々良先生と、その苦労人の旅行記短編集。 本編でもちらりと出てきて、変わり者具合を存分に発揮していた多々良先生だが、この短編集ではそれどころではない。変人も変人、しかも愛すべき変人具合を遺憾なく発揮しまくっている。・・・まぁ一緒に旅をしたくはないけれど。 妖怪の話や伝説が...
多々良先生と、その苦労人の旅行記短編集。 本編でもちらりと出てきて、変わり者具合を存分に発揮していた多々良先生だが、この短編集ではそれどころではない。変人も変人、しかも愛すべき変人具合を遺憾なく発揮しまくっている。・・・まぁ一緒に旅をしたくはないけれど。 妖怪の話や伝説が三度の飯より大好きという二人は(いや、多々良先生は飯に対する情熱もすごいけれど)、必死でお金を貯めては日本の各地に出向いていってフィールドワークを行っている。 そこで飛び出す多々良先生の気まぐれ、それに巻き込まれる沼上くん、そしてその二人はさらに大きく巻き込む事件の渦。 妖怪本の絵解きと事件が重なっているのが秀逸。 おどろおどろしい部分もあるけれども、ぴりりと効きすぎてるユーモア、心地よい薀蓄。 変人多々良先生の味をかみ締めつつ読むべし。 ちなみに二人の写真(?)がそっと載ってるのに驚き。
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多々良先生、強烈なキャラだなあ…沼上さんの苦労押して知るべし、って感じ(笑)京極堂シリーズで『多々良先生』の名前が出てきてて、何の人?って思ってたんですが謎が解けました。短編が4話入ってますが、一番最後のお話には京極堂も出てきます。でも一番強いのはやっぱり富美ちゃんだな、この話。
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なんとなく、京極さんの作品群は、手を出したら後に引けなくなって大変なことになりそうな気配がして、それと表紙に触るのがイヤで、今まで読まずにきたのですが、読む本が無い!でもじっくり選んでいる時間も無い!っていうときに、目に飛び込んできて、買ってしまいました(カバーかけて表紙には極力...
なんとなく、京極さんの作品群は、手を出したら後に引けなくなって大変なことになりそうな気配がして、それと表紙に触るのがイヤで、今まで読まずにきたのですが、読む本が無い!でもじっくり選んでいる時間も無い!っていうときに、目に飛び込んできて、買ってしまいました(カバーかけて表紙には極力触らないようにして読みました)。 とっても面白かったです。まるで水戸黄門や戦隊ヒーローもののような、様式美。登場人物のキャラクタがはっきりしてて、お約束なんだけど、お話の作りはとってもきちんとしっかりしているという、良質の娯楽小説。 妖怪大好きなセンセイと、言い伝えや伝説が大好きな主人公(僕こと沼上青年)は、妖怪や伝説を求めているだけなのに、行く先々でなぜか事件発生、妖怪のことだけ考えているセンセイの迷言を、周りが勝手に深読みして、謎が解けていく様が、沼上青年の視点から描かれております。
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「あなた―妖怪お好きですか」。その男は真顔で尋ねる。これぞ多々良勝五郎大先生。人の迷惑顧みず、怪異も止めて六十余州を西東。河童に噛み殺された男、物忌みの村を徘徊する怪人、絶対負けない賭博師、即身仏の神隠し……。センセイの行くところ、およそ信じがたい出来事ばかり待つ。して、その顛末...
「あなた―妖怪お好きですか」。その男は真顔で尋ねる。これぞ多々良勝五郎大先生。人の迷惑顧みず、怪異も止めて六十余州を西東。河童に噛み殺された男、物忌みの村を徘徊する怪人、絶対負けない賭博師、即身仏の神隠し……。センセイの行くところ、およそ信じがたい出来事ばかり待つ。して、その顛末は?
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