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八本脚の蝶 の商品レビュー

4.3

50件のお客様レビュー

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2024/02/03

自ら決める。⁡ ⁡⁡ ⁡ってな事で、二階堂奥歯の『八本脚の蝶』⁡ ⁡⁡ ⁡2001年6月13日から自らの意志でこの世を去る2003年4月26日までのネット上で発表された彼女の日記。⁡ ⁡⁡ ⁡好奇心から読み始めて、ぐちゃぐちゃな感情へと引きずり込まれる。⁡ ⁡⁡ ⁡中盤までは二階...

自ら決める。⁡ ⁡⁡ ⁡ってな事で、二階堂奥歯の『八本脚の蝶』⁡ ⁡⁡ ⁡2001年6月13日から自らの意志でこの世を去る2003年4月26日までのネット上で発表された彼女の日記。⁡ ⁡⁡ ⁡好奇心から読み始めて、ぐちゃぐちゃな感情へと引きずり込まれる。⁡ ⁡⁡ ⁡中盤までは二階堂奥歯と言う人間の真っ直ぐさ、濁りの無い強烈な真っ直ぐさに興味を持ち惹かれていく感じ⁡ ⁡⁡ ⁡中盤過ぎからは徐々に曲がり出してくる真っ直ぐさに目を背けたくなるが、目が離せない⁡ ⁡⁡ ⁡結末を知っているのに、ハラハラしながら読んでる背徳感と言うのか⁡ ⁡⁡ ⁡分かりたい、分かりたくない、分からない、分かりえない⁡ ⁡⁡ 何でと思うわしに、二階堂奥歯もなんで分かってくれないのと思うんじゃろうか⁡ ⁡⁡ ⁡これは本人しか分からない事であると思うし、本人でも分からない事じゃないかと思う⁡ ⁡⁡ ⁡真っ直ぐ過ぎてほんの少しええ加減さも許されない、選択しない、出来ない状態じゃったのか⁡ ⁡⁡ ⁡自ら決めるボタンを押せるのは真っ直ぐな人、真面目な人が多いんじゃないかとわしは思う ⁡ ⁡⁡ ⁡自らを最大限否定して真っ直ぐに肯定しているのか⁡ ⁡⁡ ⁡ええ加減なわしはボタンは押せないな ⁡⁡ ⁡その境地まで辿り着いて、無事に生還したT氏と呑みながらその時の話を聞いてみたい。⁡ ⁡⁡ ⁡2022年12冊目

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2023/11/18

知らない多くの本が引用されていて読書の幅が広がるのでとても参考になる。 内容自体は引き摺り込まれる人が多いだろうなといった感じ。特に他人の傷と自分の傷を重ね合わせる人にとってはつらいかもしれない。 何かドカンとしたインパクトがあるわけではないけれど日記の中に常に漂う躁鬱のような感...

知らない多くの本が引用されていて読書の幅が広がるのでとても参考になる。 内容自体は引き摺り込まれる人が多いだろうなといった感じ。特に他人の傷と自分の傷を重ね合わせる人にとってはつらいかもしれない。 何かドカンとしたインパクトがあるわけではないけれど日記の中に常に漂う躁鬱のような感情は人を惹きつけるカリスマのような何かと何をやっても自分が救われることのない矛盾性を感じた。

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2023/06/12

大大大好きな本なんです。 今回が読むの3周目なんだけど、一番刺激的だった気がする。 こんなふうに自殺してみたい…こういういなくなり方をしたい! 憧れだか同化願望だか、つまり人によっては劇薬になりうる魔力。 それがこの本にはある…できれば文庫版より、原本を手に取ってみてほし...

大大大好きな本なんです。 今回が読むの3周目なんだけど、一番刺激的だった気がする。 こんなふうに自殺してみたい…こういういなくなり方をしたい! 憧れだか同化願望だか、つまり人によっては劇薬になりうる魔力。 それがこの本にはある…できれば文庫版より、原本を手に取ってみてほしい。 より奥歯さんの魔法にかかれるから。 原本はもう絶版みたいなんだけど、私は中古で買った。 奥歯さんの魔法にかかっていたかった…また人間的に成長した時に、もう一度奥歯さんに会いたくなった時に、読み返したい本。

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2022/12/25

自分で作り出した山に駆け上がり、眺望に感激した。山を作ると相対的に谷ができるのだけど、それには目をつぶって飛び込んだ。今思うと、あの頃の私は無敵状態だった。でも、闇雲にダッシュし続けると、とんでもないところで無敵状態が終わるのだった。 自分が必要とされていない時も外界に存在して...

自分で作り出した山に駆け上がり、眺望に感激した。山を作ると相対的に谷ができるのだけど、それには目をつぶって飛び込んだ。今思うと、あの頃の私は無敵状態だった。でも、闇雲にダッシュし続けると、とんでもないところで無敵状態が終わるのだった。 自分が必要とされていない時も外界に存在して意識を持ち続けないといけないから、悲しいこともある。 道具になりたい。特異的な容器となって、自我を手放し全一性の光の中に溶けてしまいたい。でも、「私」をあずけて楽になっていいの? この躰からあふれ流れるもの、それは例えば涙ではなくて、私の意思、わたし。もっと溶けて流れてゆけ。私がなくなるまで。 何かを信じるということは、目をつぶり鈍感になることだ。それによって生まれる単純さによって安らぎと強さを得ることができる。 感情はせいぜい利用すること。最大のエネルギー源だから。 あなたが大切に思っているものを、私は今でも大切に思っている。大丈夫だから。安心して。それを信じて構わないから。あなたが愛しているものを、愛しなさい。 自分自身から離れれば離れるほど、作り物になればなる程愛されることを知っている。しかし、その身体は作られたときから崩壊が始まっているのだ。 崩壊が必ず来ると知っていながら見る未来。だって、崩壊の原因は自分自身なのだから。自分自身によって内側から浸食されつつある存在価値。ねえ腐っていく音聞こえないですか?私の中から腐っていく音聞こえないですか? 崩れる寸前までは完璧でいるから。崖から落ちるまでは見事に踊って見せるからね。 私がぐずぐずして全てを言葉にするのを拒み続けるならば、運命はもっと悲惨な状況を用意することで、無理やり壁を越えさせるだろう。けれど、ストレスは一向に減らない。 私達は強くない。賢くない。悟らない。ずっとは。ずっとのあいだは。でも、一瞬なら。一瞬なら強くなれる。一瞬なら賢くなれる。一瞬なら悟れる。一瞬なら、水面を破ることさえも。自分からさえ跳ね上がることができる。そして私達は、それを思い出にする。 苦痛は眠りに似ている。自我を手放して休むことができるから。 どうしても疲れたならば、苦痛を求めなさい。苦痛があなたを支配している間だけは、目を閉じて意識を飛ばしてもいい。 行き止まりに見えていた道にまだ先があると気づかせてもらえることは喜びだ。 私はどんどん空っぽになっていった。空っぽになりながら、心の底から絞るようにして、悔しいと思った。 「私」は目を閉じることによって、世界を遮断したかのように思い込むことができる。しかし、「私」は〈私〉を閉じることはできない。 しなければならないことは可能なことでなければならない。 逃げ道はある。逃げなければならないものから逃げ出すんだ。立ち直るな。退却しろ。あなたは敗北したのだから。退路を探すんだ。 でもね。これだけは知ってて。本当はね。本当の本当はね。世界はあなたのことを愛しているよ。あなたの周りの人々も。あなたが幸せでいられますように。あなたが世界に許されますように。あなたが、あなたを、あなた自身を許せますように。

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2021/08/23

まだ復刊される前に、びっくりするような値段で古書店で買った。二階堂奥歯という人は、もう亡くなっているということを除いてもとても遠い世界にいる人。少女時代だった自分のバイブル的な本。

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2020/02/20

うかつに感想を書けない。まだ書くだけの力が自分にないと感じる。 数日気分が落ち込みました。 引用されている本が気になるのでこれから読書の幅が広がりそう。 そういう意味でも一読の価値ありです。 不謹慎は承知の上で、これだけ惜しまれてそれだけの才能があって、羨ましく妬ましい。

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2018/06/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

裕福な家に生まれ、人並み以上の容姿を持ち、早稲田大卒で恋人もいて、大手出版社の編集者で、あの中野翠に”できる子”と言わしめられ、なんで、なんで死ぬ必要があったのだろうか…。 死の誘惑に取り付かれてしまったが最後、もう生きてはいけなかったんだろう。 私も中野翠氏とまったく同じ”バカだなぁ”としか言えない。

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2018/03/06

どうしたらいいんだろう。 自分の恋人が死に瀕している。 気休めの言葉では引き戻せない。 自分より智に優れた人に以前より惹かれている。 どうしたらいいんだろう。、

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2017/12/15

自分の力量不足を痛感しました。哲学や宗教の話はどうにもちんぷんかんぷん。それでもグイグイ貪るように読めたのは、二階堂奥歯さんのモノの見方が好きで、奥歯さんが紡ぐ物語が好きだからだと思う。

Posted byブクログ

2016/12/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりに知的な本に遭遇した。読書の質が半端じゃない。著者が読んでいる本が書かれてあるが、1冊読むのに何日もかかる難しい(もしくは変態)本ばかりだ。それを著者は1日で読んでいる。すごい読書量だ。でも、早熟の天才は早く世を去っていく。原口統三のように。

Posted byブクログ