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文庫版 陰摩羅鬼の瑕 の商品レビュー

3.8

170件のお客様レビュー

  1. 5つ

    39

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    46

  4. 2つ

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シリーズ通して読んで…

シリーズ通して読んできた人には、冒頭で結末が読めてしまう。裏切ってくれと思いながら、あの厚さを読むのは拷問に近かった。

文庫OFF

2024/05/06

どういった結末を見せるのか? 犯人やその動機は 早いうちに目星がつくと思います どう気づかせ、どう納得させるのか 結末へ導く言葉の使い方が 面白くて仕方なかった

Posted byブクログ

2024/04/16

京極の魅力の一つは登場人物にシンクロしていくような没入感を得られる点にある。語り手は大概陰気でひねたやつが多いのだが、やはり関口は一際暗くて良い。陰摩羅鬼は現実世界での出来事が少ない分、関口の出口のない思索にどっぷり浸かってダウナー系の陶酔感。 話のネタは見えてるのだが、そこまで...

京極の魅力の一つは登場人物にシンクロしていくような没入感を得られる点にある。語り手は大概陰気でひねたやつが多いのだが、やはり関口は一際暗くて良い。陰摩羅鬼は現実世界での出来事が少ない分、関口の出口のない思索にどっぷり浸かってダウナー系の陶酔感。 話のネタは見えてるのだが、そこまでの過程、京極堂の憑物落としの快感は相変わらずすごい。 榎木津は今回目が見えてたら話が成り立たんので仕方ない。

Posted byブクログ

2024/04/11

純粋とは、生死とは、弔いとは、と無意識下の価値観を揺さぶられた。 百鬼夜行シリーズの中でも本作が1番好きという感想を多数拝見して読んだが、納得の内容だった。 『謎とは知らないこと。』 知らない方が良かったことなんて、世の中溢れていて、後悔ばかりだ。 無知は罪とも思う。いつもせめ...

純粋とは、生死とは、弔いとは、と無意識下の価値観を揺さぶられた。 百鬼夜行シリーズの中でも本作が1番好きという感想を多数拝見して読んだが、納得の内容だった。 『謎とは知らないこと。』 知らない方が良かったことなんて、世の中溢れていて、後悔ばかりだ。 無知は罪とも思う。いつもせめぎ合っていて目を塞ぎたくなる気持ちを思い出して噛み締めてしまった。 世の中は汚い。嘘や虚栄、誤魔化しで人を利用しているのを見るのは本当に心が擦り切れる。 でもはたして純粋なことは良いことなのか?本作で強く考えさせられた。

Posted byブクログ

2024/03/18

百鬼夜行シリーズの中で、結構好きな一編かもしれない。 冒頭から哲学的な応酬が重ねられ、論理の海に流される。膨大な言葉とページ数を尽くして語られる物語だが、実際の時間は物凄く短期間なのだ。伯爵と、鳥の城。その特殊な世界が読者の感覚も狂わせてくるのだろう。 ある意味、はじめから全てが...

百鬼夜行シリーズの中で、結構好きな一編かもしれない。 冒頭から哲学的な応酬が重ねられ、論理の海に流される。膨大な言葉とページ数を尽くして語られる物語だが、実際の時間は物凄く短期間なのだ。伯爵と、鳥の城。その特殊な世界が読者の感覚も狂わせてくるのだろう。 ある意味、はじめから全てが明らかであった。それでも、結末が気になって気になって仕方がなかった。視点者が関口くんと、伯爵と、伊庭さんに絞られていたせいか個々の思索論理の底に沈んでいけたのが、体感としてある。前作ではひたすらにひどい目にあっていた関口くんだが、今回は180度変わってひどく活動的だ。「関口巽」というキャラクターに対する印象も、上手く言えないけど変化があった。愚鈍なワトソン役のふりをしながらも、めちゃくちゃ興味深い人物じゃないか。あの連中とつるんでる時点で、只者ではないのか。 伯爵は、一貫して公明正大で清廉潔白。だからこそ、とてつもなく悲しい。薫子さんが物語の清涼剤でもあったからこそ、なお。そして私は伊庭さんのようなキャラクターが大好物だし、木場修との会話部分を何気にめちゃくちゃ楽しんだのだった。

Posted byブクログ

2024/01/07

あなたにとって生きているということはどんな意味を持つのですか? 前半は久しぶりに関くん語り多めで、応援するのが辛くなりましたが、途中からは珍しく大活躍。伊庭さんの存在もとてもよかったな... 夏に起こった事件、鳥が出てくる、関口くんが深く関わっている、とても不思議な事件、と、...

あなたにとって生きているということはどんな意味を持つのですか? 前半は久しぶりに関くん語り多めで、応援するのが辛くなりましたが、途中からは珍しく大活躍。伊庭さんの存在もとてもよかったな... 夏に起こった事件、鳥が出てくる、関口くんが深く関わっている、とても不思議な事件、と、「姑獲鳥の夏」との共通点をたくさん感じながら読みました。姑獲鳥の時は何度も読まないと理解できないところがあったのに、今回は早い段階で真相がみえてきました。 繰り返される哲学的なお話はすべて伏線へと繋がっていて、すとんと納得できるけど、哀しく切ないお話でした。

Posted byブクログ

2024/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは悲しすぎる。 まさか涙を堪えながら読む羽目になるとは。 ストーリーはもちろん面白い。 ぐいぐい読ませる文章も相変わらず。 そもそも題材が好みなのもあって一心に読み耽った。 毎度の事ながら、京極堂の語りには感嘆したり考えさせられた。 でも今回の『瑕』の意味を知った瞬間、微かな絶望感に襲われた。 帯の『謎とは知らないこと。』ってこういうことか。

Posted byブクログ

2023/12/30

ことの真相は京極ファンなら、かなり早い段階でたどり着くのではないか。かなりあからさまな、読者を騙してやろうという意志の余り感じられない書きぶりなので、むしろ甲羅を経たミステリファンの方が、レッド・ヘリングを疑って明後日の方角に進んでしまうかも知れない。☆シリーズの初期作、例えば『...

ことの真相は京極ファンなら、かなり早い段階でたどり着くのではないか。かなりあからさまな、読者を騙してやろうという意志の余り感じられない書きぶりなので、むしろ甲羅を経たミステリファンの方が、レッド・ヘリングを疑って明後日の方角に進んでしまうかも知れない。☆シリーズの初期作、例えば『姑獲鳥の夏』なんかはこのトリックを成立させるためには、この分量がどうしても必要というような説得力があったが、本作には感じない。正直、半分かもっと短くできるだろう。水増しと言えば言えなくもないのだが、このふわりとした感じがよいという読者は間違いなくいるはず。ただ文庫で読みむとさすがに重たい。☆終盤の展開には思わず落涙。

Posted byブクログ

2023/11/28

白樺湖近くに建つ洋館「鳥の城」。そこに住む主人、由良昴允。 伯爵と呼ばれる彼は過去4回、花嫁を新婚初夜に亡くしている。 5番目の花嫁、薫子を護るために呼ばれた榎木津と関口だが……。存在について考えるシリーズ第八弾。→ 個人的に原点回帰のように感じた本作。関口が主軸、閉じられた...

白樺湖近くに建つ洋館「鳥の城」。そこに住む主人、由良昴允。 伯爵と呼ばれる彼は過去4回、花嫁を新婚初夜に亡くしている。 5番目の花嫁、薫子を護るために呼ばれた榎木津と関口だが……。存在について考えるシリーズ第八弾。→ 個人的に原点回帰のように感じた本作。関口が主軸、閉じられた空間での事件、儚い謎、登場人物少なめ。 でも、作中で一年経っているし、読んでいる私も歳を重ねているので、姑獲鳥よりさらに切なく感じた。 伊庭さんがいいんだよなぁ。木場との絡み、好きだなぁ。 中禅寺と柴くんと絡みも良い→ そして中禅寺=京極堂の安定感よ……。クライマックスで京極堂が出てきた時の私の気持ち、たぶん関口とシンクロしてる(笑) 今作は榎木津があまりかっこよくなかったのが残念(笑)暴れっぷりも控えめだったような。

Posted byブクログ

2023/11/25

 京極夏彦さんの作品。例にもよって、分厚い。京極さんのミステリーの中で、多分初めて真相を300ページくらいで予期できた作品です。  内容自体は相変わらず面白く、京極堂が出てきて語り初めると、楽しさはピークに達します。

Posted byブクログ