フェルマーの最終定理 の商品レビュー
ピエール・ド・フェルマーが証明の全貌を明かさないまま残されたという、究極の定理。 xのn乗 × yのn乗 = zのn乗 上式においてn=2よりも大きい時、上式を満たす3つの数x、y、zは存在しない。 たったこれだけの定理に3世紀もの間、多くの数学者たちが熱狂してきたというその...
ピエール・ド・フェルマーが証明の全貌を明かさないまま残されたという、究極の定理。 xのn乗 × yのn乗 = zのn乗 上式においてn=2よりも大きい時、上式を満たす3つの数x、y、zは存在しない。 たったこれだけの定理に3世紀もの間、多くの数学者たちが熱狂してきたというそのドラマは本当に興味深いです。 物語は、最終定理を見事証明することになる、アンドリュー・ワイルズ氏を中心に描かれるのですが、フェルマーの最終定理だけでなく人類の歴史という大きなスケールの物語も含まれており、それがまた面白い。数学というものは、信仰、戦争、経済といったように、あらゆる人類の欲求を満たそうとする道具として進化してきたのだなぁと改めて感心しました。 もちろん、その推進力となってきたのは数学者たちの情熱なのだろうと思います。 本筋とは関係ないのですが、ティッチマーシュという数学者の言葉がとても共感できて印象的でした。 「π(パイ)が無理数だと知ったところで何の役にも立たないだろうが、知ることができるのに知らないでいるなんて耐えられないではないか」 好奇心だけで生きているような自分にとってぴったりな言葉だと思いました。
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クライマックス最後の数十ページに差し掛かると、読み終えるのがもったいなく感じる程に、おもしろい作品。一人の天才数学者が人生をかけて世紀の大問題「フェルマーの最終定理」を証明する物語。ノンフィクション。
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数学者達の350年に渡る難問「フェルマーの最終定理」の挑戦を書いた本。 数論や数学に特に詳しくなくても読み進める事が出来た。 この一冊を読んで数学への興味が再沸騰した人も少なくないのではないだろうか。 アンドリュー・ワイルドが証明するまでの道のりは決して平坦ではなかった。 歴...
数学者達の350年に渡る難問「フェルマーの最終定理」の挑戦を書いた本。 数論や数学に特に詳しくなくても読み進める事が出来た。 この一冊を読んで数学への興味が再沸騰した人も少なくないのではないだろうか。 アンドリュー・ワイルドが証明するまでの道のりは決して平坦ではなかった。 歴史的講義の終了の瞬間まで、まるでそこにいたかのような臨場感があった。 個人的にはやはり日本人なので、谷山志村予想の章は食い入って読んでしまった。 若くして自ら命を絶って谷山には残念でならないが、日本人がこの世紀の数論に一役買っていたのは嬉しい。 著者、サイモン・シンのこれが一冊目とは信じられない完成度で自作の「宇宙創成」なども是非読んで見たい気になった。
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数学の知識が無くても、分かりやすく、フェルマーの最終定理を解くことの偉大さと感動が伝わってきます。 小学校の算数から、やり直したくなりました。
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「博士の愛した数式」や河田直樹著の本を読んでから数学の本も意外と面白いことに気づき、手に取った一冊。解説にもあるように専門的な数学の知識はほとんどいらないのに、大事なところはつかみやすく物語の進行も捉えやすいような印象だった。自分も一応理系なので、ピタゴラスやエウクレイデス(ユー...
「博士の愛した数式」や河田直樹著の本を読んでから数学の本も意外と面白いことに気づき、手に取った一冊。解説にもあるように専門的な数学の知識はほとんどいらないのに、大事なところはつかみやすく物語の進行も捉えやすいような印象だった。自分も一応理系なので、ピタゴラスやエウクレイデス(ユークリッド)を始め、オイラー、ダランベール、ラグランジュ、ガウス、ベルヌーイ、コーシー、ガロアなどなど(それぞれ年代は把握しきれていませんが、、)登場するたび各偉人の人としての部分も少し知れてその点も面白かった。実話だけどまるでフィクションとして描いたように物語に起伏があってまさに「事実は小説より奇なり」と感じた。もっと数学に触れてみたいと率直に感じられたし、もう自分は大人になりつつあるけれどワイルズのように何か一つを追いかけることは素敵だなと改めて感じた。
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フェルマーが残したメモを巡る300年に渡る数学者たちの物語。アンドリュー・ワイルズが証明してみせるまでを、関連する定理を証明して来た数学者の物語も含めて描いているため濃厚な物語に仕上がっている。 人物描写が細かく、数学に詳しくなくても、のめり込みやすいと思う。ヤンゴン行きの機内に...
フェルマーが残したメモを巡る300年に渡る数学者たちの物語。アンドリュー・ワイルズが証明してみせるまでを、関連する定理を証明して来た数学者の物語も含めて描いているため濃厚な物語に仕上がっている。 人物描写が細かく、数学に詳しくなくても、のめり込みやすいと思う。ヤンゴン行きの機内にて読了。
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大学の友達から教えてもらった本。フェルマーの最終定理を証明するまでの実話を記録している。紀元前やピタゴラスの時代からの数学発展に関する歴史は高校で学んだかも?というものもあれば、意味が全然分からないものもあるけど、知的好奇心を満たすという意味ではおもしろかった。フェルマーの定理を...
大学の友達から教えてもらった本。フェルマーの最終定理を証明するまでの実話を記録している。紀元前やピタゴラスの時代からの数学発展に関する歴史は高校で学んだかも?というものもあれば、意味が全然分からないものもあるけど、知的好奇心を満たすという意味ではおもしろかった。フェルマーの定理を証明したいと熱中している人は興味深い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ずーっと読みたいと思っていて読めていなかった本。ドキュメンタリーとしてまとめるサイモンシンの何という取材力。そして数学が苦手な人でも文句なしに面白く読み進められる。人生には寄り道も必ず役に立つということがわかる。ワイルズのコリヴァギン=フラッハ法や谷山志村予想からの証明方法ではなく、フェルマーが生きていたら彼の証明とは違ったものだっただろうからそれが知りたいロマンも残して終わるのがイキですね。
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かなりベストセラーになったので読まれた方も多いと思いますが、私自身、実はずっと以前に単行本を購入し結局読まず引越しの際に処分をして、その後文庫版を購入したもののまた読まずに本棚に放置してあった本。 最初に読もうと思ってからもう10年以上も経ってから読んだ訳ですが、一言で言えば「こ...
かなりベストセラーになったので読まれた方も多いと思いますが、私自身、実はずっと以前に単行本を購入し結局読まず引越しの際に処分をして、その後文庫版を購入したもののまた読まずに本棚に放置してあった本。 最初に読もうと思ってからもう10年以上も経ってから読んだ訳ですが、一言で言えば「こんな面白い本をなぜ読まないでいたのだろう!」という感想。 翻訳も良いのでしょう。読みづらいところは全くなく、展開に引き込まれてかなり一気に読んでしまいました。 「3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない」という文系の私でも理解できる内容ながら、17世紀のアマチュア数学者フェルマーが「私はこの定理について真に驚くべき証明を発見したが、ここに記すには余白が狭すぎる。」という言葉とともに残し、350年間も誰も解けなかった定理を巡る歴史が極上の「物語」とした描かれている。 文句なしの星5つのエンターテインメント・ノンフィクションでした。
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「新しいアイディアにたどりつくためには、長時間とてつもない集中力で問題にむかわなければいけならない。ただそれだけを考える、それから集中をとく。すると、ふっとリラックスした瞬間、潜在意識が働いて、新しい洞察が得られる」(P323) これは天才物理学者の思考作業の方法らしい。わたし...
「新しいアイディアにたどりつくためには、長時間とてつもない集中力で問題にむかわなければいけならない。ただそれだけを考える、それから集中をとく。すると、ふっとリラックスした瞬間、潜在意識が働いて、新しい洞察が得られる」(P323) これは天才物理学者の思考作業の方法らしい。わたしも熱帯魚の水槽をボーと眺めれるとふっと・・・無駄な考えを思いつきますもの(笑 17世紀に生まれたこの謎を解くために、20世紀の手法に頼らざるをえなかったワイルズだが、確かフェルマーは答の式はこの余白には書けないって書いていたはず、彼がその答えを持っていたのかいなかったのか永遠の謎である。
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