八本脚の蝶 の商品レビュー
彼女の書物。 やっと手に入れた!重版してくれた出版社さんに感謝です。 こんなにも感情豊かで、乙女で、賢い人が在ったなんて(呆気)。 彼女の読者体験は私の一生でも敵うものじゃない。 唯々呆気に取られる思いでした。 私と同じ日本人で、同じこの地球に生きていたとは思えない。 あっ視て...
彼女の書物。 やっと手に入れた!重版してくれた出版社さんに感謝です。 こんなにも感情豊かで、乙女で、賢い人が在ったなんて(呆気)。 彼女の読者体験は私の一生でも敵うものじゃない。 唯々呆気に取られる思いでした。 私と同じ日本人で、同じこの地球に生きていたとは思えない。 あっ視てるもの、感じてるものが違うんだから当然だ。それでも、違いすぎるよ、私。 彼女がどこに向かってたのか知らない? 彼女は駆け抜けていった。アホな私はゆっくりと忘れながら進む。(どこへ?) 人生を上手く生きていけるように、賢くなりたいな。 あと、どれくらい本が読めるだろうか。 この本は、すぐそばに置いときます。人形のようです。
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博覧強記でかわいくて(どんな容姿かはみたことないけど)、こんな方がほんとうに存在していたのかと驚いた。
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大切なのは結果ではなく、過程なのだと思わせる一冊。 頁を捲るたび、凡庸であることを悔い、そして凡庸であることに安堵する。
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本書は26歳の若さで自ら命を絶った女性編集者が、ウェブ上で公開していた日記を1冊にまとめたものだ。年間600冊以上の本を読み、コスメやファッション、オカルトを偏愛する彼女が残した言葉の数々、それを生み出した繊細(すぎるがゆえに最後は破綻してしまった)感性、一読して彼女が優れた読者...
本書は26歳の若さで自ら命を絶った女性編集者が、ウェブ上で公開していた日記を1冊にまとめたものだ。年間600冊以上の本を読み、コスメやファッション、オカルトを偏愛する彼女が残した言葉の数々、それを生み出した繊細(すぎるがゆえに最後は破綻してしまった)感性、一読して彼女が優れた読者であり、編集者だと(僕でも)分かる(実際解説で誰かもそう書いていた)。普段僕の読むような本(主にノンフィクション系)はほとんど登場しないので(しかもコスメとか当然のごとく知らないし…)どこまでその世界観と共振できたのか甚だ怪しいのだが、こういう奇跡のような人がいたということを知れただけでもちょっと感動してしまう。そういう1冊。ちなみに星が一つ欠けているのは、僕が未熟な、勉強不足なだけです。 さらにどうでもいいことだけど、この本、引用がやたらと多い(勿論良い意味で)。担当編集の人(斉藤さん)大変だったろうなー、といらぬ気遣いをついついしてしまった。
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私の大切な大切な本の1冊。Web日記から書籍になって、改めて読んでいるとそれまでうすぼんやりとしていた奥歯さんの輪郭がくっきりと浮かび上がってきて、その思考がなだらかに入り込んでくる。そして力強さを感じる。彼女を抱きしめるようにそっと本を抱く。ふと本から温度が発せられ温かなものが...
私の大切な大切な本の1冊。Web日記から書籍になって、改めて読んでいるとそれまでうすぼんやりとしていた奥歯さんの輪郭がくっきりと浮かび上がってきて、その思考がなだらかに入り込んでくる。そして力強さを感じる。彼女を抱きしめるようにそっと本を抱く。ふと本から温度が発せられ温かなものが私の皮膚を肉を血液を通して流れ込むような感じを覚える。彼女の肉体はもうこの世にないけれど、精神と魂はこうして受け継がれる。(2006年2月読了)
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古書価格が高騰していた本の復刊。 『幻想文学』に掲載されていたブックレビューが目当てで買ったが、日記を一気読みすると色々な意味で圧倒される。 日記に登場する小説は読んだものもあり、タイトルだけ知っているものもあり、全く知らないものもあり。幾つかメモしたのでそのうち探してみよう。
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復刊ドットコムさんで投票していた本でした。まだこの本のサイトはネットにあって読めるけれど、手元に置きたい本だったので。 この度、復刊(重版)されて、ようやく手元にきてくれました。 中野翠さんも「着るものに興味がある女の子はそうそう簡単に自分で死んだりなんかしない」信仰があったの...
復刊ドットコムさんで投票していた本でした。まだこの本のサイトはネットにあって読めるけれど、手元に置きたい本だったので。 この度、復刊(重版)されて、ようやく手元にきてくれました。 中野翠さんも「着るものに興味がある女の子はそうそう簡単に自分で死んだりなんかしない」信仰があったので虚をつかれた、と書かれていますが、私もその信仰があるので、やっぱり不思議でした。 読むと懐かしいさみしさがいっぱいあります。 言葉の美しさがあって、きらきらしてます。でもわたしはこんな風に奥歯さんという物語をまもって欲しくなかったな、とどうしても思うので、ちょっとやな気持ちにもなります。くやしくて、やな気持ち。しかたない、ともわかるので、私は読み手なんだし、とも思うから、気持ちは切り替えられますが。
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※このレビューにはネタバレを含みます
http://homepage2.nifty.com/waterways/oquba/month/oquba200106.html で読めるブログに、著者を知る人たちが文章を寄せたものだという。 復刊リクエストというサイトで知ったが、著者は元国書刊行会の編集者で、ペンネームで書評も行い、ブログで予告して自殺した人との事。ちょっと「二十歳の原点」の高野悦子を連想してしまう。 3月24日、本の現物が届いたので読み始める。 26日読了。彼女が死を指向している事を知った周囲の人やご家族の焦燥感、無力感はいかばかりだったろう。 痛ましいと言うと、何もわかっていないと責められそうだが、本当に生き急いだ。仮にどこかで出会ったとしても私は対等に話は出来ず、彼女の関心の対象にはなれなかったろうが、生きていてほしかった。 読んでいる本の3割くらいはかぶっている。という事は、この中に出てくる未読の本も私の嗜好に合うかもしれない。 読んでいると、何か発想が浮かぶような気がする。ページを閉じると消える程度の淡いものだが。いつか形にできるかもしれない。
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7年ぶりの復刊。私という一冊の本を、私が破棄してはいけない? いけない。そんなことをしてはいけない。私は、物語をまもる者だから。今も、そして死の最後の瞬間にも。伝説のウェブ日記、ついに復刊!「物語」を愛してやまなかった人が、今、あなたに読まれる物語になった。圧倒的な感性。驚くべき...
7年ぶりの復刊。私という一冊の本を、私が破棄してはいけない? いけない。そんなことをしてはいけない。私は、物語をまもる者だから。今も、そして死の最後の瞬間にも。伝説のウェブ日記、ついに復刊!「物語」を愛してやまなかった人が、今、あなたに読まれる物語になった。圧倒的な感性。驚くべき思考の世界。若き女性編集者が、世を去る直前まで綴りつづけた、深遠で切実な心の記録。作家、書店員、恩師、友人、恋人… 生前近しかった13人による書き下ろしコラムと、雑誌「幻想文学」に掲載されたブックレビュー7篇も特別収録。▼内容◆日記(二〇〇一年六月一三日〜二〇〇三年四月二六日)◆記憶 -あの日、彼女と--空耳のこんにちは(雪雪)--教室の二階堂奥歯(鹿島徹)--エディトリアル・ワーカーとして(東雅夫)--二〇〇二年の夏衣(佐藤弓生)--六本脚の蝶から(津原泰水)--夏のなかの夏(西崎憲)--奥歯さんのこと(穂村弘)--主体と客体の狭間(高原英理)--最後の仕事(中野翠)--二階堂さんの思ひ出に添へて(高遠弘美)--夜曲(松本楽志)--ポッピンアイの祈り(石神茉莉)--旅(吉住哲)◆特別収録:「幻想文学」ブックレビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
奥歯さんとお話がしたかったです。 それが叶わない今、彼女が見た様々なものを通して私は奥歯さんを追いかけています。時には奥歯さんの示してくれた道をなぞり、時には奥歯さんに形作られ、時には奥歯さんにこんなものがあるよと私の目と心を通して彼女にビビビとこの世界の信号を送ります。 おびただしい数の本を読み、いつも遠くにある世界を憧憬と尊敬を込めながら、いつも冷静な眼差しで見据えていた奥歯さん。 大切な人を傷つけるかもしれない、そんないつくるともしれない時のために人知れず小さな心を奮い立たせて知識を積んだ奥歯さん。いつかくるかもしれない誰かの悲しみのために一人世界と戦っていた小さな奥歯さんを思うと言葉になりません。 大人になってからも奥歯さんは「いつか」「どこかに」「あるかもしれない」私達が見過ごしてしまうものの中にたくさんの世界の美しい断片を見ていました。そして同時に彼女の賢さと聡明さは、同じだけそうではないものも受け取り、彼女はその断片に傷つきながらも傷つけられながらも世界の読み方を知ろうと立ち向かい、そして突然にここから旅立ちました。 最後に美しいものをたくさん見た、この世界は美しいと言ってくれた奥歯さんが安らぎと満足の中であちらの世界へ旅立たれて行ったと信じたいです。 彼女に訪れたこの世界の最後は、死ではなく、いつかどこかで出会うはずだった可能性に出会うこと、パラレルワールドへ行くことのようなそんな気がします。あちらがわの世界で好奇心旺盛な奥歯さんがホームズのように世界の秘密を解き明かそうとしている姿を想像してしまいました。本当にそうならいいのに、と強く思ってそんな世界を私は想像し創造します。奥歯さんがあちらの世界でも大好きな物語を読めるように。 ラピュタの飛行石のように真っ直ぐな光で方角を指し示す語られる言葉を探していた奥歯さん。 彼女の聡明な目でたくさんの様々なものを見てもなお、「美しい」と言ってくれた世界。奥歯さんの優しさと強さから出た言葉であったとしても、私は彼女が差し示してくれたこの世界の物語を読む視点を宝物に歩き続けます。
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