包帯クラブ の商品レビュー
発想が素敵だなと思いました。 人は誰しも、何かしらの「傷」を負っていて、 その場所には今でも見えない血が流れているはず。 でもその傷を飾りのように見せびらかしたり、 否定したりするんじゃなくて、誰かに知られて、認めてもらうことで、その傷にははじめて、包帯が巻かれることになる。 傷...
発想が素敵だなと思いました。 人は誰しも、何かしらの「傷」を負っていて、 その場所には今でも見えない血が流れているはず。 でもその傷を飾りのように見せびらかしたり、 否定したりするんじゃなくて、誰かに知られて、認めてもらうことで、その傷にははじめて、包帯が巻かれることになる。 傷ついていることを誰かに認められるだけでも、傷付いてる人は、ほんの少しでも救われるんじゃないかなと思います。 読んだ後、包帯買って巻きたくなりました。笑
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誰でも心は傷つく。 その心が傷ついた場所に包帯を巻く。 実際にやってみる勇気はないけど。 できたらきっと心は軽くなるはず。
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傷ついた場所に包帯を巻くのは、まさに「てあて」な行為。 いたいのいたいのとんでいけ。 それで治るわけじゃないけど、泣き止ませてくれる魔法の行為。 お友だちやお母さんがやってくれたときは本当に痛みがやわらいだのに、話が皆にまわって個人的な行為ではなくなった途端に、医学的じゃないとか...
傷ついた場所に包帯を巻くのは、まさに「てあて」な行為。 いたいのいたいのとんでいけ。 それで治るわけじゃないけど、泣き止ませてくれる魔法の行為。 お友だちやお母さんがやってくれたときは本当に痛みがやわらいだのに、話が皆にまわって個人的な行為ではなくなった途端に、医学的じゃないとかなんとか言い始める無粋な大人が出てきて台無しにされてしまう。 そんな程度の、弱くて無意味な優しい行為。 良かったんだけど、ファンタジーとして読む心積もりができていなかったので、なじむまでに時間がかかった。慣れた頃には読み終わってしまった。 「若い」言葉やあだなのつけ方(それ以前にあだなをつけるという発想)やファッションの使い方がどうにもイヤイヤイヤどうなのそれはという違和感ありありで、現代日本の高校生だと思うとダメだ。ねーわ。すごく読みにくい。パラレル日本のファンタジーだと思えばなんとか。 で、教師からのセクハラ・性犯罪は傷だけど同年代からのセクハラは傷じゃないですと?「小さな傷」の小ささと傷つき方は良かったのに。 ていうかなんだこの画像。私が読んだのは映画版じゃなかった。 この表紙なら手に取らなかっただろうな。
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いい本を読んだ。すごくいい本。読み始めはルビが気になったケド、一気に引き込まれて夢中で読んだ。「外の景色と、心のなかの風景は、つながっている」ってすごい発見だと思う。「外の景色」によって「心のなか」が動くのは、よく言われることだけど、そのほとんどは”受け身”な出来事じゃないだろう...
いい本を読んだ。すごくいい本。読み始めはルビが気になったケド、一気に引き込まれて夢中で読んだ。「外の景色と、心のなかの風景は、つながっている」ってすごい発見だと思う。「外の景色」によって「心のなか」が動くのは、よく言われることだけど、そのほとんどは”受け身”な出来事じゃないだろうか。 「心のなか」の傷を和らげるために「外の景色」に働きかける行為は、かなり新鮮だった。最後には、ホロッときちゃったよ。こんなに自然にホロッさせられたのは、本当に久しぶり。心に残る読書でした。
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「家族狩り」のなかの、女子高生亜衣の悩みをクローズアップしたような作品。 亜衣は、「いまどきの女子高生」と大人には見られながら、実はとても純粋な人間愛を心に秘め、それが表現できないことに悩み、それよりも大切なものがあるかのような大人の言動に悩み、不登校になった女の子でした。 誰も...
「家族狩り」のなかの、女子高生亜衣の悩みをクローズアップしたような作品。 亜衣は、「いまどきの女子高生」と大人には見られながら、実はとても純粋な人間愛を心に秘め、それが表現できないことに悩み、それよりも大切なものがあるかのような大人の言動に悩み、不登校になった女の子でした。 誰もが、傷を負っていて、その傷には優劣はない。それを認め、理解しあうこと。小さい傷だから無視していいことはない、大きすぎる傷だから目をそむけていいことはない。 天童荒太さんの小説はたいていこのテーマが盛り込まれますが、今回ほどやさしい形で表現されていることはまれです。そういう意味で、読みやすい作品です。 三浦綾子さんの「続・氷点」にあった「包帯を巻いてあげられないのなら、 むやみに人の傷にふれてはならない。」という言葉を思い出しました。 ただ、若者の言葉や服装や仕草的な表現が…若干古いのは、主人公は現在30代くらいで古い話という設定でいいのでしょうか。でも、その時代の高校生はメールとかしてないしなぁ…
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人は誰しも多かれ少なかれ心の傷を持っていて、 それは心の傷だから目には見えないけれど、その傷に 包帯を巻くことで「これは傷だよ」と認識できる。 そうすることで少しでも気持ちが楽になれたらと いうような話。 明確な結末や結果があるわけんじゃないのがこの物語らいしい所だと...
人は誰しも多かれ少なかれ心の傷を持っていて、 それは心の傷だから目には見えないけれど、その傷に 包帯を巻くことで「これは傷だよ」と認識できる。 そうすることで少しでも気持ちが楽になれたらと いうような話。 明確な結末や結果があるわけんじゃないのがこの物語らいしい所だと思う。 些細なことなんだけど、ほんとに。 曖昧なことだけど、何気に大事なことを書いていると思う。 自分も振り返ったら自分が気づいてない傷を持っているのかもって思った。
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傷を受けた場所に包帯を巻く話 果たしてそれがどの程度の気休め(気休めっていっちゃった)になるのかイマイチよくわからないけど なんとなく話せなくなった友達とか、なんか変わっちゃった友達とか そういうのって仕方ないけどやっぱり寂しいよな〜なんて思いました
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傷を「治す」のではなく「癒す」、それが「包帯クラブ」。 高校3年のときに先生に勧められて、この映画を学校で観た。 先に映像化されたものを観ていたから、本を読んでいても情景が浮かんできて理解しやすかった。 映画と違って文字にされている分、登場人物の思考もわかりやすかった。 いろんな...
傷を「治す」のではなく「癒す」、それが「包帯クラブ」。 高校3年のときに先生に勧められて、この映画を学校で観た。 先に映像化されたものを観ていたから、本を読んでいても情景が浮かんできて理解しやすかった。 映画と違って文字にされている分、登場人物の思考もわかりやすかった。 いろんなひとの大小さまざまな傷を、その傷を受けた場所に包帯を巻いて本人に見せる。 それで傷は治らないけれど、その巻かれた包帯をみることで自分の傷が傷として認められたと思え、傷が癒える。 効果は個人差があったけれど、自分だったら癒されるのではないかなと思った。
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へぇ。こういう癒し方もあるんだと思った。 でも、確かにみんなが包帯をまいてたら、街中包帯だらけになりそうだ。 とても発想がよかったし、話のテンポもよかったし、 なにより、それぞれのニックネームの付け方がセンスがよかった。
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ヤング悼む人といった印象。悼む人を執筆する合間に書かれたということも頷ける。一貫した弱さと、届かなくても信じるという姿勢。本当に人は弱いよなぁと感じる。弱いと書いて人と読むんじゃないかと言うくらい。だから、救われたい人はたくさんいて、悼まれたい人もたくさんいる。全てを救うなんて...
ヤング悼む人といった印象。悼む人を執筆する合間に書かれたということも頷ける。一貫した弱さと、届かなくても信じるという姿勢。本当に人は弱いよなぁと感じる。弱いと書いて人と読むんじゃないかと言うくらい。だから、救われたい人はたくさんいて、悼まれたい人もたくさんいる。全てを救うなんて無理に決まってる。そこは、認めたうえで、自分の周りだけでも悼んでいこう。世界を狭く狭く見よう。やさしく生きよう。そんな風に思わされる。 『・・・いまから死ぬよ。でも、いい、ワラ、よく見ててね、何も変らないから。世界は少しも変らない。』(p.175) 今のところ天童荒太に出会えたのが今年の一番の収穫かもしれない。 (2009.06.13)
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