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文庫版 陰摩羅鬼の瑕 の商品レビュー

3.8

173件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    67

  3. 3つ

    46

  4. 2つ

    10

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シリーズ通して読んで…

シリーズ通して読んできた人には、冒頭で結末が読めてしまう。裏切ってくれと思いながら、あの厚さを読むのは拷問に近かった。

文庫OFF

2024/11/02

とんでもない小説だと思う。「死」とはなにかについて言葉を尽くす。”認識に誤謬がある”とはどういうことかについて。 儒教の家父長制について。

Posted byブクログ

2024/06/03

宴でリセットして、第二部スタートみたいな位置づけで。 カロリーは大幅ダウンしていますが楚々として読みよい作品、 京極夏彦氏はすっかり大家になられました。 本シリーズ、ここまでは迷わず★5です。

Posted byブクログ

2024/05/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こんなアンジャッシュみたいな殺人、被害者達が可哀想すぎるな…。狂骨もある意味アンジャッシュみたいだったけど、こっちは誰にも殺意が無いのが尚更可哀想。関口がエピローグで元気にしていると次作で反動来るんかなと思っちゃう。

Posted byブクログ

2024/05/06

どういった結末を見せるのか? 犯人やその動機は 早いうちに目星がつくと思います どう気づかせ、どう納得させるのか 結末へ導く言葉の使い方が 面白くて仕方なかった

Posted byブクログ

2024/04/16

京極の魅力の一つは登場人物にシンクロしていくような没入感を得られる点にある。語り手は大概陰気でひねたやつが多いのだが、やはり関口は一際暗くて良い。陰摩羅鬼は現実世界での出来事が少ない分、関口の出口のない思索にどっぷり浸かってダウナー系の陶酔感。 話のネタは見えてるのだが、そこまで...

京極の魅力の一つは登場人物にシンクロしていくような没入感を得られる点にある。語り手は大概陰気でひねたやつが多いのだが、やはり関口は一際暗くて良い。陰摩羅鬼は現実世界での出来事が少ない分、関口の出口のない思索にどっぷり浸かってダウナー系の陶酔感。 話のネタは見えてるのだが、そこまでの過程、京極堂の憑物落としの快感は相変わらずすごい。 榎木津は今回目が見えてたら話が成り立たんので仕方ない。

Posted byブクログ

2024/04/11

純粋とは、生死とは、弔いとは、と無意識下の価値観を揺さぶられた。 百鬼夜行シリーズの中でも本作が1番好きという感想を多数拝見して読んだが、納得の内容だった。 『謎とは知らないこと。』 知らない方が良かったことなんて、世の中溢れていて、後悔ばかりだ。 無知は罪とも思う。いつもせめ...

純粋とは、生死とは、弔いとは、と無意識下の価値観を揺さぶられた。 百鬼夜行シリーズの中でも本作が1番好きという感想を多数拝見して読んだが、納得の内容だった。 『謎とは知らないこと。』 知らない方が良かったことなんて、世の中溢れていて、後悔ばかりだ。 無知は罪とも思う。いつもせめぎ合っていて目を塞ぎたくなる気持ちを思い出して噛み締めてしまった。 世の中は汚い。嘘や虚栄、誤魔化しで人を利用しているのを見るのは本当に心が擦り切れる。 でもはたして純粋なことは良いことなのか?本作で強く考えさせられた。

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2024/03/18

百鬼夜行シリーズの中で、結構好きな一編かもしれない。 冒頭から哲学的な応酬が重ねられ、論理の海に流される。膨大な言葉とページ数を尽くして語られる物語だが、実際の時間は物凄く短期間なのだ。伯爵と、鳥の城。その特殊な世界が読者の感覚も狂わせてくるのだろう。 ある意味、はじめから全てが...

百鬼夜行シリーズの中で、結構好きな一編かもしれない。 冒頭から哲学的な応酬が重ねられ、論理の海に流される。膨大な言葉とページ数を尽くして語られる物語だが、実際の時間は物凄く短期間なのだ。伯爵と、鳥の城。その特殊な世界が読者の感覚も狂わせてくるのだろう。 ある意味、はじめから全てが明らかであった。それでも、結末が気になって気になって仕方がなかった。視点者が関口くんと、伯爵と、伊庭さんに絞られていたせいか個々の思索論理の底に沈んでいけたのが、体感としてある。前作ではひたすらにひどい目にあっていた関口くんだが、今回は180度変わってひどく活動的だ。「関口巽」というキャラクターに対する印象も、上手く言えないけど変化があった。愚鈍なワトソン役のふりをしながらも、めちゃくちゃ興味深い人物じゃないか。あの連中とつるんでる時点で、只者ではないのか。 伯爵は、一貫して公明正大で清廉潔白。だからこそ、とてつもなく悲しい。薫子さんが物語の清涼剤でもあったからこそ、なお。そして私は伊庭さんのようなキャラクターが大好物だし、木場修との会話部分を何気にめちゃくちゃ楽しんだのだった。

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2024/01/07

あなたにとって生きているということはどんな意味を持つのですか? 前半は久しぶりに関くん語り多めで、応援するのが辛くなりましたが、途中からは珍しく大活躍。伊庭さんの存在もとてもよかったな... 夏に起こった事件、鳥が出てくる、関口くんが深く関わっている、とても不思議な事件、と、...

あなたにとって生きているということはどんな意味を持つのですか? 前半は久しぶりに関くん語り多めで、応援するのが辛くなりましたが、途中からは珍しく大活躍。伊庭さんの存在もとてもよかったな... 夏に起こった事件、鳥が出てくる、関口くんが深く関わっている、とても不思議な事件、と、「姑獲鳥の夏」との共通点をたくさん感じながら読みました。姑獲鳥の時は何度も読まないと理解できないところがあったのに、今回は早い段階で真相がみえてきました。 繰り返される哲学的なお話はすべて伏線へと繋がっていて、すとんと納得できるけど、哀しく切ないお話でした。

Posted byブクログ

2024/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは悲しすぎる。 まさか涙を堪えながら読む羽目になるとは。 ストーリーはもちろん面白い。 ぐいぐい読ませる文章も相変わらず。 そもそも題材が好みなのもあって一心に読み耽った。 毎度の事ながら、京極堂の語りには感嘆したり考えさせられた。 でも今回の『瑕』の意味を知った瞬間、微かな絶望感に襲われた。 帯の『謎とは知らないこと。』ってこういうことか。

Posted byブクログ