ローマ人の物語(24) の商品レビュー
トライアヌス帝の話。初めての属州出身の皇帝。とても真面目。みんなから好かれ、妻も出しゃばらず、姉も出しゃばらず、控えめ。欲に溺れることもなく、皇帝として生きた20年間という治世。なんというか、こういう人いるよなぁという感想。真似したくてもできないストイックさで仕事をする。あまりに...
トライアヌス帝の話。初めての属州出身の皇帝。とても真面目。みんなから好かれ、妻も出しゃばらず、姉も出しゃばらず、控えめ。欲に溺れることもなく、皇帝として生きた20年間という治世。なんというか、こういう人いるよなぁという感想。真似したくてもできないストイックさで仕事をする。あまりにできすぎる人だとかえって、印象に残らないという感じ。 五賢帝時代に入り、ローマがどうなっていくのか次も楽しみ。
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五賢帝時代最初のトライアヌス。 皇帝っぽさがとてもいいです。 13、インペラトール・カエサル・ディウィ・ネルウァエ・フィリウス・ネルウァ・トラヤヌス・オプティムス・アウグストゥス・ゲルマニクス・ダキクス・パルティニクス
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五賢帝の2番目、初の属州出身皇帝トライアヌスの巻。現在のルーマニアあたりにあったダキア王国との戦役、公共事業や属州統治などが主なトピック。最後は後継者としてハドリアヌスを指名して亡くなるが、パルティア戦役がまだ中途で、次巻でハドリアヌスがどう状況を打開するのか気になる。
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皇室の血を継ぐわけでもなければ、高貴な家の出身でもない。 たたき上げの皇帝がここまで帝国運営を全うできるとは! 時代をさかのぼってアウグストゥスに言ってやりたい。 「大事なのは血じゃないぞ」 元老院と対立しないよう気を遣いながら、最短距離でことを進める手腕というのは、見事というほかない。 基本的にローマの富裕層は、私財を公共のために使うことを名誉と思い、また義務とも思っていたので、国費を使わずに公共事業などが行われることも多かったのだが、それでも本当に必要なものを見極め、優先順位をつけ、ことに当たるのが皇帝の仕事なのだ。 ローマ皇帝の三大責務とは以下の通り 1.安全保障 2.国内政治 3.インフラ整備 そのうえでトライアヌスは善政を敷くため精力的に政務をこなす。 ちなみに善政というのは”正直者がバカを見ないですむ社会にすることにつきる”。 おお、日本の政治家も頼むよ。 トライアヌスは地元に利益を誘導するどころか、辺境にある地元に帰らずに帝国全体のための皇帝たらんとしたのだ。 それでも、治世が20年も過ぎれば、やはり自己を過信したり、または苦言を呈する者がなかなかいなかったりして、判断を誤ることもあるのだなあというのが彼の晩年。 そして、世界史は全然わからないけれど、これほどまでに法治主義で現実主義のローマ人が帝国を崩壊させていったのは、キリスト教のせいなんだなあということが、なんとなくわかってきた。 キリスト教徒について小プリニウスがトライアヌスへ送った書簡には ”キリスト教への帰依が何を意味するかには関係なく、頑迷ということだけでも罪に値する” と書いてある。 多神教からすると一神教の頑迷さはそれだけで罪、というのは確かにあるだろう。 柔軟性を失ったら、国でも人でも発展していくのは難しいからね。
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ようやくと言いますか、本題とも言えるキリスト教への評価が明らかな形で表出してきました。 どういう整理をつけようとしてるんですかね?この作家は。 ローマと今のイタリアは結び付かないという結論は変わりないようですが、今のイタリアが魅力ないのか?とは必ずしも言っている訳でもなさそうで、...
ようやくと言いますか、本題とも言えるキリスト教への評価が明らかな形で表出してきました。 どういう整理をつけようとしてるんですかね?この作家は。 ローマと今のイタリアは結び付かないという結論は変わりないようですが、今のイタリアが魅力ないのか?とは必ずしも言っている訳でもなさそうで、どういう考えなのか、これはこれで楽しみです。というかそうでないと、ここまで読み進められないほどの長さです、はい。
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五賢帝のトライアヌスの巻。 ダキア戦役の成功、内政、属州管轄の見事な手際、パルティア戦役の限界。 ローマの帝政時代を駆け抜けた歴代皇帝でも1.2位を争う有能なトライアヌスは何を思って生きたのか?
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五賢帝の一人、トライアヌスの治世。 ネルヴァに指名され、属州出身では初の皇帝となるトライアヌス。 ダキアを攻め、ドミティアヌスが定めたローマ防衛戦をさらに広げ、盤石なものとする。 防衛が固まった後、公共工事とその他の内政を着実に成し遂げ、帝国を確固たるものとする。 晩年はローマが常に抱え続けてきたパルティアとの問題を軍事解決しようとするも失敗。東方で病に倒れる。
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この上巻では、愚帝とされていた時代の後の「賢帝」とされていた時代の話。 その初期の「トライアヌス」帝の話です。
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カバーの金貨について 皇帝トライアヌス(皇帝への道;気概を胸に;ひとまずの帰都;古代ローマの“君主論”;空洞化対策;育英資金;ダキア問題;第一次ダキア戦役;建築家アポロドロス;「トライアヌス橋」;黒海から紅海へ;第二次ダキア戦没;凱旋;戦後処理;公共事業;属州統治;プリニウス;私...
カバーの金貨について 皇帝トライアヌス(皇帝への道;気概を胸に;ひとまずの帰都;古代ローマの“君主論”;空洞化対策;育英資金;ダキア問題;第一次ダキア戦役;建築家アポロドロス;「トライアヌス橋」;黒海から紅海へ;第二次ダキア戦没;凱旋;戦後処理;公共事業;属州統治;プリニウス;私人としてのトライアヌス;パルティア問題;遠征;死) 著者:塩野七生(1937-、北区、小説家)
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ローマ帝国の最盛期の時代、賢帝の世紀と名付けられた5人の皇帝の初めの皇帝がトライアヌスです。 さぞかし、華やかな展開が繰り広げられるのかと思いきや、この時代を書くに当たって作者の困り果てた事情が曝け出されます。それは、トライアヌスの治世についての信頼を置くに値する文献が絶無だった...
ローマ帝国の最盛期の時代、賢帝の世紀と名付けられた5人の皇帝の初めの皇帝がトライアヌスです。 さぞかし、華やかな展開が繰り広げられるのかと思いきや、この時代を書くに当たって作者の困り果てた事情が曝け出されます。それは、トライアヌスの治世についての信頼を置くに値する文献が絶無だったからです。いつも良きにつけ悪しきにつけ参考にしていた歴史家タキトウスもこの時代については「まれなる幸福な時代」という一行を書いただけでした。そのような、冒頭の「告白」があってのこの巻の内容ですから、血踊るというような場面の記述はなく、ダキア族相手の戦争にしても戦記物が残っていないため、「トライアヌス円柱」にある場面ごとの浮彫りの解説になっています。 ローマ帝国皇帝の三大責務として、1.安全保障、2.国内政治、3.社会資本の充実があるとのことですが、トライアヌスは、この3つの責務を一つ一つと着実に進めていきます。さらに、物語として読むのに楽しみな私生活にしても、トライアヌスには邪悪や堕落の一かけらも見出せない…と言わしめる存在ですから確かに伝記を書く方は困ってしまい、読む方も面白くもないのでした。そうは言っても、目いっぱい頑張って、任務途中で病に倒れた彼に作者は、属州出身者として初めてローマ帝国を治めたことをねぎらっています。
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