100万回の言い訳 の商品レビュー

唯川恵(著者)

2022/10/07

人物描写が丁寧で、どんな人なのかありありと浮かんでくる
夫婦とは、ただの不倫問題を描くことでではないかたちで
少し考える余地を残してくれるような
もちろん筆者も答えを出せていないからであろうというのもあるけど
自分が将来結婚して、幸せじゃないことはないけど夫婦ってなんだろうと思ったときに読むといいのかもしれない

2021/09/16

いろいろな年代の恋愛観、結婚感が綴られている
長い年月の結婚生活、迷いや思いが錯綜しながら、あふれている
甘ったるい恋愛小説ではない
女の立場、男の立場、それぞれでおなじような事を思い、描かれている
日常生活がモチーフになっているからか、読みやすい
迷いながら、結局結論はないというところだろうか

2017/08/18

【あらすじ】
知り合った頃、この人と恋人になりたいと思った。恋人になったら、結婚したいと思った。夫婦になった今、次はどうすればいいのだろう―。士郎と結子は結婚七年。平穏な生活で仲は悪くない、だけど何か足りない。ところが思いがけない事による別居生活が始まって、ふたりは…。離れて、恋をして、再び問う夫婦の意味。結婚に悩めるあなたの胸に、静かな波紋を呼び起こす長篇小説。

【感想】

2016/02/21

夫婦という実体のない枠になんとなくはまり、可もなく不可もない日常を送ってきた二人が、火事からの別居を機に自分の可能性や「選べたかもしれない道」に気づいてしまう。女という生き物に対してはやけにキツイというか、厳しい描写をするなと思った。物語はコロコロ進んでくのですらすらよめる。読後感は共感とか感動ではなく、ほわ〜そんなもんかしらねえ、という感じ。あんまり幸せな気持ちにはなれない気もする。

2015/05/09

あるきっかけで夫婦と言う絆が薄れた
一組の夫婦と、その周りの人たちの物語。

一見すると、周辺人物には
関係がないように思えますが
ある｢悪人(しかも金持ち野郎)｣を軸にして
きちんと全部つながることとなります。

まあ、それはサブ的な物語で
メインは馴化した生活が変わったがために
その道を踏み外していく堕落の物語。
ただし、堕落とはいっても火遊びですが。

なんと言うか確かに主人公は
好きになれない人ですね。
わざわざ災禍に突っ込んでいく女ですから。
自分ができていると思っても
自爆するような人です。
現実に…

最後はスカッとするはず。
そう、あいつの鼻を折ったから。

2015/04/05

夫婦って何でしょう。
結婚して長く一緒に住んで一緒にいるのが当たり前になり、結婚するまえの恋愛感覚などなくなってしまい、妻は夫に女として見られなくなってしまう。
二人をつなぐものが見えなくなり、マンションの火事をきっかけにお互いそれぞれの生活が変わり始める。
最後はお約束の、全ての登場人物が一つの線でつながるというドキドキ。
結婚するのちょっと嫌になるけど結婚する前に読んでおいたほうがいいよ(と19の自分が申しております結婚しちまったよざまあ)

2014/06/01

突拍子もない概念や考え方をいきなり突きつけられるよりも、分かり切ったことを、しかし自分にとっては言葉にするのがなかなか困難で、それでいて絶対的な機軸として自分を支えていることを、色々な形や視点で言い表されているのを読む。自分の好む読書ってそういうものだなと実感。夫婦って何か。陳腐な悩みだ。不倫から夫や妻の大切さを学ぶ。実にありふれている。それなのに、そんな第三者的な、皮肉ったような見方では読めないのが、不思議なところだ。圧巻ではなく、共感によって人を惹きつける本だなー。人物の結びつき方や、影響の与え合い方がとても面白い。二つないし、複数の螺旋がどこで絡むのか、そしてその絡み方の強弱にも物語の面白さは関係しているはず。それがなかなか絶妙だった。

2013/09/28

夫婦の曖昧さが出ていた。
他人に惚れても何となく元に戻る所が。
人間って毎日激しく生きていくのは疲れるから、こういう夫婦の温度があってもいいのかもな。

2014/03/08

夫婦とは何か？？というお題目を掲げながら、結局みんな都合よくひと時の性愛に浸るという感じ。
しいちゃんや親父さん女将さんなどの
清らかさで浄化されているので、あまりいやらしくならないけど…
そうでなければ内田シュンギクと大差ないかな…と思う。

2012/11/01

〈内容〉恋愛すると結婚したくなり、結婚すると恋愛したくなる。離れて、恋をして、再び問う夫婦の意味。結婚から始まる物語。