1,800円以上の注文で送料無料

ライ麦畑でつかまえて の商品レビュー

3.7

578件のお客様レビュー

  1. 5つ

    151

  2. 4つ

    134

  3. 3つ

    153

  4. 2つ

    39

  5. 1つ

    31

レビューを投稿

2023/12/30

思春期特有の寂しい尖り方を表現するのは難しいだろうなと思う。 私にとっては、330頁を読むための一過程だと思う。ただ、この頁が愛おしい。 雨は大人の表現を含み、フィービーからの帽子によって守られたホールデンは、「他の連中」と違って子供のままでいられたのかもしれない。 例えそれ...

思春期特有の寂しい尖り方を表現するのは難しいだろうなと思う。 私にとっては、330頁を読むための一過程だと思う。ただ、この頁が愛おしい。 雨は大人の表現を含み、フィービーからの帽子によって守られたホールデンは、「他の連中」と違って子供のままでいられたのかもしれない。 例えそれが精神病院行きであろうとも。

Posted byブクログ

2023/12/25

名作だと聞いて一回は読んでおこうと思い、購入。 とにかく文字数が多くて段落が少ないから、びっしり並んだ文字をひたすら読んでいく感じ。英語を和訳した小説なので途中で知らない表現や、聞き馴染みのない喋り方に「ん?」とつまずくところもあった。 大きな展開はなく淡々と進んでいくので途...

名作だと聞いて一回は読んでおこうと思い、購入。 とにかく文字数が多くて段落が少ないから、びっしり並んだ文字をひたすら読んでいく感じ。英語を和訳した小説なので途中で知らない表現や、聞き馴染みのない喋り方に「ん?」とつまずくところもあった。 大きな展開はなく淡々と進んでいくので途中でダレてちょっと読み飛ばしてみたりするもなんとか読了。 結果的には特に心を大きく動かされた感覚はないが、何かしら心に与えてくれたという感想である。 とにかく世の中の理不尽や納得できないことに不平不満を垂れながらも必死に生きる主人公。それは主人公の先天的な障害もあるのだがこんな世の中は間違っている、と噛みつきまくる。最後には1人で生きていくことを決意するも、最愛の妹がメリーゴーランドで遊ぶ様子に心を打たれ、決意を改める。 解釈は難しいが、その広義的なテーマや共感できるポイントが多いからこそこの本は今でも残り続けているんだなぁと勝手に納得。これの令和版が「推し、燃ゆ」と言われているのも主人公が世の中に馴染めない点で頷ける。 なんとなく皆の心にはあるものだけどちょっとやそっとの言葉では全てを表しにくく共感されないと認識しているものを、物語を通して再認識できるのがこのライ麦畑で捕まえてなのだー。

Posted byブクログ

2023/12/12

うーんいまいちよく分からなかった。 主人公(名前忘れた…)が思春期特有の周りの人物たちに 不満を持ちまくっていたり、閉鎖的な空間にうんざりしていたり生きづらく感じてるのは何となく読み取れた。 もう少し時間が経ってから再読すれば感じ方変わるかも。

Posted byブクログ

2023/11/02

あ、読み終わったのか…うーん… という感じだった。 けど、そのいまいちよくわからなかった気持ちを整理していくと、ホールデンが19歳浪人生の私に教えてくれたものに気づいた。 この世界のどこかには必ず本当の幸せがある。 もちろん直接そんな文言が書いてあったわけじゃない。戦争のニュ...

あ、読み終わったのか…うーん… という感じだった。 けど、そのいまいちよくわからなかった気持ちを整理していくと、ホールデンが19歳浪人生の私に教えてくれたものに気づいた。 この世界のどこかには必ず本当の幸せがある。 もちろん直接そんな文言が書いてあったわけじゃない。戦争のニュースや事件事故のニュースをみたり、また自分が浪人生という立場であることも相まって日々鬱々としていた私に光を与えてくれた。 それと、なんだかホールデンは19歳の私ににているような気がして親近感を持った。 自分の人生になげやりになって、受験勉強もどうでもいいやと思った日もあったが、世界の中の光の存在に気づかせてくれた。 そして、前向きになれた。 ホールデンがcatcherとして、どん底にいた私を救ってくれたのかもしれない。 ホールデンが教えてくれた本当の幸せは子供たちの間にしか存在しない気がする。 損得勘定や利害関係抜きに、本当に心癒される幸せな世界がそこにはある。純粋無垢な子供の時期はほんとうに儚いもの。だからこそ私は将来、子どもたちが幸せになれるような、一切おとなは干渉しないような遊び場をつくりたい。大人は愛を提供するだけ。 ホールデンに感化されすぎなアホな19歳だと思うかもしれません。でも自分は本気で思っています。 読後の感想は人それぞれだと思います。 あまり意味がわからなかった人は、ホールデンのcatcherの役割が不要な「大人」だったのかもしれません。 この本は、文面で直接何かを教えてくれるというよりは、自分なりに咀嚼してどう感じるかどう受け入れるかという部分が大事ですね。 私はこのほんが人生初めてのバイブルとなりました。

Posted byブクログ

2023/10/25

 題名はすごく有名だが、未だ読んだことがなかった作品で、最近では村上春樹が翻訳したものが刊行されたらしいが、まずは今で出ているものを読んでみようと手に取った。  それにしても作品全体を口語で作り上げたのは、50年代の若者のアメリカの風情を表す特筆すべき手法あるのかも知れないが、そ...

 題名はすごく有名だが、未だ読んだことがなかった作品で、最近では村上春樹が翻訳したものが刊行されたらしいが、まずは今で出ているものを読んでみようと手に取った。  それにしても作品全体を口語で作り上げたのは、50年代の若者のアメリカの風情を表す特筆すべき手法あるのかも知れないが、その雰囲気を醸すためなのか、訳にどうしても馴染めなかったのは自分だけだろうか。何度も「...なんだな」など口調を荒ぶれた様子を出すためなのであろうが、どうしても不自然さが出ているように感じた。  いやもしかしたらその当時の若者にも理解が追いついてないのかもしれない。  そして主人公のホールデンの、若者特有の危うさ、大人に対する反感、社会への不適合、女性に対する憧れと、いざことに及ぼうとすると何処か捨てきれぬ純粋さと臆病さ、そして若いにもかかわらず厭世的なところなどなど色々と本来見るべきところはあるのであるが、どうしても何処かに嫌悪感が残った。

Posted byブクログ

2023/11/19

村上版しか読んでないので本家の野崎版も。 誤訳と言われようが超訳と言われようが、なんといっても素晴らしいこの邦題。

Posted byブクログ

2023/10/16

最後まで頑張って読んだけど内容あんまり残らなかったなあ。口語体が印象的だったけどそれがいけなかったのかな。主人公がひねくれてるなって感じだけど後半はそんな彼も子どもらしいか弱さがあるんだと感じた。

Posted byブクログ

2023/10/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

マイニューヨークダイアリーという映画でサリンジャーが取り扱われていたことから読んでみた。 正直、洋書をあまり読まないからか、この本があえて口語チックな感じだからか分からないけれど、なかなか読みづらくて、特に、セリフの部分とかイメージしづらい感じだった。 なかなか読み進まず、眠気を誘うための本みたいな位置付けになってちまちま読んでいたけれど、後半の、妹と再会するあたりから、それまで主人公の目線でしかなかった物語が、そう言ってるあなたはこう見えるわよという描写が増えてきて急に面白くなった。 私は、この主人公が嫌うような、何の違和感もなく、学校の決まりにも従えるし、主人公にくだらないと思われるような会話も楽しくできてる青年時代だったけれど、当時そんなに関わることがなかったクラスメートの中には、そうした集団への違和感や、孤独感みたいなものを抱えていた子がいたのかもしれないな、と思わされた。 なんというか、たとえば嫌悪という感情であったとしても、どんなことへの嫌悪かってことが非常に具体的に描写されるから、ホールデンのクセのある性格を読み手がすごく理解できて、口語チックな文体というのもあって、ホールデンと直接関わったかのような気持ちになる不思議な力がありました。

Posted byブクログ

2023/09/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

原題は「ライ麦畑の捕手」だったのだが、日本語訳は「ライ麦畑でつかまえて」である。これは、単なる誤訳という説もあるが、私は翻訳した人があえて『つかまえて』にしたのだと思う。コールフィールドはライ麦畑で子をつかまえてやれる者になりたい、と言っていたが、私は、その発言はコールフィールド特有の虚勢であって、本当は自分をライ麦畑でつかまえてほしかった、ということではないかと思う。しかし、翻訳者の野崎氏は亡くなってしまったので真相はわからない。だが、 私は、この翻訳を野崎氏の作品への愛、言葉遊びだと考える。 私は、学生の頃にこの作品を読み、同族嫌悪と小っ恥ずかしさを感じた。しかし、成人してからこの作品を読むとこれはこれで、若さがあるからこその考え、青臭くも美しい心を感じた。学生時代に一度、成人後にもう一度読むべき作品である。

Posted byブクログ

2023/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

NHKラジオ英会話のテキストに『名著への招待—海外文学の本棚から—』という連載が載っており、そこで『ライ麦畑でつかまえて』が紹介されていたのがきっかけで読んだ。 村上春樹訳とすごく迷ったが、野崎孝訳のほうが口が悪そうだったのでこちらにした。 私に合った訳だったと思う。 タイトルは知っていたが、どんな内容なのかは全く知らなかった。 タイトルのイメージでなんとなく「キラキラした青春の話かな」と思っていたが、全く違った。 青春小説ではあるものの、「学校もクソ、通っているヤツらもみんなクソ」という感じで、とても良かった。 でも主人公のホールデン・コールフィールドは、自分のことを卑下することは言わない。 私たち読者はホールデンの話を、彼が入院している病院で聞いている。 読者に話しかけている形で進んでいくから、彼は私たちに対してもなんとか取り繕おうとしているのだろうと思った。 ホールデンは学校を辞めさせられることになり、退学予定よりも早く学校を飛び出して、寄り道をしながら家に向かっていく。 彼は誰かに連絡を取ってはどうしようもないことばかりしており、何をしているんだ!?の連続で、読んでいる私までハラハラしたり恥ずかしくなったりした。 途中、再会した女の子に勢いでプロポーズ紛いのことをし始めたときはどうしようかと思った。 しかもあとになって「どうして彼女を相手にあんなことを言い出したのか、自分でもよくわかんない」と言っていて、私は頭を抱えてしまった。 とにかくいいことがなく、踏んだり蹴ったりなホールデンを見ていると、「自業自得だ」と笑いたくなるかもしれない。 それでもぽつりと「僕はなんだか悲しくなっちゃった」「どうしてだかわかんないけど、泣けてきちゃったんだ」と言われると、私は彼のことをどうしても突き放せない。 いじらしく思えてしまうんだから、ずるいと思う。 ホールデンは妹のフィービーや、亡くなった弟・アリーをとても大切に愛しく思っている。 寒空の下で肺炎になって死ぬんじゃないかと思ったときには、ホールデンは両親が気の毒でたまらないと考える。 特に母親のほうは、弟・アリーの死からまだ回復しきっていないから気の毒だ、と。 彼はどうしようもないことばかりしているように見えるが、心の根っこは優しい子なんだろうなと思った。 ホールデンはひどく気が滅入ったときに、亡くなった弟・アリーに話しかける。 アリーを遊びに連れて行かなかった日のことを考えて、「おまえの自転車をとってきて、ボビー・ファロンの家の前へおいで」と言う。 その日、弟に言えなかった言葉を。 彼の繊細な心の中に、ずっと引っかかっている出来事なのだろう。 ひどくさみしい気持ちになった。 タイトル『ライ麦畑でつかまえて』は、ホールデンが聞き間違えた歌から取っている。 本来は『ライ麦畑で会うならば』という詩なのだが、彼は「ライ麦畑でつかまえて」と子どもが歌うのを聞いて、胸が霽れるような気持ちになった。 そして妹・フィービーに彼はこう言う。 「とにかくね、僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、みんなでなんかのゲームをしているとこが目に見えるんだよ。何千っていう子供たちがいるんだ。そしてあたりには誰もいない——誰もって大人はだよ——僕のほかにはね。で、僕はあぶない崖のふちに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ——つまり、子供たちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっかから、さっととび出して行って、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。一日じゅう、それだけをやればいいんだな。ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。馬鹿げてることは知ってるよ。でも、ほんとになりたいものといったら、それしかないね。馬鹿げてることは知ってるけどさ」(P269) ぼんやりとした光の中にあるような、現実逃避のような空想。 でもそれは、ここではない遠くに行ってしまいたいホールデンの気持ちの表れのようで、胸が苦しくなった。 翻訳小説は言い回しが独特で「頑張って読む」ことになりやすいのだが、この作品は話し口調で進んでいくからか、するすると読めた。 アメリカ文学版太宰治という読み心地だった。 太宰作品や中原中也(本人)が好きな人は、好みの作風だと思う(根拠は私です)。 白水社のHPに訳者解説が載っており、そちらもとても良かったのでぜひ読んでみてほしい。

Posted byブクログ