第1感 の商品レビュー
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タイトルの通り、「第1感」が正しいという話を、実例を交えながら、 様々な角度で解説して行く本です。 それぞれについて納得度の高い解説で、 直感ってやっぱり正しいのね、と思わされます。 本の中では直感、第1感で感じ取ることを 「輪切り」にすると表現していますが、 別の言葉で言えばシン・スライシングということでしょう。 人間の脳というか潜在意識と言うか、 一瞬の判断でも正しい方向に自分を導く力が備わっているものなんでしょうね。 その他、気になった部分に赤線を引いたので、 それを引用しておきます。 -------- 訴えられたことのない外科医は、訴えられたことのある外科医よりも、一人の患者につきあう時間が3分以上長かったのだ。 調査した男性CEOの平均身長は182センチほどだった。アメリカ人男性全体の平均は175センチだから、それより7センチ高い。 余計な情報はただ無用なだけでなく、有害でもある。問題をややこしくするからだ。 「感覚転移」 消費者にとって、製品のパッケージと中身は一体なのだ。 私たちはあるものをなぜ好きなのか、あるいは嫌いなのかについてもっともらしい理由を思いつき、本当の好みをその理由に合わせてしまう傾向がある。 感情を切り離して表情だけを作ることはできない。 -------- 気になった箇所があれば、ぜひ読んでみてください。
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テーマは認知心理学だが、内容はノンフィクション的。 男女と職業/家族や、人種と善悪といった、カテゴリーと価値観の組み合わせは、意識レベルでは差別していなくても、無意識のレベルで結び付いているという。男と家族、女と職業といった、結びついている組み合わせとは異なるカテゴリー分けのテ...
テーマは認知心理学だが、内容はノンフィクション的。 男女と職業/家族や、人種と善悪といった、カテゴリーと価値観の組み合わせは、意識レベルでは差別していなくても、無意識のレベルで結び付いているという。男と家族、女と職業といった、結びついている組み合わせとは異なるカテゴリー分けのテストでは反応時間が遅くなる。しかし、事前にキング牧師やネルソン・マンデラの写真や、オリンピックの陸上レースを見ると、反応時間が変わるという。 どのような客に対しても同様の対応を心がけるセールスマンは、客の信頼を得て売上を伸ばすことができる。肯定的な事柄と結びつけることで無意識に働きかけられるのであれば、自分のタイプと似た人物の成功例を著作や伝記を読むことなどによって追体験すれば、無意識のレベルで自信を付けることができるのではないかと思った。 即興芝居では、相手の言うことを否定しないというルールを守って掛け合いをすると、無理のない流れるような会話ができる。組織では、それぞれのメンバーが状況に応じて自発的な行動がとれる環境を与える方が機能する。 情報は多すぎると混乱して正しい判断ができなくなる。選択肢が多すぎると選べなくなる。 ・プライミング効果:使った言葉の印象が無意識に影響を与える
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素晴らしい良書。序盤では、直感による輪切りの判断の正確さを説く。中盤では念入りな調査と直感の勝負を語り、直感はいかに多様な情報を一瞬で判断できる力であるかを強調する。しかし終盤では、直感による間違った判断が起こした悲劇の例を説き、直感にも長年の経験、そして適切な判断力を保てるには...
素晴らしい良書。序盤では、直感による輪切りの判断の正確さを説く。中盤では念入りな調査と直感の勝負を語り、直感はいかに多様な情報を一瞬で判断できる力であるかを強調する。しかし終盤では、直感による間違った判断が起こした悲劇の例を説き、直感にも長年の経験、そして適切な判断力を保てるには時間が必要だと明かす。 個人的にはこの終盤の話は非常に見に摘まされる話であり、多いに参考になった。誰しも時間に追われ、切羽詰まった挙げ句とんでもない判断をしでかした経験はあると思う。適切に状況に対処するには逃げる場所と時間が必要だ。誰かを攻撃しなければならない状況に身をおいてはならない。これが非常にためになった。他の直感に関する著書にも引用されている本書だが、ぜひ原典としてはこの著書に目を通すのがおすすめ。思わぬ発見にはっとすることの連続で非常に有意義な一冊であった。繰り返し読みたい名著。
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読み物として、とにかく引き込まれた。それはおそらく、著者(加えて訳者)の筆力が大いに影響していると感じている。 本書は、適応性無意識、というものの存在と特徴を、さまざまなケースを例示しながら説明したものだと理解した。そこには、ハウツー本のような『こうすると、人の心が読めますよ』と...
読み物として、とにかく引き込まれた。それはおそらく、著者(加えて訳者)の筆力が大いに影響していると感じている。 本書は、適応性無意識、というものの存在と特徴を、さまざまなケースを例示しながら説明したものだと理解した。そこには、ハウツー本のような『こうすると、人の心が読めますよ』というようないかがわしさがなく、好感が持てた。実は、そもそもそのいかがわしいものを求めて本書を手にとったのだが、そういう内容でないことに、本書の良さを感じるというのは、なんだか奇妙なものである。 序盤は、輪切り(と訳された言葉) をキーワードに話が展開し、どちらかというと、『適応性無意識礼讚』というように読んでいた。直感の素晴らしさ、重要性のようなものを感じた。 ところが中盤以降はそれだけでなく、『適応性無意識』は、偏見や差別として、その姿を見せるというような事例や、その無意識を乗り越えることの重要性についても記述されている。 著者はこの『適応性無意識』の存在の重要性を論じてはいるが、それに頼るべきなのか、そうではないのか、ということについては、直接訴えていないように感じる。それよりも、様々な場面で重要な役割をはたすこの無意識の存在を、きちんと受け止める必要がある、ということを訴えているのではないだろうか。 仮に都合の良いデータを選んで使用しているとしても、十分説得力のある、興味深い本であった。 また読みたい。
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内容はなるほどと思うところが多数。 しかし、読後感がなぜか良くなかった。 時間を置いてもう一度読んでみようと思う。 ・ある発掘美術物の評価 →ある美術館が購入前に、美術品の地質調査等を依頼し、 ある一定の評価を得たため購入。 →プロが観ると「何かが違う」と違和感 ⇒贋作であることが判明 ・コカコーラとペプシ ・音楽プロデューサーお墨付きの新人シンガーのラジオ事前調査の不振 しかし、 ・「味」プロはだまされない、ゆらがない
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論理性だけでなく、感性・直観を大切にしよう、という、左脳と右脳のバランスの考えにも通ずる。ただし、感性や直観は経験や努力(左脳的、論理的)に基づいて生成される無意識の反応である。この事を意識しておきたい。 選択肢を並べすぎると逆に選択・判断ができない、というのは、仕事上も使える。...
論理性だけでなく、感性・直観を大切にしよう、という、左脳と右脳のバランスの考えにも通ずる。ただし、感性や直観は経験や努力(左脳的、論理的)に基づいて生成される無意識の反応である。この事を意識しておきたい。 選択肢を並べすぎると逆に選択・判断ができない、というのは、仕事上も使える。もっとシンプルに、シンプルに。
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最初の印象が大事である。ただし、先入観がない場合に限る。夫婦間では、侮蔑するようになったらおしまい。医師は腕よりも患者に対して人として誠意をもって接することが大事。
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ロジカルシンキングではなく、人間の持つ直感の力について書いてある本。正直、人間の直感がここまでとは思わなかった。きちんと訓練すれば、人間の直感も正しくコントロールできる様になる。
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「『最初の2秒』の『なんとなく』が正しい」。 熟考した末に下した判断が間違えていた、という経験は誰にでもあると思う。直観を信じてみよう! 掲げられた事例は興味深いものが多い。 模造品の疑いのある「古代ギリシャ彫刻」を見て違和感を感じた専門家たち。 軍事演習で、論理...
「『最初の2秒』の『なんとなく』が正しい」。 熟考した末に下した判断が間違えていた、という経験は誰にでもあると思う。直観を信じてみよう! 掲げられた事例は興味深いものが多い。 模造品の疑いのある「古代ギリシャ彫刻」を見て違和感を感じた専門家たち。 軍事演習で、論理的に戦ったチームに対し直感的判断によって戦って勝利を収めたチーム。 しかし、直感的判断は次のような条件により、誤るリスクが高くなる。 ・ 無意識の先入観や偏見、願望 (肌の色、身長、性別などが判断に影響を与える) ・ 言語による説明の要求 (直感を言語によって説明できないと、話をでっちあげ、それに沿うように行動する。) ・ 極度の緊張状態 ・ 判断時間が非常に限られた状況 また、情報の過多が判断を鈍らせるともあった。だがよい判断には経験や情報量の多さが必要だと思う。普段は情報・経験を蓄え、いざ判断をせまられた時は少ない情報・原理原則から素早く判断を下すことが必要だと感じた。 解決策の明示はないが、考える余地を読み手に残しておいてくれている。こういうところが洋書のいいところだと思う。 楽しい。想像力をかきたてられるしオススメです!
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面白かった。帯に書いてある「人間の能力の広がりとその限界を、豊富な実例で教えてくれる1冊」というコピーそのものの内容。
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