人のセックスを笑うな の商品レビュー
大胆不敵なタイトルとペンネームによるはかない作品。 結構好きな本ですね。★5つにするかちょっと悩みました。 田園都市沿線に住んでいたので、懐かしさもあり。 ナオコーラさんの他の本も読もうかなと思いました。 「会えなければ終わるなんて、そんなものじゃないだろう」 私はそんなも...
大胆不敵なタイトルとペンネームによるはかない作品。 結構好きな本ですね。★5つにするかちょっと悩みました。 田園都市沿線に住んでいたので、懐かしさもあり。 ナオコーラさんの他の本も読もうかなと思いました。 「会えなければ終わるなんて、そんなものじゃないだろう」 私はそんなものなんじゃないかな、、、と思っています。
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19歳の主人公は20歳上の女性と恋に落ちるが、相手には旦那がいた…という世間的には受け入れられないような関係が、こんなにも煌めいて見えるのはなぜなのか。 不倫はうまくはいかないと分かっていたとしても、流れていく関係性に、僕たちは読む手を止めることはできない。 気持ち悪いと言う人も...
19歳の主人公は20歳上の女性と恋に落ちるが、相手には旦那がいた…という世間的には受け入れられないような関係が、こんなにも煌めいて見えるのはなぜなのか。 不倫はうまくはいかないと分かっていたとしても、流れていく関係性に、僕たちは読む手を止めることはできない。 気持ち悪いと言う人もいるだろう、一瞬の煌めきで忘れ難い恋愛だと言う人もいるだろう。 どのような意見があったとしても、文学として評価され、現実でも度々目にするような関係性に、他人は何も言う資格はないと思う。 普遍性があるなぁ。
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中編と短編の、二本。 自由奔放、と言えばいいのか…な中編でした。 結局遊びなのか、不倫なのか。 気分はどちらなのか、が気になって 分からない世界でした。 中編の歯医者も、ふわふわしているような感触で よくわからなかったです。
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不思議なペンネームの著者作品を始めて読むのにあたって、わたしには入りやすいと思われた『文豪お墓まいり記』からだったのだ。読み始めると、好きな文章がいっぱい出てくるので、わあ好きと思い、途中だけど受賞デビュー作『人のセックスを笑うな』に移って読む。 というのは『文豪お墓まいり記』...
不思議なペンネームの著者作品を始めて読むのにあたって、わたしには入りやすいと思われた『文豪お墓まいり記』からだったのだ。読み始めると、好きな文章がいっぱい出てくるので、わあ好きと思い、途中だけど受賞デビュー作『人のセックスを笑うな』に移って読む。 というのは『文豪お墓まいり記』における著者の考えることが、妙に地味で何とも言えずほのぼのして、わかるわかると、気に入ってしまったから、文豪お墓訪問記エッセイではなく、創作ではどうか?と興味を持って。 著者26歳、哀切のある作品。恋とか愛とか名付けられない、ひととの交情がすっきりとした文章で描かれている。視点を男の子に持ってきたのがいい。(解説の高橋源一郎さんも指摘してらっしゃるが) 考えてみれば、エッセイ文でも小説のように、創作しても何の問題もないわけで、例えばこんな読後感も創作ふうでもよく、なにかを伝えられればそれでいいよね。
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自分たちが特別だと思っていることの凡庸さ。 「美しい距離」でも感じたが、この人の文章は瑞々しくて綺麗だ。感情が手に取るようにわかる 年上の既婚女性と恋をする若い男の目線で語られるためか、不倫なのに純で、透き通っている。それが切なさを増す
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ストーリーとしては正直ありきたりで少し物足りないのに、思わず涙が出そうになるほど表現が綺麗。 「この寂しさやストレスはかわいがってお供にする。一生ついてきたっていいよ。」 の一節が大好き
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ある19歳の恋愛と日常を淡々と描いている作品。 ただ文章が美しく、要所要所に多くの人にささるのではないかという言葉が点在している。 あっさりと読めてしまうが、味わい深い一面もある。面白い作品でした。
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難解な独特の詩を読んでいるよう。評価の分かれる作品だと思った。 確かに短く表面上は読みやすいが、全然関係ないと思える1文に色々な仕掛けがあって、じわじわ効いてくるような作品。 読者の、行間をすくい取れる読解力、経験値が問われそう。 解説は…さぞかし書きにくかった事であろう。
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2023.1.12読了 タイトルのインパクトから記憶にずっとありながら未読のままだった。 若者と不惑(40歳)手前の女性との不倫の始まりから終わりまでが描かれているといえばどこにでも転がっていそうな、それこそ凡百のストーリーとも思うが、そこにありがちな嫉妬や悔恨や執着等の情念...
2023.1.12読了 タイトルのインパクトから記憶にずっとありながら未読のままだった。 若者と不惑(40歳)手前の女性との不倫の始まりから終わりまでが描かれているといえばどこにでも転がっていそうな、それこそ凡百のストーリーとも思うが、そこにありがちな嫉妬や悔恨や執着等の情念、どろどろしたマイナスの嫌な感情はほとんど見受けられず、だから修羅場も見苦しく暴れる人物も現れず、ただ初恋のように淡々とさっぱり乾いたまま通り過ぎ、だがざっくり大きな傷跡だけは疼き続けていて、それが切なくもあり甘美でもあって、なにやら新鮮で大きめの感動に包まれた。 平易でシンプルなのに必要な情報が過不足なく全てある文章。 センスがいいという言葉はこういう時に使われるべくしてあるのだろうと思った。
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