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墨攻 の商品レビュー

3.9

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    29

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2018/02/25

支那の凄まじい“胃袋”を以てなほこの辺はアレなんぢゃねえかと思はれる異常な思想集団、墨子。  それの技術や思想は、一応五斗米道とかで一応残ったが、「戒厳令下の平和主義」といふ異常な思想は粉砕され、子墨子さんが辛うじて仙人になってその名が残る。  でその、ヴォランティアの傭兵がその...

支那の凄まじい“胃袋”を以てなほこの辺はアレなんぢゃねえかと思はれる異常な思想集団、墨子。  それの技術や思想は、一応五斗米道とかで一応残ったが、「戒厳令下の平和主義」といふ異常な思想は粉砕され、子墨子さんが辛うじて仙人になってその名が残る。  でその、ヴォランティアの傭兵がその思想をgdgdにする頃、革離といふ普通の墨者が、さういふわけで一人で、そのイデオロギーがそれこそ「作者の想像を絶する」関係で技術者として、どうでもいい城塞都市を当時としては最強最高の要塞へリフォームし、普通の軍隊をぼっこぼこにするが。  冒頭はお約束で公輸般と子墨子のSLG対決。てふか墨子伝承と言ふとこれくらゐしか無い。でこれがきちんと消化されてゐる。

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2017/11/10

面白いという意味では合格。でも、何か足りない、そんな感じのする小説です。 わずか145ページ。並みの本の1/3の中篇というべきサイズ。あとがきと解説が25ページついても、薄っぺらです。一日で読了しました。 話の殆どが戦闘シーン、それに墨子についての解説が少しついている。ただ、...

面白いという意味では合格。でも、何か足りない、そんな感じのする小説です。 わずか145ページ。並みの本の1/3の中篇というべきサイズ。あとがきと解説が25ページついても、薄っぺらです。一日で読了しました。 話の殆どが戦闘シーン、それに墨子についての解説が少しついている。ただ、墨子の作戦の面白さだけで読ませている感じです。 酒見さんは初めて。面白かったけど次に進むかと問われると疑問符がついてしまいます。

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2017/10/27

戦国時代、兼愛・非攻を説くのに最強戦闘集団…という謎の思想家・墨子の籠城戦術をもとにした、架空の物語。虚実織り交ぜているからか、史実のような小説展開になってる!なるほどー!随所にある割注みたいな説明文が、歴史書っぽさを出してるのかなあ。

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2016/10/15

大国が覇を競う古代の中国。平和を説き、戦争で助けを求められればあらゆる手段で依頼者を守るスペシャリストの集団、墨子教団がいた。いま小城が呑まれようとするなか、教団の俊英・革離はひとり救援に駆けつける。二万の軍勢に囲まれた町を彼は守り通せるか?映画化もされた中島敦記念賞受賞の傑作小...

大国が覇を競う古代の中国。平和を説き、戦争で助けを求められればあらゆる手段で依頼者を守るスペシャリストの集団、墨子教団がいた。いま小城が呑まれようとするなか、教団の俊英・革離はひとり救援に駆けつける。二万の軍勢に囲まれた町を彼は守り通せるか?映画化もされた中島敦記念賞受賞の傑作小説!

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2016/08/13

墨守という言葉から転じて墨攻とは…なんともワクワクする題名である。 著者も語っているように墨家はまだまだ謎の多い思想家集団であるが、兼愛思想と非攻説を解いたことは後の世にも伝わっている。 しかし墨守するからには戦わなければならず、様様な戦闘能力を身につけた機械や戦術を編み出さ...

墨守という言葉から転じて墨攻とは…なんともワクワクする題名である。 著者も語っているように墨家はまだまだ謎の多い思想家集団であるが、兼愛思想と非攻説を解いたことは後の世にも伝わっている。 しかし墨守するからには戦わなければならず、様様な戦闘能力を身につけた機械や戦術を編み出さなければならない。結局は非攻と言いつつも戦いを前提にした墨守にしかなりえないのである。 これは今の世への大いなる矛盾も示唆しているように感じた。

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2016/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フィリピン出張で読んだ三冊目の小説が酒見賢一氏の作品『墨攻』だ。諸子百家が活躍したと言われる中国古代戦国時代を舞台にした小説で、諸子百家のなかですでに忘れ去れて歴史書にも多くは語られていない墨子が起こした教団の構成員が優秀であるが故に教えを純粋に信じて実行に映した故に出会う事になる主人公の悲劇が描かれている。 墨子の教えは民を不幸にする戦を出来るだけ排除するというもので、しかたなく戦いをする際はあくまでも守りに徹するというもので政治色もすくなくかなりユニークな教えとして描かれている。わずかな情報の中から作者が作り出したものだが、この物語で描かれた墨子教団の様子通じで伝わってくる教えは本当にこの教団は存在したのではと思わせる位リアリティがあり魅力ももっている。ただこのお話で描かれているのは彼が教団で自らを鍛える事で得た技術を持ってして活躍する日のあたる部分が派手に描かれながらも、あまりに純粋に信じた事を多くの人と行動を起こそうとするときに人との関わりの中で全くの遊びのなさというかフレキシブルな付き合いが出来無いが為に物事の達成の前に内側から崩れてしまう悲劇に見舞われてしまうというちょっとこそばゆくなる教訓ののようなものだ。

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2015/11/25

墨攻すごい! というか主人公である墨者の革離がすごい! この薄い本にものすごい人間ドラマがてんこ盛りな感じ。 男も女も老いも若きもみんな守る為だけに、みんな戦う。 謎は多いけれど、敵の将である淹中が最後に墨者用の葬りかたを知ってるのが またなんとも。 賎民であるのかよく分からない...

墨攻すごい! というか主人公である墨者の革離がすごい! この薄い本にものすごい人間ドラマがてんこ盛りな感じ。 男も女も老いも若きもみんな守る為だけに、みんな戦う。 謎は多いけれど、敵の将である淹中が最後に墨者用の葬りかたを知ってるのが またなんとも。 賎民であるのかよく分からないミステリアスな墨者だけれど そんなことはいいのです。 超人離れした戦わずして守る創意工夫みたいなのも またなんとも。 なかなか普段読まない中国ものの小説だけども、これを機にもう少し掘り下げようかなーと思う。

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2015/03/30

 民衆の絶対的な支持を得るために、論功行賞、信賞必罰、それとは気付かれないまでも脅迫までやる。それ以前に、城主から絶対的な権力を得る。そうすることによって、軍隊としてのCommand and Controlのマネジメントスタイル。  軍隊組織と企業組織。戦時と平時。比べるべく...

 民衆の絶対的な支持を得るために、論功行賞、信賞必罰、それとは気付かれないまでも脅迫までやる。それ以前に、城主から絶対的な権力を得る。そうすることによって、軍隊としてのCommand and Controlのマネジメントスタイル。  軍隊組織と企業組織。戦時と平時。比べるべくもないけれど。

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2014/12/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中国の戦国時代に墨子教団より派遣された一人の墨子が城を守るために淡々と奮闘する。 その墨子は実は墨子教団の長と意見を違えて飛び出した者。 たった一人ながらも効率的に素人を束ねて城を守ろうとする。 中国古代に墨子という専守防衛を説く集団がいたとは全く知らなかった。 墨子についての研究が進めばいいと思う。

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2014/10/30

時は戦国時代の中国。多くの群雄たちは中国統一を競い、思想家たちは自説を広めることを競っていた。その結果、有名な孔子や老子などの思想家が登場する。そして、墨子だ。 墨子の教えは「非攻」、戦わないことをモットーとする。が、戦わないためには、周囲から戦うことを諦めさせるだけの戦力を持...

時は戦国時代の中国。多くの群雄たちは中国統一を競い、思想家たちは自説を広めることを競っていた。その結果、有名な孔子や老子などの思想家が登場する。そして、墨子だ。 墨子の教えは「非攻」、戦わないことをモットーとする。が、戦わないためには、周囲から戦うことを諦めさせるだけの戦力を持たなければならないという考えだ。そのため、墨子集団は武器の発明や戦闘員の労務管理など、何よりも軍事技術の向上に力を注いだ。戦争をなくすために、戦争エリートを目指すのは矛盾しているようだが、抑止力として核兵器を持とうとする現代国家だって、やってることは同じだ。 そんな墨子教団の教えを忠実に守る一人の男を主人公に、当時の中国の戦闘を具体的に描いたミリタリー歴史小説。シュワルツネッガーのアクション映画を見ているような痛快な娯楽性がある。とはいえ、あまりに突然で消化不良なエンディングにはガックリ。滅びの美学をもっと追求してほしかった。

Posted byブクログ