フェルマーの最終定理 の商品レビュー
17世紀フランスの数学者、フェルマーが残した数学界最大の命題「フェルマーの最終定理」。 三百年に渡って世界最高の頭脳を持つ数学者達が挑戦し、そして敗北してきた定理が ついに証明されたというニュースを1993年に聞いた記憶がかすかにある。 この本「フェルマーの最終定理」は、まったく...
17世紀フランスの数学者、フェルマーが残した数学界最大の命題「フェルマーの最終定理」。 三百年に渡って世界最高の頭脳を持つ数学者達が挑戦し、そして敗北してきた定理が ついに証明されたというニュースを1993年に聞いた記憶がかすかにある。 この本「フェルマーの最終定理」は、まったくの素人でも興味深く、フェルマーの最終定理の 概論やその証明の歴史の過程が読めるような構成になっていて読んでいて非常に好奇心を刺激された。 (受験数学で数学アレルギーになった私でも面白く読めた。アプローチの仕方が数学の歴史だったので入りやすかったのだと思う) 「フェルマーの最終定理」そのものは、中学生でも知っているピタゴラスの定理をほんの少し難しくしただけのような「公式」に見える。 だが、その一見単純な定理の証明が300年に渡って数学者達を悩ませたとなると… 「なぜ、それほどこの定理の証明が数学者を悩ませたのか?」という好奇心がむくむくと 沸いてくるのが人情だろう。 この本では、西洋数学の祖であるピュタゴラスの叙述から始まり、それを研究したフェルマーの生涯に触れ、 そしていかに天才と呼ばれる数学者達がこの定理の証明に取り組んできたのか、 そして最終的にワイルズが最終定理を証明するまでにどのような過程をたどったのか 非常に詳しく、かつわかりやすく複雑に(笑)書かれている。 あたかも錬金術の副産物として化学が発展したように、このフェルマーの最終定理も 研究過程の成果としてさまざまな数学上の発見がなされてきた。 多くの数学者の発見と失敗、そのすべてが集大成となって17世紀の数学の命題が20世紀の 数学で証明された顛末は、読んでいて胸がわくわくして手が震えるほど感動してしまった。 数学者達の三百年に渡るあくなき挑戦と挫折、そしてその総括としての最終証明への道が本当に 偶然と必然、ひらめきに満ちていて、学問というものの険しさと面白さを教えてくれたからだと思う。 読後は久しぶりにこんなに頭を使ったという実感があるが正直ここに出てくる数学の理論や方式の 半分も理解はしていない。 でも、ここまで人々の興味を惹きつけ人類の頭脳を結集させる謎というのはまさしくロマンだ。 数学とロマン。対極にあるような言葉だが、解けない謎に挑み、苦しみ、悩み、絶望し、 その上に重なる探求心があるかぎり、数学の命題は永遠に続くロマンなのだろう。 素晴らしい本を読ませてもらった。 もう少し数学を勉強してその真理に少しでも近づけるべく、何度でも読み返してみたい本だ。
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余白に書き残された「フェルマーの最終定理」。この定理に挑んだかず数々の数学者たちの物語。 2009年6月4日購入 2009年10月15日読了
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TOUCHING WORD for Future Generations:人は誰しも、自分にとって大きな何かに本気で取り組むことができれば、想像を絶する収穫を手にすることができるのではないでしょうか。 by アンドリュー・ワイルズ http://www.touchingword....
TOUCHING WORD for Future Generations:人は誰しも、自分にとって大きな何かに本気で取り組むことができれば、想像を絶する収穫を手にすることができるのではないでしょうか。 by アンドリュー・ワイルズ http://www.touchingword.net/detail.php?id=1333
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5/27(水)読みはじめました。 ドラマがあっておもしろそうな雰囲気です。数学者のデビューって若いんですね。 6/9(火) 読み終わりました。 数学苦手ですが、おもしろかったです。ハイレベルすぎて証明の内容にはついていけなかったけど、 フェルマーの証明が生まれるまで、そして解か...
5/27(水)読みはじめました。 ドラマがあっておもしろそうな雰囲気です。数学者のデビューって若いんですね。 6/9(火) 読み終わりました。 数学苦手ですが、おもしろかったです。ハイレベルすぎて証明の内容にはついていけなかったけど、 フェルマーの証明が生まれるまで、そして解かれるまでに登場する多くの人々にそれぞれの物語があって、 それらが絡み合って数学が発展していくのがおもしろかった。 定理は誰がつくったわけでもないけど確かにそこにあって、 それを懸命に解き明かそうとする人たちの姿に心打たれます。
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冒険小説以上に興奮する、人間の知的冒険の歴史。 それは個人の情熱の物語でもあり、それぞれのパーツをバトンのように手渡しながら、3世紀かけてゴールまで走り抜いた「人類」の物語でもあり。 ラストのあまりにドラマチックな展開は、神様どんだけ過剰演出するんだよと。 読後はじんわりと感動が...
冒険小説以上に興奮する、人間の知的冒険の歴史。 それは個人の情熱の物語でもあり、それぞれのパーツをバトンのように手渡しながら、3世紀かけてゴールまで走り抜いた「人類」の物語でもあり。 ラストのあまりにドラマチックな展開は、神様どんだけ過剰演出するんだよと。 読後はじんわりと感動がこみ上げて、ああなんか人間って悪くない、とか思ってしまった……。
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科学書というカテゴリのようだが その実世界一の難問と呼ばれた「フェルマーの最終定理」を解くまでのドキュメンタリー。 数学をよく知らない人にも是非読んでいただきたい。
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人類を300年以上悩ませてきたフェルマーの最終定理が証明されるまでを、古代ギリシャからさかのぼって、ワイルズが証明するに至るまで書かれたもの。 数学がテーマなので多くの人が敬遠しがちだと思いますが、作者の巧みな表現力によって、数学が苦手な人にも容易に読みやすく書かれています。 数...
人類を300年以上悩ませてきたフェルマーの最終定理が証明されるまでを、古代ギリシャからさかのぼって、ワイルズが証明するに至るまで書かれたもの。 数学がテーマなので多くの人が敬遠しがちだと思いますが、作者の巧みな表現力によって、数学が苦手な人にも容易に読みやすく書かれています。 数学者が人間としてこんなにも面白い人たちなのか!!と痛感させられます。 また、訳者があとがきでも書いていますが、日本人や女性に対しても普通の西洋の本には見られないくらい好意的に書かれているのも気に入りました。 ただ、「自然科学は数学に劣っている」というのが冒頭に出てきたのがちょっと残念だったような・・・
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ワイルズがフェルマーの最終定理を証明するまでのドキュメント。 ピュタゴラスからはじまる数学の歴史が詰め込まれている。 数学の証明は完全無欠でなければならない。 その証明が覆されると、その公理を前提とした証明はすべて崩れ落ちるからである。 数学っておもしろい。
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フェルマーの最終定理が解かれるまでのたくさんの数学者たちの奮闘が描かれている。 アンドリュー・ワイルズは子供の頃から追い求めていた定理が紐解けた瞬間、どんな気持ちだったんだろう? 数学なんて全くわからないけど、 数学ってロマンだと思いました。
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数学は自分にとって苦手(嫌いといってもいい)な学問であるため、まずこの本を手に取る要素は少ない。ある日、NHKを見てたら、ポアンカレ予想に関するドキュメンタリーをやっていた。衝撃を受けたのは、人生をかけて難問に挑みつづける数学者の生き様だった。一見すると、そんなことわかったところ...
数学は自分にとって苦手(嫌いといってもいい)な学問であるため、まずこの本を手に取る要素は少ない。ある日、NHKを見てたら、ポアンカレ予想に関するドキュメンタリーをやっていた。衝撃を受けたのは、人生をかけて難問に挑みつづける数学者の生き様だった。一見すると、そんなことわかったところで何の役に立つの?という疑問が湧いてきそうであるが、数学者は知的欲求を満たすためただ純粋であり続けていた。そのなかに自分とは対局の生き方を見た。また、数世紀に渡る超難問があったことも知り、本著を手にとることとなった。訳者もあとがきに書いていたが、多くの人が積み上げてきた解法に向かう理論のなかに日本人が重要な役割を果たしていたことに素直にうれしさを感じた。最終的には証明を完成させたワイルズがもっともすごいんだろうけど、自分はフェルマー予想と谷山=志村予想を背理法で結びつけたフライという人が一番印象に残った。数学嫌いな私にとって、証明問題はどのような筋道をたてればよいの皆目見当もつかないため、解答用紙はほぼ白紙だった。フライは大筋の予想を組み立て解答用紙に概略を記述し、後の人々はそれに肉付けして証明を導いたように素人は感じた。(2009/3/22読了)
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