八本脚の蝶 の商品レビュー
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この本の中に出てくる、読んだことの無い物語、アート、メイクや香水の話、 カトリックの祈り、聖具、ぬいぐるみ、エログロ、ジェンダー…。 理解出来ない趣味もありましたが、 どれも、キラキラと私を引きつけて止みませんでした。とても魅力的な方だったのですね。 日記あとの色々な方からの寄稿文も、奥歯さんの人となりがよく分かります。 ずっと読みたかったので、読めてとても嬉しい。図書館で借りたものですが。是非とも手元において、何度でも読み返したい。 最期は悲しい結末ではありますが、彼女は今は幸せであると信じています。 会ってみたかったなぁ。
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ようやく読めた。図書館万歳。 国書刊行会の編集者だった彼女がウェブで綴っていた膨大な読書日記と思考の軌跡の数々。 書評読むたびに、(あたりまえだけど)作家だからか読書量すごいし聞いたことない作家がずらりと並ぶけど、二階堂さんの書評は質、量ともに群を抜いている。私はフェミニストでは...
ようやく読めた。図書館万歳。 国書刊行会の編集者だった彼女がウェブで綴っていた膨大な読書日記と思考の軌跡の数々。 書評読むたびに、(あたりまえだけど)作家だからか読書量すごいし聞いたことない作家がずらりと並ぶけど、二階堂さんの書評は質、量ともに群を抜いている。私はフェミニストではないから共感できない部分もあったけど、自分があまりにも自分らしいと感じる避けて読まない作家の本をたくさん読まれていて、揺さぶられた。(私はあまりにも私らしいと思うものはなかなか読まない) 全開な人だったんだな、という印象。 あけっぴろげではないけど、自分と物語にたいして全開な人。 40代50代になった彼女の書評を読みたかった。 彼女の青山正明さんに対する言葉をそのまま借りるなら、「死ぬ瞬間幸福に飛べたのならよいのだけれど。」 図書館派というのもなんだかうれしい。 そりゃ、この読書量じゃ全部買うのは無理か。
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「八本脚の蝶」は、2003年に自ら命を絶ってしまった、二階堂奥歯さんのウェブ上で綴っていた日記の名前です。 同名で書籍化されたのがこの本です。 読み終わっても読み終えられない本。
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難しくて理解できないことばかり。それでも最後まで読んでしまったのは何故だろう。出てくる本のリストは知らないものばかり。読んでみたら少しは奥歯さんのことがわかるかな。知ったときには既に亡くなっていたけれど、奥歯さんのことが気になる。
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奥歯さん。お会いしてみたかった。 貴女に話したい事も、聞きたい事もたくさんあるのです。 貴女が居なくなった今、こころからの笑顔があることを想っています。
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聖女のマゾヒズムと、相反するフェミニズムを同居させた、稀有な性格。 俗なところやチャーミングなところも全部まとめて好きになってしまう。 追記20110119mixiより ずっとずっと昔から、自殺者の書き残したものには、強く強く心惹かれてきた。 (高野悦子を嚆矢とする) 自...
聖女のマゾヒズムと、相反するフェミニズムを同居させた、稀有な性格。 俗なところやチャーミングなところも全部まとめて好きになってしまう。 追記20110119mixiより ずっとずっと昔から、自殺者の書き残したものには、強く強く心惹かれてきた。 (高野悦子を嚆矢とする) 自分の状況に常に鑑みながら(つまりは自分もその一員だと自負を持ちながら)読んでいたその頃とは異なり、 自分は自死を選ばないだろうという漠とした予感に支配されている最近。 読んでしまった。 二階堂奥歯は、人を引き込まない。 引きずらない。 この人がどんな人なのか、最初から最後までわからなかった(この人の作以上の情報を仕入れるのは、身が切られるような思いのために、できなかった)が、 愛好する文学は似ている。 まるで自分の半身というと言い過ぎかもしれないが、 一部分が失われてしまったような喪失感と、恍惚を感じてしまった。 かわいらしい女の子から、思考者へ。 惜しくらむは、引用の多さ。 引用せずにはいられない切迫を読むべきなのだろうけれど、 適わぬ願いとはわかりながら、もっとキュートな「日記」を読みたかった。 私の理想の女性は、……人形……御しやすい俗世間の女……エキセントリックな女…… など、奥歯への共感と、奥歯を客体として見る視点に引き裂かれながら読んだ。 すると、最後の日に、とある男(哲)への私信が。 彼に対する、苛烈な嫉妬……。 恋なのか。 恋ではないのか。 ……などと感想を書きつけてしまったが、実はウェブで読んだにすぎない。 アマゾンでは1万円近くするし、古本サーチでもうまくひっからず。 でもいずれ手に入れるという確信を元に、書きました。 たった2年と数カ月なのだ…………。
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こんなにも我慢できない衝動というものを私は知らない。 知っているこの人は自らこの世界を去ってしまいました。 いまでもブログは存在していて、お別れの言葉もそのまま残っている。 これは本当のことなんだろうか? お風呂が好きで、愛情がほしくて、本が好きで、人形が好きで。 家族の会話がと...
こんなにも我慢できない衝動というものを私は知らない。 知っているこの人は自らこの世界を去ってしまいました。 いまでもブログは存在していて、お別れの言葉もそのまま残っている。 これは本当のことなんだろうか? お風呂が好きで、愛情がほしくて、本が好きで、人形が好きで。 家族の会話がとても恐ろしかった。 それが当たり前なのだとしても、自殺をすることを家族に話すことはできるのに、その衝動を止められなかったことが、私にはただただ恐ろしかった。 本は買っていません。 ブログも、もう見ないと思います。
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とても深い思索の糸に絡めとられてしまいそうに、なりました。 生きていることの方が、死ぬよりも苦しいっていうことも、あるのかもしれないですね。死んでからのことは感じられないから、比較の仕様がありませんけれど。 読んでいる最中、何度も何度も本も目も閉じて自分の思索の糸を辿ってしまいま...
とても深い思索の糸に絡めとられてしまいそうに、なりました。 生きていることの方が、死ぬよりも苦しいっていうことも、あるのかもしれないですね。死んでからのことは感じられないから、比較の仕様がありませんけれど。 読んでいる最中、何度も何度も本も目も閉じて自分の思索の糸を辿ってしまいます。残酷なまでに増殖し続ける書物の世界に、たゆたいたい、そう感じさせられました。
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わたしは、わたしを殺したりはしない。きっと。 でも、奥歯さんの言葉が読みたくてたまらなくなる日があるのは、なんでなんだろう。
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自分の好きな作家についての評文が載っているらしい、という事を知り手に取った。 読み終えて既読、未読の本も含め、この方と自分は割と読書傾向が似ているらしい事が分かり、紹介された本の数々に改めて思いをはせると共に、その夭折を残念に思った。 自分自身の感性をどうしても変えることができな...
自分の好きな作家についての評文が載っているらしい、という事を知り手に取った。 読み終えて既読、未読の本も含め、この方と自分は割と読書傾向が似ているらしい事が分かり、紹介された本の数々に改めて思いをはせると共に、その夭折を残念に思った。 自分自身の感性をどうしても変えることができなかった故の結果だろうが……身の回りの好きなもの達を次々語る楽しげな口調が次第に変質していく日記文はとても痛ましく、結末が悲しい。
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