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先生はえらい の商品レビュー

4.1

157件のお客様レビュー

  1. 5つ

    55

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    6

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2022/03/14

そこには無い何かを感じ、抽出し、意味付けをする力こそが学ぶ力である。 意味のある(数値化でき、効用が明確である)ものを選択的に受容することに骨の髄まで浸ってしまうと意味のない(と思えるもの)は無きものとなる。

Posted byブクログ

2022/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

尊敬できるような先生に出会えないのは、先生が悪いのではなく、漫然とえらい先生の出現を待っている自分が悪いのだと内田センセイはおっしゃる。 それはまあ、そうかもしれない。 どんなに先生が素晴らしいことをおっしゃっても、聞く気のない人の耳にその言葉は届かない。 逆に先生が何の気なしに言ったことが、人生を変えることだってある(かもしれない)。 そもそも、万人向けの言葉の中に大切な言葉はない。 たった一人の自分のために言われた言葉だから価値があるのだ。 わかりやすくある必要はない。 この人の言う言葉がわかるのは自分だけだ!くらいの勘違いが、尊敬できる先生との出会いのきっかけになるのだそうだ。 恋愛しかり。 「わかりやすい=誰にでもわかる」よりも「自分にしかわからない良さ」が、ポイントなんだって。 ”わからないけれど、何か心に響く。「たしかに、そうだ」と腑に落ちるのだけれど、どこがどう腑に落ちたのかをはっきりと言うことができない。 だから、繰り返し読む。 そういう文章が読者の中に強く深く浸透する文章なのです。” この文章を読んだとき、なぜ村上春樹が人気あるのかわかった気がしました。 私はわからないうえに腑に落ちないから、村上春樹にハマれないんだということも。 ところで「反面教師」ってことば、中国の文化大革命の頃の用語なんですって。 「資本主義に毒された反革命的な先生」という意味だったそうです。 単純に「ああいう人になってはいけない」ような人ってことではないんですね。 勉強になりました。

Posted byブクログ

2023/06/27

内田樹を読むことの1番の魅力は、本気か冗談か分からない主張を、屁理屈まがいにロジカルに成立させた文章を、面白おかしく読んでいるうちに、読者自身が、なんかすごい大事なことに気づいてしまう、という図式です。敷居が低く、出口が高くなっている。 第二次安倍内閣あたりから、政治への怒りが...

内田樹を読むことの1番の魅力は、本気か冗談か分からない主張を、屁理屈まがいにロジカルに成立させた文章を、面白おかしく読んでいるうちに、読者自身が、なんかすごい大事なことに気づいてしまう、という図式です。敷居が低く、出口が高くなっている。 第二次安倍内閣あたりから、政治への怒りが閾値を超えてしまい、最近は面白おかしく読ませてくれる文章が減っていて残念なのですが、この頃の内田先生は最高です。特にこの本は、(ちくまプリマー新書シリーズ全般そうですが)言葉が平易で、長すぎず、非常に読みやすいです。ヤングにもアダルトにもオススメ。

Posted byブクログ

2021/12/09

ー 私たちが会話においていちばんうれしく感じるのは、「もっと話を聞かせて。あなたのことが知りたいから」という促しです。でも、これって要するに、「あなたが何を言っているのか、まだよくわからない」ということでしょう? 私たちが話をしている相手からいちばん聞きたいことばは「もうわかっ...

ー 私たちが会話においていちばんうれしく感じるのは、「もっと話を聞かせて。あなたのことが知りたいから」という促しです。でも、これって要するに、「あなたが何を言っているのか、まだよくわからない」ということでしょう? 私たちが話をしている相手からいちばん聞きたいことばは「もうわかった(から黙っていいよ)」じゃなくて、「まだわからない(からもっと言って)」なんですね。恋人に向かって「キミのことをもっと理解したい」というのは愛の始まりを告げることばですけれど、「あなたって人が、よーくわかったわ」というのはたいてい別れのときに言うことばです。 ごらんの通り、コミュニケーションを駆動しているのは、たしかに「理解し合いたい」という欲望なのです。でも、対話は理解に達すると終わってしまう。だから、「理解し合いたいけれど、理解に達するのはできるだけ先延ばしにしたい」という矛盾した欲望を私たちは抱いているのです。 対話へと私たちを駆り立てるのはその欲望です。理解を望みながら、理解に達することができないという宙づり状態をできるだけ延長すること、それを私たちは望んでいるのです。 ー 簡単に読めるけれど、書かれていることは非常に奥深いコミュニケーションについての話。本題は、“自己の学び”と“先生”と自分が思う人は本質的に“偉い”という話。 コミュニケーションがなぜ難しいのか、という本質を突く論考。 だって、ロジカルかつ極めて明確に自分が相手に伝えたいことを伝えようと努力して、相手にも同等の努力を求めかつ期待した方が、圧倒的にコミュニケーションにかける労力は減るはずなのに、どうしてそうしないのか、あるいは出来ないのか。って永遠の疑問じゃん?

Posted byブクログ

2021/10/24

[読書]6 先生はえらい 内田樹(2005) 先生は既製品ではありません 恋愛と学び 教習所とF-1ドライバー 学びの主体性 なんでも根源的に考える オチのない話 他我 前未来系で語られる過去 うなぎ 原因と結果 沈黙交易 交換とサッカー 大航海時代とアマゾン・ドットコム 話は...

[読書]6 先生はえらい 内田樹(2005) 先生は既製品ではありません 恋愛と学び 教習所とF-1ドライバー 学びの主体性 なんでも根源的に考える オチのない話 他我 前未来系で語られる過去 うなぎ 原因と結果 沈黙交易 交換とサッカー 大航海時代とアマゾン・ドットコム 話は最初に戻って あべこべことば 誤解の幅 誤解のコミュニケーション 聞き手のいないことば 口ごもる文章 誤読する自由 あなたは何を言いたいのですか? 謎の先生 誤解者としてのアイデンティティ 沓を落とす人 先生はえらい とくりふ読書会の課題図書 内田樹さんの本をいつか読みたいと思ってたのでありがたしありがたし そしてとっても面白かった。ニヤニヤしながら読みました。 半分は教育の話でも先生の話でもない。 対話をするとき、わかってもらいたいと思って話してると思っていたけど、「わかった」と言われたら腹が立つっていうことがびっくり納得でした。結果より過程。 対話、コミュニケーションに興味のある方におすすめです。 ぜひ!ぜひに!!

Posted byブクログ

2021/09/26

内田樹さん。一冊通して読んだのは初めてか?ひねくれているがおもしろい。わからないからおもしろい。謎から想像が生まれ新しいものが生まれる。わかりきったものはおもしろくない。想像を超えたところにいくおもしろさ。コミュニケーションも学びも自分からそのわからなさを楽しめるかどうかだ。

Posted byブクログ

2021/03/14

内田樹の教育論。と言っても、「学ぶこと」とはどのような状況で起こるのか、ということを平易な言葉で中高生向けに書かれている。学ぶことを学習に限定していないところがとても良い。 ちょっと回り道が長いので、ついてこれる子どもはどれくらいいるかわからないが、最後までたどり着くと実に面白い...

内田樹の教育論。と言っても、「学ぶこと」とはどのような状況で起こるのか、ということを平易な言葉で中高生向けに書かれている。学ぶことを学習に限定していないところがとても良い。 ちょっと回り道が長いので、ついてこれる子どもはどれくらいいるかわからないが、最後までたどり着くと実に面白い例が出ていて、納得する。教員にも読んでほしい本。

Posted byブクログ

2020/12/12

哲学者・思想家・エッセイスト・翻訳家・フランス文学研究者.....と多くの肩書を持つマルチ学者で、140年以上の歴史を誇る神戸女学院大学の名誉教授である内田樹による教育論。ただし本人は教育論ではなく「師弟論」であるとしている。教育崩壊や教師のモラルが問題となる昨今において先生の素...

哲学者・思想家・エッセイスト・翻訳家・フランス文学研究者.....と多くの肩書を持つマルチ学者で、140年以上の歴史を誇る神戸女学院大学の名誉教授である内田樹による教育論。ただし本人は教育論ではなく「師弟論」であるとしている。教育崩壊や教師のモラルが問題となる昨今において先生の素晴しさを高らかに唱えてエールを送る本なのかと思えば、教師という職業の苦労や先生という「聖職」の尊さには全く触れもせずに、ひたすら「先生はえらくない」と唱えて、むしろ先生より生徒の側が自主的に選ぶ「学びの主体性」を推奨する。1960年代の安保闘争を肌で感じていた内田少年は「革命が起こる! 勉強どころじゃない!」と高校を退学して大検で東大に入学。東京都立大で研究者としての道を歩むが結婚に失敗しバツイチに。シングルファザーとなって東京を離れ子連れで神戸女学院大に奉職、そして定年を前に20歳も年下の教え子と再婚という決して「えらくない」経歴の著者が、今の教育体制で自信を喪失しつつある先生たちを元気付けてくれる一冊。

Posted byブクログ

2020/09/22

一読しただけではすっきりと掴みきれないものの、「ここには何かとても重要なことがある」と思わせてくれる一冊です。 凝り固まったものの見方を、軽やかな文体で説きほぐしてくれる感じは、外山滋比古さんの「思考の整理学」に近いものを感じました。 読み返すたびに新しい発見がありそう。

Posted byブクログ

2020/08/24

先生はえらいというのは自分も成る程と思いました。こう思えるのは読み終わってからだと思います。読んでみてください。

Posted byブクログ