フェルマーの最終定理 の商品レビュー
2000年もの数学史をたどり、フェルマーの最終定理を解決するに至るまでを綴ったノンフィクション。 数学の醍醐味が凝縮された一冊。
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絶望的な格闘を行ってきた数学者たちの物語。ピタゴラスからワイルズまで2500年に及ぶ数学の歴史を縦軸に、フェルマーの最終定理に関する数学者の人生とその時代と格闘を横軸に、理論や定理が文系の人間にでも「限りなく」分かり易く書かれている。細かい数論的理論は勿論分からないけれど、「無限...
絶望的な格闘を行ってきた数学者たちの物語。ピタゴラスからワイルズまで2500年に及ぶ数学の歴史を縦軸に、フェルマーの最終定理に関する数学者の人生とその時代と格闘を横軸に、理論や定理が文系の人間にでも「限りなく」分かり易く書かれている。細かい数論的理論は勿論分からないけれど、「無限」という絶望的な概念を何とかその手中に統べようとしてきた壮絶な格闘の様を描いた歴史絵巻のようだ。数学(数論)は完璧で微塵の矛盾も飛躍も許さない。この本によりその審美の一端に触れることができる。それは鳥肌ものの感動である
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■紹介 自然界の摂理を説明し、人間の知恵が詰まった定理を解く。 数学は厳格であり、美しい学問だと言うことを、 フェルマーの最終定理を用いて証明してくれる。 著者(サイモン・シン)がTVディレクターということもあるのだろうが、 一場面一場面がうまく構成されていて、 全...
■紹介 自然界の摂理を説明し、人間の知恵が詰まった定理を解く。 数学は厳格であり、美しい学問だと言うことを、 フェルマーの最終定理を用いて証明してくれる。 著者(サイモン・シン)がTVディレクターということもあるのだろうが、 一場面一場面がうまく構成されていて、 全体としてうねるように展開されていくのがうまい。 テレビと同じく、一度惹きつけられると離れるのが難しい。 ■抜粋(●は簡略抜粋) ●ライフサイクルは素数のセミ(P.169-170) 十三年ゼミ、十七年ゼミと呼ばれるセミがいるらしい。 なぜ素数なのだろうかと言う問いに、 寄生虫との同時発生を避ける最良の策と解がなる。 寄生虫が仮に二年単位に発生するとしたら、 十七年ゼミと同時に発生するのは三十四年に一回なのだから。 ●天文学者、物理学者、数学者の厳密性(P.218) 天文学者と物理学者と数学者がスコットランドで休暇を過ごしている。 列車からふと窓を眺めるとなんとそこには一匹の黒い羊が。 天文学者はこれを見て、 「これはおもしろい。スコットランドの羊は黒いのだ」 物理学者はそれに対しこう応じ、 「何を言うか、スコットランドの羊の中には黒いものがいるということじゃないか」 数学者は天を仰ぐと、歌うようにこう言った。 「スコットランドには少なくとも一つの原っぱが存在し、 その原っぱには少なくとも一頭の羊が含まれて、 その羊の少なくとも一方の面は黒いということさ」 ○指導教官にできることは、 その学生が向いていそうな分野に導いてやることぐらいでしょう。(P.261) ○問題に本格的に乗り出すには十年はかかるだろうと考えていたワイルズにとって、 一年半ぐらいはまだ小さな投資だった。(P.322) ○大事なのは、どれだけ考え抜けるかです。 考えをはっきりさせようと紙に書く人もいますが、 それは必ずしも必要ではありません。 とくに、袋小路に入り込んでしまったり、 未解決の問題にぶつかったりしたときには、 定石になったような考え方は何の役にも立たないのです。 新しいアイディアにたどりつくためには、 長時間とてつもない集中力で問題に向かわなければならない。 その問題以外のことを考えてはいけない。 ただそれだけを考えるのです。 それから集中を解く。 すると、ふっとリラックスした瞬間が訪れます。 そのとき潜在意識が働いて、新しい洞察が得られるのです。(P.323)
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ピタゴラス教団の物語からフェルマーの変人ぶり、フェルマーの難問に対する3世紀にわたる数学者たちの挑戦と、ついに証明を果たしたイギリス人数学者アンドリュー・ワイルズまでの数学の発展の歴史をスリリングな筆致で語る。数学の基礎概念もわかりやすく説明されている。翻訳もよい。面白かったので...
ピタゴラス教団の物語からフェルマーの変人ぶり、フェルマーの難問に対する3世紀にわたる数学者たちの挑戦と、ついに証明を果たしたイギリス人数学者アンドリュー・ワイルズまでの数学の発展の歴史をスリリングな筆致で語る。数学の基礎概念もわかりやすく説明されている。翻訳もよい。面白かったので、2回読んだ。確かに、最終章は蛇足だ。さすがに、20世紀の数学は難しい。日本人が重要な役割を果たしているのは嬉しい。
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フェルマーの最終定理と、 アンドリュー・ワイルズがそれを解くまでのお話。 「ここで、終わりにしたいと思います」 今やワタクシの中では、これはワイルズさんの名台詞です。 ほら、えーと「月に代わってお仕置きよ」といえば、うさぎちゃん、といように。 カッコイー!!(><) 数学史...
フェルマーの最終定理と、 アンドリュー・ワイルズがそれを解くまでのお話。 「ここで、終わりにしたいと思います」 今やワタクシの中では、これはワイルズさんの名台詞です。 ほら、えーと「月に代わってお仕置きよ」といえば、うさぎちゃん、といように。 カッコイー!!(><) 数学史が面白いと思うようになったのは、これを読んでからですねー。
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一人の天才がきまぐれに残した定理を、数百年後にもう一人の天才が証明した、というお話。 著者は元TV番組の製作に携わっていた人・・・らしい。そのせいか、光景がありありと浮かんできて、その場の雰囲気がよく伝わってきました。 数学の世界って本当に美しいんだなぁ、と静かに感動してしまう話...
一人の天才がきまぐれに残した定理を、数百年後にもう一人の天才が証明した、というお話。 著者は元TV番組の製作に携わっていた人・・・らしい。そのせいか、光景がありありと浮かんできて、その場の雰囲気がよく伝わってきました。 数学の世界って本当に美しいんだなぁ、と静かに感動してしまう話です。
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ついにエルマーの最終定理が解かれる。 300年間幾多の数学者達が屈してきたその簡単な問いに、情熱を注いだ実話、 そして最高の人間ドラマ。 非常に純粋にして、孤高の人間達。 数学を美しいと表現する感覚に驚くとともに、うらやましいような感覚にもなった。 考えるときは、何も食べずとにか...
ついにエルマーの最終定理が解かれる。 300年間幾多の数学者達が屈してきたその簡単な問いに、情熱を注いだ実話、 そして最高の人間ドラマ。 非常に純粋にして、孤高の人間達。 数学を美しいと表現する感覚に驚くとともに、うらやましいような感覚にもなった。 考えるときは、何も食べずとにかく余計なことはせずに集中する。 集中して考え抜いた後で訪れるリラックスの時、そこでふっと降りてくるものがあるのだと。 頭の中、そして紙とペン、それだけで無限の世界が広がっている。 数式も単純で、別注の解説もあり難しくないのも本書の特徴。 数学オンチでも全く問題なく世界に入れる。 面白くて、どんどん読み進めることができ、正直びっくりした。これは名著だ。
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数学史上、最も数学者を悩ませてきたフェルマーの最終定理にフォーカスを当てて、その問題を解こうとしてきた人間たち、定理を解く上で発展してきた数学たちを書いたものである。 数学とは役に立つのか?物理学やらその他学問に比べた場合、Yesと言うのはなかなか難しいだろう。しかし、時代を...
数学史上、最も数学者を悩ませてきたフェルマーの最終定理にフォーカスを当てて、その問題を解こうとしてきた人間たち、定理を解く上で発展してきた数学たちを書いたものである。 数学とは役に立つのか?物理学やらその他学問に比べた場合、Yesと言うのはなかなか難しいだろう。しかし、時代を切り開いてきたのは数学である、という事に間違いはないだろう。 数学者、というより学者に必要なものは忍耐力と集中力であろうが、これを読むとなおさらそれが切実になる。これを得るために一体何が必要なのだろうか…。
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読み応えあり。数学者たちのドラマ・逸話がたくさん盛り込まれていて、おもしろかった。 ただ、感動は特になかった。ワイルズが証明に至るクライマックスを、眠い中で読んでいたせいか? 身の危険があったり、女性であることを隠したり、数学を研究する覚悟が必要な時代があった。 身の危険はない...
読み応えあり。数学者たちのドラマ・逸話がたくさん盛り込まれていて、おもしろかった。 ただ、感動は特になかった。ワイルズが証明に至るクライマックスを、眠い中で読んでいたせいか? 身の危険があったり、女性であることを隠したり、数学を研究する覚悟が必要な時代があった。 身の危険はないにしろ、覚悟を決めないといけないのは、今も同じはずだ。 とにかく、考えて考えて、考え抜かないといけない!
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数学的なことはさっぱりわかってないんですが、それでも面白い!!と思わせるこの作者の力量はすごい。数学は嫌いだけど数学者はすきになっちゃった。ひとつのことを一生をかけて解決しようとするってどんなだろう?それが本当に証明できる問題かもわからないのに? 「私はこの命題の真に驚くべき証...
数学的なことはさっぱりわかってないんですが、それでも面白い!!と思わせるこの作者の力量はすごい。数学は嫌いだけど数学者はすきになっちゃった。ひとつのことを一生をかけて解決しようとするってどんなだろう?それが本当に証明できる問題かもわからないのに? 「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」 で、何が好きって人を揶揄しながら自分は賢いっていうフェルマーです。かっこよすぎ!
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