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ローマ人の物語(24) の商品レビュー

3.9

44件のお客様レビュー

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2011/12/15

五賢帝の一人 トライアヌスの治世。ダキア戦役、そして最後にはパルティア問題、ユダヤ教徒の反乱。 ローマ帝国を最大の版図にし、至高の皇帝と言われるが、後世に残る資料のなさが残念。同時代に生きた辛口のタキトゥスでさえ書く材料がなかったか。 全長1キロ以上の石橋をはじめとした建築物の技...

五賢帝の一人 トライアヌスの治世。ダキア戦役、そして最後にはパルティア問題、ユダヤ教徒の反乱。 ローマ帝国を最大の版図にし、至高の皇帝と言われるが、後世に残る資料のなさが残念。同時代に生きた辛口のタキトゥスでさえ書く材料がなかったか。 全長1キロ以上の石橋をはじめとした建築物の技術力、芸術性など、当時の技術力に圧倒される。建築家アポロドロスの凄さか。

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2017/08/16

前巻の最終章で「五賢帝」と言われる最初のネルヴァが登場。しかし、 この人は高齢であり、子供もいなかったことからショート・リーリーフ なのは明らか。 そのネルヴァが後継指名をしたのがトライアヌスである。あまりにも 出来た皇帝の為、伝記さえ残っていないってのは幸か不幸か。 ...

前巻の最終章で「五賢帝」と言われる最初のネルヴァが登場。しかし、 この人は高齢であり、子供もいなかったことからショート・リーリーフ なのは明らか。 そのネルヴァが後継指名をしたのがトライアヌスである。あまりにも 出来た皇帝の為、伝記さえ残っていないってのは幸か不幸か。 彼の治世で、ドミティアヌスが不名誉な講和を結んだダキアが再度、 ローマを挑発する。しかしながら2回に渡るこのダキア戦役、ユリウス・ カエサルが『ガリア戦記』を記したように、トライアヌスも『ダキア戦役』を 書いているのだが、現存していない。 そこで著者が取った方法は、戦役の場面が描かれた「トライアヌス円 柱」からそのシーンを描き出すという手法。これが読んでいると中だる みしちゃうのだ。 タキトゥスもこの時代を描いていないので、参照する史料が少ないの だろうな。 本筋とは関係ないのだが気になった一節を。 「女とは、同性の美貌や富には羨望や嫉妬を感じても、教養や頭の 良さには、羨望もしなければ嫉妬も感じないものなのだ。」 きゃ~~~~、辛辣っ!でも、当たってるんだよなぁ。トホホ…。 さて、伝記がないのがつくづく残念なトライアヌスである。 初の属州出身の皇帝は、属州重視の政策を取るのではないかとの 元老院の危惧をよそに、本国重視の姿勢を貫く。妻にさえ「皇后」の 尊称を与えることをせず、親族を重用することもしなかった。あくまでも 「公正」を旨とした人だった。 本作品でこれまでも度々取り上げられているローマ帝国のインフラ 整備だが、その徹底ぶりには改めて感心してしまう。橋の基礎作りは 現代の工法とほぼ同じだそうだ。 帝国の領土を拡大し、育英基金を創設し、多くの公共事業をなした 皇帝は元老院から「至高の皇帝」の称号を贈られる。 スペイン属州で生まれ、軍団でその才能を育てたトライアヌスは ローマ人以上にローマ人として生きたのではないだろうか。 「属州出身者としてははじめての皇帝だからと思って、人並み以上に がんばったのですね」 トライアヌスの心中を憶測しての著者の言葉である。20年の治世の後、 至高の皇帝は病を得、本国へ帰る船旅の途中で息を引き取る。 首都ローマでは彼の遺骨を迎えての凱旋式が執り行われた。

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2011/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ローマ人の物語 賢帝の世紀[上]読了。最高の第一人者と賞賛され、辛口の歴史家タキトゥスすら「まれなる幸福の時代」と記したトライアヌス帝は、帝国領土の拡大、公共事業に経済政策を精力的かつ効果的に行い、まさに賢帝と呼ばれるに相応しいものといえます。 ただ、当初疑問に思ったものが一つありました。それはダキア戦役で彼が実行したもので、敗者側の住民を彼らの居住地から追い払ったというものです。私も「ローマの興隆の要因は、敗者でさえも自分たちと同化する彼らの生き方にあった」と考えているので、このような非同化というか浄化ともいえる政策を「賢帝」が行うのは如何なものかと少し思いました。 とはいえ、よくよく考えると、敗者を同化するという行いの根底に流れている思想は、私見ですが、現実的合理的思考であるため、同化するという行いは絶対的なものではなく、その時に適切な政策がそれであればそれを採るが、そうでなければ今回のような政策を採るということは、彼らの思想にあったものであるといえます。 そう考えると、当初疑問に思ったこの政策ですが、ローマ人の興隆の要因の根の部分を踏まえたものであり、それを実行したトライアヌス帝が賢帝と呼ばれるのも当然と思えました。

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2011/04/02

11/4/2 5賢帝の2人目、トライアヌス帝。正面突破型の皇帝。ダキア戦役で領土を拡大、建築家アポロドロスと共に多数の公共インフラを整備、パルティア戦役の失敗。全長1km以上のトライアヌス橋を一年余りで完成させるとは、当時の国力は凄いと思う。

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2010/05/18

5/18:五賢帝のトライアヌスの治世。パーソナルな問題がまったく出ない(残ってない)クリーンで精力的に統治を行った。最も優れた皇帝の一人である理由がよく分かる。しかし、自叙伝や伝記がないので人となりがあまり伝わらない。歴史家もそうでしょうね。塩野さんも困ってる感じ。 聖人君子って...

5/18:五賢帝のトライアヌスの治世。パーソナルな問題がまったく出ない(残ってない)クリーンで精力的に統治を行った。最も優れた皇帝の一人である理由がよく分かる。しかし、自叙伝や伝記がないので人となりがあまり伝わらない。歴史家もそうでしょうね。塩野さんも困ってる感じ。 聖人君子ってのもいるもんだ。次のハドリアヌスも楽しみです。 ------------------------------------------- 5/11:やっと図書館に戻ってきたので再開。

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2009/12/26

キリがいいし、読むペースも一時と比べると遅めなので上巻読後で更新。 至高の皇帝という称号を元老院から与えられたトライアヌスの治世を綴った一冊。 今から約2000年も昔に、ここまで合理的なシステムを作りあげたローマ帝国はつくづく凄いなと思う。現代の学問において、歴史学以外の分野で...

キリがいいし、読むペースも一時と比べると遅めなので上巻読後で更新。 至高の皇帝という称号を元老院から与えられたトライアヌスの治世を綴った一冊。 今から約2000年も昔に、ここまで合理的なシステムを作りあげたローマ帝国はつくづく凄いなと思う。現代の学問において、歴史学以外の分野でもローマ研究が盛んなことは当然の帰結か。 小麦法やアリメンタもそうだが、ネルヴァに始まりトライヤヌスが継承した相続税の撤廃(「ローマ市民権は魅力ある権利であるべきであり、親しい人を失った悲しみに資産を失う悲しみまでも付け加えるべきではない」)には、良くぞ言った!という思いさえする(笑) ただローマ史のハイライトはやはり帝政から共和制への移行期たるカエサルの治世だと思うので、この帝政安定期の一冊は少しドラマ性にかけるかな。歴史なんだから仕方ないし、文献資料が残ってないことの苦労もよくわかるけど。というわけで星は4に近い3。 それから、前にも書いたかもしれないけど筆者の女性観が面白い。「女とは~~である」って。なんというか、ある種の知的女性特有の同性に対する認識って感じで。

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2009/10/04

五賢帝時代突入。それぞれの賢帝はタイプが違い、時には現状維持をし続けた者が賢帝と呼ばれる。 要するに、画一的にベストなリーダーのモデルも、サービスのモデルも存在せず、時代・顧客に合わせニーズを発掘・解決することが必要ということ。 これは何にでも言える。

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2009/10/04

ドミスティアヌスの暗殺を境に、ローマの帝政は世襲制から指名制へと変化を遂げた。五賢帝最初の人であるネルヴァの治世は非常に短かったが、彼がトライヤヌスを後継者として指名したことは決定的に重要であった。もし彼が他の平凡な者を後継者に指名していたならば、ローマは再び世襲制に回帰していっ...

ドミスティアヌスの暗殺を境に、ローマの帝政は世襲制から指名制へと変化を遂げた。五賢帝最初の人であるネルヴァの治世は非常に短かったが、彼がトライヤヌスを後継者として指名したことは決定的に重要であった。もし彼が他の平凡な者を後継者に指名していたならば、ローマは再び世襲制に回帰していったかもしれない。既にヴェスパシアヌスによって皇帝弾劾権が否定されている以上、皇帝が世襲制への道を引き始めたら、それを防ぐ手立ては暗殺より他になかったのだ。その点、トライアヌスは属州の出身であり、世襲制の再現は、いかなる理論武装を用いようとも、元老院に対して説得力をもちえないと悟っていたのかもしれない。そのトライアヌスの治世は、あまりに批判されるところが少なかったためか、文献資料が異様に乏しいとされている。その影響もあってか、本巻の描くトライアヌスの姿も、どことなくぼやけた像しか結ばない。毒舌のタキトゥスをして毒を吐かなかった平和の時代だけに、エピソードの乏しさは致し方ないところであるが。

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2009/10/04

90 順序が逆になったのですが,読み始めました。トライアヌス帝ってやっぱりすげえ人だったんだなと・・・。 91 教育研究 9月号

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2009/10/04

ローマ帝国最大領土を編み出した賢帝トライアヌス。属国出身で戦争に強かったみたい。ローマのトライアヌス円柱がそこまで有名な造形物とは知らなかった。

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