ワイルド・ソウル(下) の商品レビュー
移民政策の実体をテーマに血塗りの描写も、あけっぴろげな性描写もあるこの小説。 意外にも読後感は爽やか。この意外な気分の良さはこの作家、垣根涼介さんの『ヒートアイランド』に同じ。 復讐というマイナスエネルギーを持って生きる登場人物たちが、それを果たす途上で様々に思考し、前向きに...
移民政策の実体をテーマに血塗りの描写も、あけっぴろげな性描写もあるこの小説。 意外にも読後感は爽やか。この意外な気分の良さはこの作家、垣根涼介さんの『ヒートアイランド』に同じ。 復讐というマイナスエネルギーを持って生きる登場人物たちが、それを果たす途上で様々に思考し、前向きに呪縛から解放されていく。全体に暗い雰囲気が漂っていながらも爽快に感じるのはそれが理由だろう。 また、事件の首謀者ではないが、深くかかわっていく貴子。彼女が事件を通じて人間的に成長していく姿に勇気をもらった。最初に彼女の意地汚さ、心の荒み具合が遠慮なく描かれていたため、変化がとてもわかりやすかった。
Posted by
呪われた過去と訣別するため、ケイたち三人は日本国政府に宣戦布告する。外務省襲撃、元官僚の誘拐劇、そして警察との息詰まる頭脳戦。ケイに翻弄され、葛藤する貴子だったが、やがては事件に毅然と対峙していく。未曾有の犯罪計画の末に、彼らがそれぞれ手にしたものとは―?史上初の三賞受賞を果たし...
呪われた過去と訣別するため、ケイたち三人は日本国政府に宣戦布告する。外務省襲撃、元官僚の誘拐劇、そして警察との息詰まる頭脳戦。ケイに翻弄され、葛藤する貴子だったが、やがては事件に毅然と対峙していく。未曾有の犯罪計画の末に、彼らがそれぞれ手にしたものとは―?史上初の三賞受賞を果たし、各紙誌の絶賛を浴びた不朽の名作。
Posted by
移民問題の話と思いきや、壮大なヒューマンドラマであり、アクションも恋愛もあり、とにかく胸が熱くなった。ブラジル的明るさやバイタリティーが、もはや憧憬の域。
Posted by
移民問題というシリアスなテーマを扱ったサスペンスなのに、底抜けに明るいケイのおかげで最後までシリアスにならなかったのが良かった。 事件が解決していく過程も明快で分かりやすい。 ただ、それまで克明に描かれてきた事件の概要が終盤になって簡略化というか、「想像すれば分かるでしょ」的な感...
移民問題というシリアスなテーマを扱ったサスペンスなのに、底抜けに明るいケイのおかげで最後までシリアスにならなかったのが良かった。 事件が解決していく過程も明快で分かりやすい。 ただ、それまで克明に描かれてきた事件の概要が終盤になって簡略化というか、「想像すれば分かるでしょ」的な感じでどんどん省かれたのが少々残念。 でもサスペンスものには珍しいハッピーエンド(?)なので、読後は爽快。 2015/12
Posted by
棄民政策への復讐劇、政府への宣戦布告、ということから私はもっと血生臭い、残酷な展開を予想していた。テロとか民族紛争とかの悲惨な映像に麻痺してきているのか…、とちょっと自分が嫌になっちゃうくらいの小気味良い展開。あとはやっぱりケイに尽きる、よね。
Posted by
面白かったです。相変わらずの政府関係者の腐敗ぶりは、今も変わらないですね。サスペンスストーリーとして見ると、本当に面白くて一気読みでした。ラストシーンに松尾も登場して欲しかったです。
Posted by
めっちゃ面白かった。初めから終わりまでワクワクが途切れないし、背景がしっかりしてるから読み応えもある。縦にも横にも広がりがあって、 傑作やと思う。垣根涼介さんの小説始めて読んだけど、文章に変なクセや無駄がないから読みやすい。読みやすいけど、軽いわけじゃないってゆうのが素敵。なんか...
めっちゃ面白かった。初めから終わりまでワクワクが途切れないし、背景がしっかりしてるから読み応えもある。縦にも横にも広がりがあって、 傑作やと思う。垣根涼介さんの小説始めて読んだけど、文章に変なクセや無駄がないから読みやすい。読みやすいけど、軽いわけじゃないってゆうのが素敵。なんかいろいろ受賞してる作品らしく、ああ納得!って感じです。
Posted by
前半に続き、後半も文句なしに面白い。 話の展開にスピード感があって、飽きさせない。 あっちゅう間に読み終える。 ラストも落ち着くトコに落ち着いて、 ほっこりできるのもいい感じ。
Posted by
戦後、アマゾンに移民した人たち。棄民政策と言われた移民政策。呪われた過去と決別するため日本政府に宣戦布告する3人組。 本当にこんなにもひどかったのかと思うといたたまれない。
Posted by
上巻から続く、アマゾンからの熱さ。 その中に、現代でも必要な生き抜くすべが語られている。 ワイルドの中に、人間くささがある。 このあたりは、王道的な感じもあるが、やはり、ワイルド。 久々に、熱い作品を読んだ。
Posted by