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マダム・エドワルダ/目玉の話 の商品レビュー

3.5

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2018/07/31

「マダム」露出狂というのかな、現実にはすぐ通報され周りは恐怖に包まれるので、こういうのはAV世界でしか起こり得ない哀しさ。 「目玉」十代の男女が成熟し始めた肉体を駆使し、エロスのその先に有るものを突き詰めるために狂ったように奔走する。 なんだっけこれ。。。 ハッ、鮭が産卵の...

「マダム」露出狂というのかな、現実にはすぐ通報され周りは恐怖に包まれるので、こういうのはAV世界でしか起こり得ない哀しさ。 「目玉」十代の男女が成熟し始めた肉体を駆使し、エロスのその先に有るものを突き詰めるために狂ったように奔走する。 なんだっけこれ。。。 ハッ、鮭が産卵のために自分が産まれた川に帰ってくる様子みたいだ! 最後にポロリと作者の幼年期に起こった出来事がトラウマとして書かれ、それが一番衝撃的で心打たれる。辛い葛藤を何とかかろうじてエロスに変換して、正気を保っているのか。せつない。

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2018/04/23

エロスを感じたくて読書している訳じゃないし、それを目的として書かれたものでもないんだろうけど、どうしても下世話な目線で見てしまうし、そうなってくると自分が好きな内容じゃない。ここに文学的価値を見出すためには、エロスの成り立ちや歴史だったりとか、表現の自由が制限されている社会への想...

エロスを感じたくて読書している訳じゃないし、それを目的として書かれたものでもないんだろうけど、どうしても下世話な目線で見てしまうし、そうなってくると自分が好きな内容じゃない。ここに文学的価値を見出すためには、エロスの成り立ちや歴史だったりとか、表現の自由が制限されている社会への想像力だったりとかが必要なんだろうか。

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2017/12/28

不勉強なものでマジで前知識なしで読んだんですけど、汚物飛び散るエライコッチャエロ小説だったんだな…。 あらゆる道具も闘牛士も司祭もシモーヌにとっては玩具なのだ…。

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2017/12/02

「目玉の話」はひどい話で、この新訳の前に代表的な訳とされていた「眼球譚 太陽肛門/供儀/松毬の眼」(生田耕作=訳)というタイトルから連想されるよりももっとサディステックなエロティシズムに彩られた凄惨な作品である。 訳者の中条昇平氏はバタイユの作品を中学生のときに読んで衝撃を受け...

「目玉の話」はひどい話で、この新訳の前に代表的な訳とされていた「眼球譚 太陽肛門/供儀/松毬の眼」(生田耕作=訳)というタイトルから連想されるよりももっとサディステックなエロティシズムに彩られた凄惨な作品である。 訳者の中条昇平氏はバタイユの作品を中学生のときに読んで衝撃を受けたそうだが、こんなとんでもない作家の作品をそんな年少の時に読んではまずかろうと思う。だが、当時氏が通っていた学校ではみんなが深刻な衝撃を受けていたそうだから、日本の少年たちの文化的成熟度と吸収力は大したものだ。でも自分の知っている子どもたちが中学生でバタイユを読んでたら相当いやだなあ。 作家はどんな作品を描いてもいいし、書かなければならない必然性もって書いているのだろうけれども、この作品に限っていえば、その必然性は私の理解の外だ。 なぜ「恐るべき放蕩や性的遊戯、さらには狂気と自殺、サディスティックな瀆聖と殺人」(中条昇平)をあれだけ全身全霊を傾けて描かねばならないのか想像もつかない。そしてそれが意味があることだとも思えない。 だからこの作品に続編の草案があって、結局それが書かれずに済んだことは世界にとって幸いなことだったと思う。

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2016/02/07

ポスト構造主義が流行った時によく聞かれたバタイユ。思想家だと思っていた本が「古典新訳」で出ているではないか。背表紙には「・・・あからさまな変態行為を描いた・・・」の紹介文。むむむ ・・・これはただのエロ話ではないのは感じるが、しかしどのように読んだらいいのだろう。汗。異様な迫力...

ポスト構造主義が流行った時によく聞かれたバタイユ。思想家だと思っていた本が「古典新訳」で出ているではないか。背表紙には「・・・あからさまな変態行為を描いた・・・」の紹介文。むむむ ・・・これはただのエロ話ではないのは感じるが、しかしどのように読んだらいいのだろう。汗。異様な迫力に圧され完全に消化不良。

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2015/06/20

新訳で再読。フロイトは「欲動とは、生命のある有機体に内在する強迫である」と述べ、その強迫とは生命以前の姿へ―死へと回帰するタナトスの欲動を提唱していたが、ここにあるのは正にそうした死へと同一線上にあるエロスの放出だ。全身から漏れ出るエクスタシーと体液は禁忌を破壊する潤滑油となり、...

新訳で再読。フロイトは「欲動とは、生命のある有機体に内在する強迫である」と述べ、その強迫とは生命以前の姿へ―死へと回帰するタナトスの欲動を提唱していたが、ここにあるのは正にそうした死へと同一線上にあるエロスの放出だ。全身から漏れ出るエクスタシーと体液は禁忌を破壊する潤滑油となり、そのベクトルは生の彼岸を飛び越える。生田耕作訳より肉々しく描かれる目玉の話はより下劣さが強調されながら、翻って一筆書きで描かれたようなマダム・エドワルダの静的さや思弁性が対照的に浮かび上がるようになっている。形而上学的変態小説。

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2014/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【本の内容】 「ある街角で、不安が私に襲いかかった。 汚らしく、うっとりするような不安だ」極限のエロスの集約。 戦慄に満ちた娼婦との一夜を描く短編「マダム・エドワルダ」に加え、目玉、玉子…球体への異様な嗜好を持つ少年少女のあからさまな変態行為を描いた「目玉の話」を収録。 [ 目次 ] [ POP ] 子供なんてのは、まあ親から与えられた本なんてだいたい興味無いですよね。 親の価値観なんて古くてダサいっていうか、教養なんてウザいっていうか、自分たちの世代の方がいけてるっていうか。 なので、親としてはやっぱり子供にナメられないような本を与えたいところですよね。 まあなんでもいいんですけど、とりあえずバタイユの「目玉の話」とかいいんじゃないでしょうか。 これを読ませれば、子供も「なんだこいつ、マジ狂ってる」「マジぱねえ」と、今までナメてた親に一目置くようになることは請け合いですよね。  内容的にも、まあざっくり言えば生命の偉大な力を礼讚してる話という気もしますし、念のため最初に「マネしちゃダメだぞ☆」みたいな感じで注意しておけば問題ないんじゃないですかね。 いや本当に子供には、豊かな感受性と柔軟でしなやかな価値観、そして強い情熱を育んでほしいですよね。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2016/09/23

 バタイユの官能はことごとく合わない。こうしてくれればすごく興奮するのにというところを全て外してしまう。そして幾分か、作為的な気がしてしまうのだ。それは、バタイユが単に自身の変態性を開陳するために小説を書いているのではないことを考えると仕方ないことなのだろうけれど、消化不良になる...

 バタイユの官能はことごとく合わない。こうしてくれればすごく興奮するのにというところを全て外してしまう。そして幾分か、作為的な気がしてしまうのだ。それは、バタイユが単に自身の変態性を開陳するために小説を書いているのではないことを考えると仕方ないことなのだろうけれど、消化不良になる。もっともっと理不尽に締め付けられ、苦しめられ、奥の奥まで晒し上げて欲しい。一時の熱病で終わって欲しくない。

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2014/09/10

え、目玉の話って、と最初邦題に戸惑った(不安を感じた)ものの、読んでみると最高でした。 内容、周りの狼狽を描いていないあたりに突っ切った感が出てるというか。何故たまごなのかと思うが(だって玉子じゃ、ね)性的に描けばなんだって性的になるのだなと。だからシモーヌの性癖は先天的なものよ...

え、目玉の話って、と最初邦題に戸惑った(不安を感じた)ものの、読んでみると最高でした。 内容、周りの狼狽を描いていないあたりに突っ切った感が出てるというか。何故たまごなのかと思うが(だって玉子じゃ、ね)性的に描けばなんだって性的になるのだなと。だからシモーヌの性癖は先天的なものよりも後天的なものと思って読んでいたが、最後「私」(バタイユなのか?)視点で語られる分析によってすとんと腑に落ちた。

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2014/12/10

わたしたちの安定的でリジットな生が、こんなにグロテスクに崩壊できるものだろうか。 迷いなく破滅へと突き進む3人、「この人たちと私は違う!」と叫びたい自分。生の消尽を拒絶したい気持ち。

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